2023年10月~2024年1月、地元の公園の水場は、ツグミ類が例年になく多数集まって大賑わいだった。
特に10月は、クロツグミ・マミチャジナイ・シロハラやアカハラなど夏鳥・冬鳥等が同時にやってきて、てんやわんやの状態になった。
クロツグミ
春と秋に地元を通過する渡り鳥で、例年はなんとか1度は目にすることができるかどうかというぐらい。今年は長いこと逗留して水場に何度も姿を現した。
▲水場に現れて、水を飲んだり、水浴びしたりするオスのクロツグミ
マミチャジナイ
マミチャジナイは、例年秋に地元を通過する。今年はとりわけ多く飛来。7個体いるのを確認したという話も聞いた。
▲水場に現れたマミチャジナイ
シロハラ
シロハラは、毎年必ず飛来する冬鳥で、水場に真っ先に姿を現し、一冬居つき、水場の主になったりする場合が多かった。それが今年は15羽ぐらいが一度に姿を現し、水場で小競り合いしたり、水場の周囲でがさごそ動き回ったり、飛び回ったり、びっくりするほど多くの個体数が集まった。
▲岩場や水回りに多数集まるシロハラ様子はなかなか撮れない。
アカハラ
アカハラは、初めは亜種アカハラが通過の途中で逗留、12月ごろになると亜種オオアカハラが越冬に来る。アカハラも何個体も飛来し、長く逗留した。
▲水場の様子をうかがいに来たアカハラ
これだけ多くの鳥が集まると、水場を巡って小競り合いも起こるが、個体や種によって、あるいは状況によって、勝ち負けのパターンが違うし、同種同士でも争う場合もあれば、案外仲良く異種が集まることもあって、見飽きない。
▲クロツグミ・マミチャジナイ・シロハラ・アカハラとヒヨドリ等の異種が同時に集まる水場
この水場に最後に登場したツグミ類は、ツグミだった。
そもそもツグミ類(他の野鳥も同様だが)がなぜこの水場にこの時期集中的に集まるかというと、一番大きな要因は、水場に大きなエノキがあることだと思う。このエノキは年々大きくなって、渡りの野鳥たちが好む実をたくさんつける。餌場と水場の両方がそろっている場所なのだ。
▲実のついたエノキに来たツグミ
エノキの実は、地面にもたくさん落ちているので、水場の周りは、餌場にもなっているのだ。
▲水場の周りに落ちているエノキの実を食べるシロハラ・アカハラ
この冬のツグミは、例年になく大きな集団で移動しているようで、水場にも集団で現れた。
▲10羽のツグミが写っている。
▲下にも5羽
岩の上の水は、早朝バードウォッチャーがボランティアで掃除したり、水を入れたりしているが、これだけのツグミが来ると、昼にはなくなってしまうようだった。
また、これだけの野鳥たちが毎日毎日エノキの実を食べるので、1月ごろにはさすがに食べつくした感がある。越冬ツグミたちもほとんど現れなくなった。
プロのカメラマンを自認している人たちは、人が管理する水場の鳥にはカメラを向けない。自分で見つけ、見つけたものをいかに上手に撮るかがプロらしさだと思っているからだろう。私は写真を撮ることが目当てではなく、鳥を観察して鳥のことを知りたいと思っているだけなので、(鳥に害を与えるばでなければ)そういうことにはこだわらない。そして、水場で見るだけでも、いろいろなことがわかって楽しめる。
しかし、もう一つ狂騒曲を奏でたのは鳥撮りカメラマンたちだった。クロツグミやマミチャジナイが見られるという情報が瞬く間に広がって、鳥撮りカメラマンが大勢集まり、大砲(三脚も)を持ってきて狭い観察ポイントにひしめいて、ちょっとした小競り合いもあったらしい。地元のバードウォッチャーたちは、みなに見てもらおうと譲っているのに、張り付いてどかないマナー違反の人も多かったのは残念だった。