鳥見雑記帳

庭や近所の公園で観察した野鳥についての雑記帳

カイツブリたちの秋

2022年12月22日 | カイツブリ類

春から夏のカイツブリの子育てが一段落したあと、今年もまた秋子の繁殖を始めたペアがいた。

このペアにとっては、4番子になる。

ここ2年、秋に生まれた雛は残念ながらうまく育たなかったので、今年の子たちはどうなるかとはらはら見守った。

▲10月初旬、3羽の雛が孵る。

しかし、今年は抱卵開始が例年より早かったので、何とか秋子も順調に育っていった。

▲3羽とも順調に成長

▲ザリガニも食べられるようになった?

▲自分で採りなさいとスパルタ教育

▲12月中旬、3羽とも無事

この調子で冬を越せるといい。

一方池尻では、今年は1番子しか育てなかったが、10月半ば、既に自立している子供たちが集まっているのを目にした。

1羽親鳥かと思われる個体もいたが、別に餌をねだる様子もなく、それぞれが自由に餌取りをしているのだが、なんとなく一緒に集まっているのだ。

▲巣らしきものも作られている。

▲巣らしきものに座る若鳥

▲若鳥は親の冬羽と似通っていて、区別がつきにくい。

若鳥たちは2週間ぐらい、集まっていたが、その後三々五々といなくなった。

ここのペアは1番子しか育てなかったが、みな無事に成鳥まで育ったようだった。

雛たちが独立した後どのように暮らしているのかなかなか追えなかったが、今年は若鳥が池に多く残っていたようだ。

12月には河川部に2羽の若鳥が見つかったので、もしかしたらそちらへ移動したのかもしれない。

 

 


カイツブリ繁殖記録2022③

2022年09月02日 | カイツブリ類

さて、残る3番目の区画、お茶の水池での繁殖は、あまりにも錯綜していて、正確に追うことができなかった。わかっている範囲での記録にとどめる。

3月に営巣を始めたペアのうち、唯一まだ伸びてきていないヒメガマの湿地を営巣場所に選んだペアがいた。

観察者の方々は、あまりにも丸見えの巣に、大丈夫かと心配していたが、結果としては、無事5羽の雛が生まれた。

▲写真はまだ4羽目が生まれたときのもの。ヒメガマが育ってきている。4月8日

しかし、生まれたばかりの雛の2羽が、切れ藻のようなものに絡まって命を落としてしまった。

▲生き残った3羽の雛たち 4月19日

このペアは2番子も同じ場所で育てる。そのころはヒメガマが茂って視界を塞ぎ、熱心な観察者も巣の位置を確かめられなかった。(鳴き声だけは聞こえた。)雛が無事生まれたことがわかったので、巣からでてきたときだった。

▲2番子4羽のお目見え 7月9日

夏のある日の夜、4羽の雛と1羽の親が集まってきて、暗くなった水面に浮かんだまま。こんな風に寝るのかなと見ていたが、しばらくすると何かに驚いたように一斉に全員が水に潜ってしまった。そのあとどうなったか暗くて確かめられなかった。

