よくばりぎつねのじろろっぷ/おの りえ・作 たるいし まこ・絵/福音館書店/1997年
落ち葉の山でうまれそだったじろろっぷは、とてもよくばり。
おちば、どんぐり、だんごむし、おさかなもひとりじめ。お月さまをほしがって、たかい木に登り しっぽのほね?をおっても はんせいはみられません。
ぬまひきがえるの魔法のくつを、ぬきとると かぜよりはやく、びゅんとかけだします。
おおきなくまの くちからはみでた さかなのしっぽを とおるついでに ひっぱれば、それは のどにつまった魚の骨。
海を駆け抜け、えびの ひげをひっぱると 漁師の網からぬけだせて、えびはおおよろこび。
とおい国にやってきて、あれこれもらい、山の上に のぼると でっかいりゅう。
りゅうの金のきばがほしくなり、きばに しがみつくと りゅうはびっり おおきなくしゃみ。ふき飛ばされたとたん、りゅうの 虫歯がぬけてしまいます。
虫歯をかかえたじろろっぷは、りゅうのくしゃみで そらのかなたへ。魔法のくつも抜け落ち、おちたさきは とうさんのうえ。
よくばりが なぜか役に立つという憎めないじろろっぷ。
このじろろっぷが 大人になって 歯医者になるというのがみそ。診療所の屋根には、りゅうの虫歯が鎮座しています。
軽快なテンポにひきこまれます。