トラさん、あばれる/ピーター・ブラウン・作 青山南・訳/光村教育図書/2014年
町に住む動物たちは、みんなすまし顔。
洋服をきっちりきめて、蝶ネクタイにシルクハット。そしてゾウもサイも、ヤギも二足歩行。
言葉も、ご挨拶も丁寧。
そんな世界にうんざりしたトラが、はじけたい、さわぎたい、あばれたいと おもいきってやってみました。
四足歩行で高い建物に のぼったり、ベンチで大声でさけんだり、屋根から屋根にとびまわったり 噴水で泳いだり。
我慢できなくなったみんなが、「そんなに暴れたいのなら森へいらっしゃれば!」というので、森へ駆け出し、おもいっきり暴れました。でも森では独りぼっち。
ともだちにあいたくなり、まちがなつかしくなりました。
もどってみると、みんなの様子が 前と違って、四足歩行で、自由に動き回っています。これなら、きもちよくのびのびできるかもしれないと思ったトラでした。
動物も建物も直線主体で、色はセピアと落ち着いた色合い。トラさんだけが明るいオレンジ色で目立ちます。
いつも行儀よくしなさいといわれるとたしかにうんざり。わかるわかる、ときには破目を外したくなる気持ち。 でもトラさん、もう少し暴れるかと思ったらやや控えめ。
なぜほかの動物がかわったのか、もう少しでていたらラストも納得いったのですが・・・。
やっぱり動物がすむのが町というのは、味気ありません。