▲7月23日夕方7時過ぎの親子

このペアは、私の知る限り、9羽の雛を孵したことになる。

同じころ、反対側の浮島で営巣するペアがいた。ここはかいぼり前からカイツブリが毎年選んできた営巣場所である。

▲3月23日 4個の卵を抱卵中

▲4月5日、4羽の雛が孵っている。

ここで営巣するペアは、なぜか2番子は巣の場所を変える。今年も対岸の小さなヒメガマの根元へ移って、営巣を始めた。

▲5月11日 5個の卵を抱卵中

▲6月3日 4羽孵る。もう一つの卵は孵らなかった。

このペアは、同じ場所で3番子も育てるが、2羽の雛が孵った時点で巣を放棄。巣に異変が起きたのか。

▲8月1日 2羽の雛を連れたペア

雛はいつの間にか1羽になってしまった。1羽の雛を親は大事に育てている。

▲8月23日 残った1羽の雛が池に落ちてきた虫をゲット。今池で一番小さい雛だ。

このペアが卵から孵した雛は10羽ということになる。

次に、お茶の水池の橋のたもとで営巣したペア

事前にあちこちで営巣を試みるも、うまくいかず、かなり遅れてここに営巣

▲6月11日 雛1羽孵る。最終的に3羽の雛が孵った。

▲7月8日 まだ1番子が小さいのに2番子を抱卵。

このペアは、6羽の雛を孵した。

最後に、橋の反対側で営巣したペア。

▲6月3日 橋から見下ろす位置に卵1つ。

このペアは、どこから来たペアだろうか。私はボート池の桜枝で営巣し、失敗したペアではないかと推測してみた。

そのわけは、5羽の雛を孵したあと、すぐにボート池に移動したからだ。

▲7月8日 ボート池の5羽の雛たち

ある日、このペアはボート池で他のペア(たぶん池尻ペア)と縄張り争いを始めた。

5羽の雛は、傍まで行ってその様子を見ている。こうして、けんかの仕方(?)も覚えていくのかもしれない。

▲縄張り争いをする親たち 7月25日

▲見学する雛たち

このペアが孵した雛は5羽。お茶の水池全体で30羽(すぐ死んだ雛も入っている)が孵ったことになる。そして総計58羽(あくまでも私が把握している件のみ)。過去最高ではないかと思う。

抱卵し始めてからの失敗例は、ほとんどが天敵(スッポン・カラス)によるものだ。雛がヘビに食べられたのを見たという人もいた。

ここ何年かは、秋になってまた営巣するペアがいたが、今年はどうだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


カイツブリ繁殖記録2022②

2022年08月24日 | カイツブリ類

ボート小屋で営巣したペアは4羽の雛を連れて弁天池(狛江橋側)へ移住してきた。

この区画の反対側には弁天橋があり、そこに別のペアが営巣をしている。まず、そのペアの繁殖記録から。

3月中旬、このペアはとんでもないところで営巣を始めた。池の噴水がもろに巣に降り注ぐ場所なのだ。

▲噴水をもろに浴びる巣で卵を産む。3月17日~4月12日

見守る人たちから、「噴水を止められないか」という要望が出るほどだったが、池全体の保全のために、それはできないと言われ、ただ見守るしかなかった。結局、卵は孵らず(孵ったという人もいたが)、巣は放棄された。

実は昨年もここで営巣したことがあり、もちろん失敗に終わったが、ここぐらいしかカイツブリにとって巣の適地はなかったからだろう。

ペアは、やがて、抽水植物が伸びてきた場所に再度営巣する。

▲雛が孵った。5月18日

この巣では、5月20日に5個の卵全部が無事に孵った。

ペアは、雛が孵ってからまだ1か月も経たない6月に2回目の抱卵に入る。

▲抱卵中 6月7日 巣の近くに一番子が1羽くっついている。

一番子たちは、どうなるのだろうと気がかりだったが、片方の親が合間にせっせと給餌していたり、時には卵をおいて、2羽で世話をしている場面もあり、1番子たちも順調に育った。餌が豊富にあったからだろうか。

▲ペアがそろって1番子たちの世話をする。6月11日

▲卵は5個あったが、そのうちの1羽目が孵化 6月30日

▲巣に異変があったのか、卵1つを残して、引越し 7月7日

この4羽は8月19日現在も無事に育っていることが確認できている。親も次の繁殖はしない様子で、4羽の世話をしながら過ごしている。

▲3羽をの世話をする親と、1羽の世話をする親に別れている。

親が産卵中のギンヤンマを捕らえるのを見て、雛たちもまねをし、ついに成功したようだ。こうして、親と過ごしながら、サバイバル術を学んでいくのだと思われる。

一方、ボート小屋下から移住してきたファイミリーの場合

▲4羽の雛は仮の浮巣で暮らす

この後、このペアは橋のたもとのヒメガマが茂る浅場で、2番子・3番子を育てた。

▲2番子は4羽が孵った。6月3日

▲3番子は5羽 7月23日

こうして、弁天池では18羽の雛が孵ったことになる。

抽水植物の根元で営巣する方が成功率が高いと思われるのに、なぜ、1番子の営巣場所は違うのか。

思うに、営巣を始める3月下旬頃は、まだ抽水植物が伸びてきていないので、カイツブリたちに営巣の適地だと認識されないのではないか。

 

 

 

 

 

 

 


カイツブリの繁殖記録2022①

2022年08月23日 | カイツブリ類

地元のカイツブリの繁殖は、8月上旬に2羽の雛が誕生して以降、今のところ新たな営巣の気配はなく、一段落したようだ。(秋にまた繁殖をし始める例もあったが。)

今年もたくさんのペアが繁殖を試み、私が把握しているだけでも58羽の雛が孵った。(把握しきれないものが多々ある。)後年振り返ることができるように、記録を残しておきたいと思う。

