子どもに聞かせる世界の民話/矢崎源九郎編/実業之日本社/1964年
世の中に出て幸せをつかもうと二ひきの子グマが旅に出ました。何日も旅を続け、おかあさんからもらった食べ物も残らずなくなってしまいました。
のろのろ歩き続ける二ひきは、道の真ん中に落ちている大きなチーズを見つけ大喜び。ところが、このチーズのわけかたでひと悶着。兄が切っても弟が切っても、自分がもらう分が少なくなると口喧嘩。
そこへ、ひょっこりキツネがやってきて、二ひきから喧嘩のわけを聞くと、じょうずにわけてあげるといいます。
キツネがわけたチーズは、一つのほうがずっとおおきいものでした。大きさが違うと二ひきがさけぶと、キツネは大きいほうのチーズを食べてしまいます。そしてキツネは、残ったチーズを二つにわけます。こんどもおおきさがちがい、キツネは 大きいほうを食べてしまいます。
なんどか繰り返すうち、ちょうど同じおおきさになったときは、チーズはちっぽけな、ちっぽけなかけらになっていました。そして、「さあ、これでいいでしょう。さようなら。」というと、キツネはさっさと、いってしまいました。
よくばりをいましめる話で、形は違え、どこの国でもありそうな話。