フィリピンの民話/山形のおかあさん須藤オリーブ語さんの語り/野村敬子・編 三栗沙緒子・絵/星の環会/1993年
仲良しの水牛とべこ(牛)の話。
楽しいのは、人間が服を脱いで、お風呂に入るように、水牛とべこも、自分たちの皮を脱いで川に入るということ。
のんびり川で体を洗っていると、ざわざわ音がして、水牛とべこは、あわてて木の陰に隠していた自分たちの皮をだし着替え?ました。
家に帰ってみると、水牛は自分の入った皮が、窮屈でたまりません。一方べこの皮は、がぼがぼ。慌てて着替えたので、皮が入れ替わったのでした。
そのため、べこの首から胸にかけて、びろびろして皮があまってつき、水牛の方は、首から胸のところはぴちぴちに皮が張って、びっしり少しのゆるみもないように皮がはりついてしまったという。
動物昔話もいろいろですが、皮をぬぐというのはなかったはず。