地元の池は3区画に分かれている。ボート池・弁天池・お茶の水池だ。

先ず、ボート池の例から。

ボート池は名前の通り、ボート営業がされているいる池なので、営巣しにくい区画だ。

しかし、この池がかいぼりされたとき、水抜きポンプなどが設置された場所のフェンスが今も残っていて、ボートが入り込めない一角(池尻)がある。第1回かいぼり後、真っ先にこの一角で営巣を始めたペアがいた。以来、毎年必ず営巣が試みられている。

この区画の問題は、しかし、安定した巣を作る場所がないことだ。ここのペアは、水面に垂れ下がった木の枝に巣材をかけて営巣せざるを得ない。巣は流れやすく、また水位が下がると跳ね上がってしまうリスクがある。

▲2022年1月28日 すでにここで営巣する気満々のペア

営巣場所はなかなか決まらず、あちこちで作ってみては流されたり放棄したりを繰り返したのち、桜も散ったころ、やっと産卵・抱卵に入った。

▲2022年4月19日 抱卵中

しかし、いよいよ孵化かと思っていた日、卵は襲われてしまう。私は見ていないので伝聞情報だが、スッポンに襲われたらしい。

その後、ペアは営巣を諦めてしまったように見えたが、6月に入って再び営巣を始めた。池の真ん中あたり、完全な浮巣である。このころコカナダモが大繁茂し、巣を下から支えているので、流されることはないようだった。

▲2022年6月7日 浮巣で抱卵中。卵は5個。

そして、雛は5羽とも無事に孵った。

▲2022年7月1日 このころ異常な猛暑に見舞われ、親も必死で雛たちを熱から守っていた。

ペアは、雛たちを2羽と3羽に分けて分担して連れ出し、子育てしていた。

▲7月17日 雛たちはすくすくと育つ。

雛がある程度育つと、多くのペアは2番子3番子と営巣を始めるのだが、このペアはその気配はまったくない。

いつまでも雛の面倒をみている。そのため、つい最近も5羽の雛が順調に成長しているのが見られた。

▲8月22日の雛たち。5羽とも無事。

ボート池では、他所でも営巣を試みたペアがあったが、ほとんどは失敗している。

ただもう一組、意外な場所で営巣したペアがいた。

▲なんとボート小屋の床下で営巣 3月16日

このペアの様子は、写真が撮りにくく、観察のみ。5個の卵を産み、5羽とも孵った。

しかし、ちょうどその時、大雨が降って水位があがり、巣そのものは流れてしまう。巣を失った雛たちのうち、最後に孵った1羽は、その後溺れてしまったと聞く。

一家は4羽の雛を連れて隣の区画、弁天池へ移動した。

ということで、ボート池では10羽の雛が孵化したことになる。

 


カイツブリの子育て 追加編 

2021年12月07日 | カイツブリ類

昨年もカイツブリの子育てのまとめをしたあと、まさかという時期に新たな繁殖を試みるペアがいた。

そのときは、11月末に雛が1羽生まれ、1月8日に姿を消した。結局親が餌を捕れず、雛が鳴いて要求しても与えられないまま弱って死んでしまったと思われる。見ているのが辛かった。

そういう事例があったので、今年又晩秋に繁殖し始めたペアを見て、とても心配だった。

▲10月24日 巣作りと交尾

▲11月8日 卵が1つ

▲3個の卵を抱卵中

雛は予定日より1日遅れて11月30日に1羽目が誕生。続いて2羽目も生まれたそうだが、生まれたときから弱弱しく、親の背に上ることができずに、力尽きて死んでしまったらしい。

次の日には3個目の卵が孵化する。

▲前日生まれた1羽目の雛

▲ひび割れて嘴が見えるが、なかなか出て来られない雛。親も気にしている。

▲やっと体が見えてきた。

▲この子も弱弱しい。

それでも、次の日行ってみると、2羽は無事だと聞いて、一安心したのだが、12月3日には、巣に雛の死体があった。

残った1羽に親はなんとか餌を運んできていたが、雛の口に合うサイズの餌がなかなか捕れないようだった。

▲残ったのは1羽だけ。とても小さい。

そして、今日(12月7日)残った雛も巣の中で死んでいるのを撮った写真を見せてもらった。たった1週間の命だった。

適切な大きさの餌がなかなかもらえない上に、急に寒くなって、力尽きたと思われる。

それでも親は今日のところ巣の上に座っていた。

地元の公園では、この時期の子育てが成功した事例はない。まさか、再挑戦するなんてことはしないでほしいのだが。