どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

チック タック じかんってなあに?

2023年06月02日 | 絵本(外国)

   チック タック じかんってなあに?/ベス・ユーマン・グレイク・作 ハーベイ・ワイス・絵/もり ひさし・訳/偕成社/1970年

 

 あらためて「時間ってなあに?」と聞かれ時のヒントが満載。

 身近なものだと、起きる、食べる、遊ぶ、寝る すべてが、時間と一緒。

 一秒、一分からはじまって、一日、一週間、・・・大人になるまでの長い時間。

 暮らしや遊び、そして季節の楽しさ。

 「あなたは いま、かこから みらいに つづく ながいながい じかんの なかに いるのです。」と、時間を流れの中で、とらえていきます。

 時間のスパンを、長ーくとらえると、歴史になり、途方もなく長い時間で考えると、それは地球の誕生まで いきつきます。

 

 日本の初版は1970年ですが、原著の発行は1960年。クラシックな絵が、個人的には好きです。


ちいさな こえが みらいをかえる

2023年06月01日 | 絵本(外国)

   ちいさな こえが みらいをかえる/作・アンドレア・バイティー 絵・デイヴィッド・ロバーツ 訳・かとうりつこ/絵本塾出版/2021年

 

 ソフィアは八歳。おじいちゃんと、落ち葉を掃除したり、ペットを散歩させたり、ひきごもりがちなひとりぼっちのお年寄りの家に行ってお手伝いをしてまわります。
 

 ある日、ソフィアはゴミの山で足をケガをしたおじいちゃんのために、ゴミを撤去して公園をつくることを思いつきます。さっそく、「ゴミおきばを てっきょして みんなの こうえんをつくろう」と、看板を立てると、いろんな意見があつまり、その声を 公園の地図に書き込みました。ところが、ご近所さんは、ソフィアが 公園を作ってくれると思っていたのです。

 たったひとりで 公園なんか作れない! でも おじいちゃんに 背中を押され、市役所に行ったソフィア。役所をたらいまわしされ、「こどもには こうえんなんて つくれません。そう きまっていているんです。」といわれ、「もし、あなたが わたしだったら、そして、けがをしたのが あなたのおじいちゃんだったら、あなたは どうしますか?」と、係の人に訴え、みんなでたてた 計画や 計画がどうして必要なのか、まちのおとしよりや みんなのために じぶんたちにできることを、話しはじめます。

 まちのひとたちの 賛成があつまったら 公園づくりをはじめようという市長のことばをうけ、ソフィアは町の人やクラスのみんな、先生の意見をあつめ、やがて 公園の建設が はじまります。

 

 ソフィアに特別に勇気があったかではなく、どの子にも 思いもよらないほどの力があることを気づかせてくれる絵本。

 それにしても、子どもだからと意見を聞こうとしない大人のなんと多いことか。そして気がついていながら、どうせかわらないからと 自分から行動をおこそうとしない大人へ 第一歩を踏み出せといっているようでもありました。