2番子の子育てに挑戦した3組目は、1番子と同じ抽水植物の根元に営巣。無事4羽の雛を孵した。この巣はとても見にくい位置になったので、写真は撮れなかった。
▲巣から出て親と一緒に泳ぎだす雛たち
4番目のペアは、1番子を桜の枝で育て、2番子も同様の方式の巣を作る。これも見えにくい位置だった。
▲3羽の雛が孵っている
▲別の角度から撮った巣の様子。最終的に4羽が孵った。
このペアは、3番子の子育てにも挑戦。例の弁天池のペアが巣の位置を変えたので、そのテリトリーだった抽水植物に営巣を始めた。この巣もピンポイントの位置からしか覗けないとても見にくい場所だったので、写真は撮っていない。
前の弁天池ペアが、仮の巣を作った場所に近い。
▲このときは、卵1個を産むも、抱卵せず最終的に放棄。写真では1番子が卵の上にいる。
子育て中の親が卵を産むと、雛が抱卵のまねのような行動を取ることがよくある。
3番子の巣を作った親は、卵を産んでもよく巣から離れていることが多く、暖める気があるのだろうかと噂されていた。そして、なぜか3個目の卵が他に比べて大きいのではないかとも取りざたされていた。「やけに大きい。」「そう見えるだけか。」「別な鳥の卵?」「托卵?」「親が巣を空けている間に、カルガモが産んだのか。」と。
▲雛が2羽孵る。隙間からなんとか撮った。卵が1つ残っている。
結局、最後の大きい卵は孵らなかった。
▲孵った2羽と、さっそく雛のためにイトトンボを狙う親
もしカルガモの卵だったとしても、そして、もし卵が孵ったとしても、その雛が育つことは難しいだろう。カイツブリの子育ては、カルガモとはかなり違っているからだ。(2年前にカイツブリの同種托卵はあったが。)
世界にはズグロガモのように托卵するカモがいるらしい。カモだけでなく、バン、カモメ、なんと猛禽にまで托卵するという。托卵が可能なのは、雛が完全な早熟性、つまり、卵から孵ったらすぐに独り立ちできるからということだ。カルガモの雛は無理だろうと思われる。でも、こんなこともあるのだ。
こうして、2番子・3番子は、合計19羽が孵ったが、そのすべてが無事に育っていったわけではない。
一番最後に浮巣で生まれた4羽のうち2羽は現在行方不明になってしまった。寒さのためだろうか。
残る2羽もはやく大きくならないと、寒い冬は越せないだろう。
▲10月20日の雛たち
カイツブリの雛は、自分で餌が捕れるようになったころも、しばらくピイピイと鳴いている。しかし、その声がだんだん濁ってきて、やがて大人の発声になる。私はこれを「声変わり」と勝手に呼んでいる。池には今、声変わりした、あるいはしつつある雛(若鳥というべきか。)が何羽かいる。
この子たちは、厳しい条件をクリアして生き残り、また次世代に命を繋げていくことだろう。