地元では春の渡りが始まっている。冬鳥はツグミ・シロハラ・シメなどがまだ残っているが、人気のルリビタキ・ジョウビタキは3月後半に移動してしまったので、この冬のルリビタキ・ジョウビタキを振り返る。
ルリビタキ
12月上旬に、まずきれいな♂が水場に現れた。(以前のブログに載せた)
これと同じ個体と思われる♂はその後例年ルリビタキが逗留する場所で一冬逗留したと考えられる。
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▲例年になく用心深いオスで、後ろ姿ばっかり。
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▲山に帰るころになると、河川部に場所を移す。
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▲私が最後に見たのは3月25日だった。
他所でもきれいなオスを見た人がいるようだが、それが同一個体なのか、別個体なのかはわからない。
メスタイプ
ルリビタキのオスは「遅延羽色成熟」するので、1年目の個体はメスと同じような色をしている。いろいろなバーダーたちが、このメスタイプのオスを見分ける方法を提言しているが、そもそも見分けられないように装っているわけなので、私は敢えて必死に見分けようとはしないことにしている。
この冬は、少なくとも2個体が逗留していた。
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▲メスタイプ
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▲水場に現れたメスタイプ
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▲ミミズを捕らえたメスタイプ
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▲別の場所のメスタイプ
ルリビタキは毎年同じような場所に現れる。行動範囲がどのくらいなのか、みんなで情報を交換し合って調べてみるのも面白いかもしれない。
ジョウビタキ
ジョウビタキは、11月末ごろ地元に姿を現した。やや薄暗い林縁部を好むルリビタキと比べると、ジョウビタキは比較的開けた場所を好む。人間に対する警戒心も比較的少ない。
この冬、私は2か所で♂を観察した。
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▲河川部に水を飲みに来たジョウビタキ♂
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▲河川部の水場に降りてきたジョウビタキ♂
このオスは、ある時期からあまりにも頻繁に同じ場所に現れるので不思議に思っていたところ、他所から現れたカメラマンに餌付けられてしまったことがわかった。カメラマンは椅子に座って日がな一日待ち、2mと離れない場所からジョウビタキを撮って過ごしている。
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▲人が来ると餌を要求してくるようになったジョウビタキ
そのカメラマンはやがてミカンを枝にさしたりして他の野鳥も餌付けていたが、警備員に注意されてさすがにいなくなった。ジョウビタキはしばらく同じ場所に出てきたが、現金なもので、餌がないと知れると出なくなった。
もう1羽のオスは、これも例年見られる場所に現れた。この冬その場所は人が入れないように閉鎖されていたのだが、その間、ジョウビタキが広場を自由にのびのびと飛び回る自然な様子が観察できて、私はかえってよかったと思っている。
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▲別の場所のジョウビタキ
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▲目の前で餌を探す
やがて公園が人間に解放された。あるとき子供たちの集団が走り回って遊んでいたが、ジョウビタキは気に留める風もなく、現れた。
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▲ジョウビタキ♂の背景に子供の姿
しかし、カメラマンがジョウビタキを追いかけて撮ろうとすると、やはり逃げる。結局自分に無関心な人間は気にしないが、追い回す人は警戒するのだ。
ジョウビタキのメス
メスも少なくとも2羽はいたと思う。同時に2羽見た人がいるからだ。
メスはさらに警戒心が少なく、どんどん人に近づいてくるので逆に焦る。
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来冬も、ルリビタキやジョウビタキたちにとって魅力的なフィールドでありつづけられるよう地元の自然を守っていきたいものだ。