どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

トラさん、あばれる

2020年02月07日 | 絵本(外国)

          トラさん、あばれる/ピーター・ブラウン・作 青山南・訳/光村教育図書/2014年

 

 町に住む動物たちは、みんなすまし顔。

 洋服をきっちりきめて、蝶ネクタイにシルクハット。そしてゾウもサイも、ヤギも二足歩行。

 言葉も、ご挨拶も丁寧。

 そんな世界にうんざりしたトラが、はじけたい、さわぎたい、あばれたいと おもいきってやってみました。

 四足歩行で高い建物に のぼったり、ベンチで大声でさけんだり、屋根から屋根にとびまわったり 噴水で泳いだり。

 我慢できなくなったみんなが、「そんなに暴れたいのなら森へいらっしゃれば!」というので、森へ駆け出し、おもいっきり暴れました。でも森では独りぼっち。

 ともだちにあいたくなり、まちがなつかしくなりました。

 もどってみると、みんなの様子が 前と違って、四足歩行で、自由に動き回っています。これなら、きもちよくのびのびできるかもしれないと思ったトラでした。

 動物も建物も直線主体で、色はセピアと落ち着いた色合い。トラさんだけが明るいオレンジ色で目立ちます。

 いつも行儀よくしなさいといわれるとたしかにうんざり。わかるわかる、ときには破目を外したくなる気持ち。 でもトラさん、もう少し暴れるかと思ったらやや控えめ。

 なぜほかの動物がかわったのか、もう少しでていたらラストも納得いったのですが・・・。

 やっぱり動物がすむのが町というのは、味気ありません。


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