くれよんのくろくん/なかや みわ/童心社/2001年
はじめて色の不思議さにであう絵本かも知れません。
黄色くんが画用紙をみつけてチョウチョをかくと、クレヨンくんが次々に、絵をかきていきます。
おかあさんの赤さんはチューリップを、ピンクちゃんがコスモスを。
黄緑さんがコスモスに葉っぱを、緑くんがチューリップに葉っぱを。
黄銅色くんが木を、茶色くんが地面を。
水色くんがふんわり雲、青くんが青空を。
そこへ、黒くんがやってきましたが、出番がありません。
「黒くんは間に合っている」「きれいに かいたえを くろくされたら、たまらないよ・・」と、仲間に入れてもらえない黒くん。
みんなは楽しそうに つづきを かきはじめました。ところが みんな ほかの色の上に かきはじめていくので、えはめちゃくちゃ。
さみしそうにしている黒くんに、シャープペンが こっそり いいました。
黒くんは、みんながかいた 絵の上を まっくろにしてしまいました。
真っ黒になった絵の上を、シャープペンシルくんが、ツツツーッと からだをすべらせると、あっというまに 画用紙の上には、大きな花火が いくつも 夜空に うかびました。
クレヨンたちが 大喜びすると 花火は、黒くんがいたからと、シャープペン。
重ね塗りしたクレヨンを削っていくと思いがけないものがうかんできます。
水彩では、重ね塗りしていくと色が微妙に変化します。
絵本を見たら、自分もかいてみようとなるのも、納得します。
クレヨンくんたちが「クル クル クルッ」「ツラ ツラ ツラッ」「グリン グリリリーン」「ゴーゴリゴリゴー」「クリン クリン」「ビュルルーン ビュルルーン」と、絵を描くリズムも素敵です。