どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

カメレオンとぞう・・ウガンダ

2023年12月10日 | 昔話(アフリカ)

     のうさぎとさいちょう/オコト・ビデック 北村美都穂・訳/新評論/1998年

 

 あるとき、ひどいひでりになり、動物たちが いまにも死にそうになっていた。ひとりの女がいいました。「のどがかわいて死にそうだ。誰か、ほんの少しでもいい。水をくれる人がいたら、娘を およめにあげるのに。」

 これを聞いて、ありとあらゆる動物が集まってきて水を掘りだそうとします。ししが、井戸を掘るには歯を使うといいというと、おひつじが、井戸は角を使うべきだといい、長い長い議論の結果、後足をつかおうとなって、ぞうが、大地をふみならしましたが、土埃が舞い上がだけで水はでません。

 かばが、すいぎゅうが、さいが、ウォーターバックが、そのほか荒れ野にすむ大きな動物がみなやってみますが、水は出ません。あきらめて さるが去ると、アンテローブが、踊り場で歌いますが、水はやはりでません。カメレオンがみんなから笑われながら、踊りはじめると、カメレオンの足元に、ちょっぴりどろがありました。とかげは、カメレオンがおしっこを漏らしたと思い、笑いますが、どろはどんどんふえていき、やがてどろ水になりました。帰りかけていた動物たちは、カケレオンがどろ水を掘り当てたと聞いて、かけもどってきました。

 ぞうは、話を聞いてカメレオンを、鼻でカメレオンをつかまえ、木の幹にたたきつけたので、杯のなかに埋まってしまいます。美しい娘とならんですわってみていた女がぞうに声をかけました。「ぞうさん、重いおかた。水を出すのは、カメレオンにまかせなさい。みんなのためですから」。ぞうはおおいに恥をかき、腹を立てて引きあげていきました。

 動物たちが、灰の中に埋まっていたカメレオンをさがしだすと、カメレオンは、また歌います。やがて、どろができ、どろ水にかわり、どろ水がしだいに澄んできて、とうとうあたり一面水になりました。

 ある日、カメレオンとおよめさんが、畑をたがやしていると、恥をかかされたぞうがやってきて、「だんなはどこかね?」と、たずねました。およめさんは、ぞうがくるまえに、カメレオンを ひょうたんのなかにかくしておきました。ところが、ひょうたんのなかに水がはいっていないというのを聞くと、ぞうはひょうたんを石にたたきつけました。ぞうは、中から出てきたカメレオンを足でふみつけ、およめさんを、じぶんのおかみさんにしてしまいました。このとき、カメレオンのおよめさんの子どもがやどっていました。

 やがて、この子がおおきくなると、一計をあんじたので、ぞうは、火で焼け死んでしまいます。しかし、そのぞうの指の間には、カメレオンがはさまっていて、まだ生きていました。

 

 動物たちは、歌いながら水を掘りだそうとしました。

 ぞうは

 ”重たいぞう 重たいぞう さあて 水のあるあたりは ここらかな 重たいぞう 力持ちだぞう さあて 水のあるのはここらかな”

 カメレオンの歌は、動物たちの中で どんな存在であったかが わかります。

 ”笑うならお笑い わたしはみんなの笑いもの 赤あたまのとかげがわたしのことを笑っている どもこれが私のうまれつき 笑うならお笑い わたしはみんなの笑いもの”


この記事についてブログを書く
« まゆと ブカブカブー | トップ | 黄金をなげた山・・ペルー »
最新の画像もっと見る

昔話(アフリカ)」カテゴリの最新記事