鳥見雑記帳

庭や近所の公園で観察した野鳥についての雑記帳

カイツブリの子育て2019 最終章

2019年12月29日 | カイツブリ類

11月30日に生まれたカイツブリの雛

▲12月13日の雛

▲12月29日の雛

この親は、新入りなのか、それとも以前ここで子育てしたヒメガマ・ペアなのか。

私はヒメガマ・ペアではないかと思っている。

営巣した場所がほとんど同じだし、雛を連れ出していく区域も同じだからなのだが。

このペアは、なぜ敢えてこんな時期に子育てを始めたのだろうか。

なんとなく、餌もあまり捕れていないように見える。

夏の間ほとんど無尽蔵に捕れたトンボもいないし、魚やエビも動かなくなってきているはずだ。

 

仮にカイツブリの子育てがさらに続くとしても、2019年は終わるので、一応最終章。

まとめとしては、6ペアが48羽の雛を孵し、そのうち44羽がある程度まで育った。

以前はこの池のカイツブリのキャパシティは3ペアぐらいかなと思っていたのだが、予想をはるかに超えたことになる。

 

①外来魚が駆除され、カイツブリを直接襲う魚がいなくなり、カイツブリの餌も増えた。

②イトモが繁茂し、それに依拠する昆虫、特にイトトンボが非常に増え、これもカイツブリの餌になった。

③イトモは、巣材としても活用され、また、浮巣を下から支えて沈むのも防ぎ、池の中央などでも巣が作れる環境になった。

というような要因で、カイツブリの大繁殖となったのだろう。

しかし、餌が捕りにくくなった冬を若鳥たちは乗り切れるだろうか。そして来年はどうなるのだろう。

 

以下、カイツブリたちの一コマ

 ▲イトトンボは生まれたての雛にぴったり

▲羽化しているイトトンボは若鳥にも簡単に捕れる

▲産卵にくるギンヤンマも格好の餌

▲大きな魚

▲ちょうだい、ちょうだい。

あまえんぼの雛

▲姿勢を低くするのは、「ぼく、まだ赤ちゃんだよ。」とアピールしている?

▲まだ、背中に乗りた~い!

▲もう、一人でおうちに帰れるよ。

▲飛べるかな

▲イトモが邪魔~。

などなど、他にもいろいろなシーンが観察でき、思いついたこと、わかったこと、疑問などがと多々あった10か月だった。

カイツブリたち、よいお年を迎えてね。

 

 

 

 

 

 

 

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カイツブリの子育て2019 その5

2019年12月28日 | カイツブリ類

あと3ペアが子育てした。

ヒメガマ・ペア

ヒメガマの根元に営巣。遠くて見にくい。

5月中旬、6羽の雛が孵った。

▲4羽しかうつっていないが。6月11日

橋の近くまで雛を連れて出るので、通りがかりの人たちに大人気。

雛たちは元気いっぱい池のあちこちへ泳ぎ回るので、6羽全部をカメラに収めるのは大変。

▲橋の下目の前で不思議なかっこうの雛とその日なの羽毛をつっつく雛

しかし、確認できた時期では、6羽ずっとそろって成長した。

親はその後違う場所に卵を一つ産んだが、結局抱卵せずに終わる。

 

七井橋ペア

ボート乗り場近くの桜の枝で営巣。この場所は以前からときどき選ばれてきたが、あまりにも人に近く、またヘビや他の鳥に襲われやすいのが難点。

何を思ったか、メスは池の真ん中に卵を産んでしまう。オスもあわてて巣の手入れをするが、結局この卵は放置して、やはり桜の枝で抱卵。

5羽の雛が孵る。

途中でいきなり引越し。やはり何かに襲われて、前の巣を放棄したようだ。

しかし、新しい巣もあまりにも岸に近く、すぐに使われなくなる。

巣がないことや旅行にでかけたことなどにより、5羽の成長は詳しく見届けられなかった。

 

狛江橋・ペア

ここでカイツブリが営巣したのは初めて。

旅行中だったので、詳しく経過を観察できなかったが、卵は5つ、雛は4羽孵ったようだ。

しかし、巣はすぐに放棄され、このファミリーも様子をあまり観察できなかった。

 

今年は6ペアが抱卵し、孵った雛はなんと46羽で、そのうち死んでしまったことがわかっている雛は3羽。

すごい記録だと思い、そろそろまとめようとしていたら、なんと、さらに雛がうまれたという情報が12月にはいってから入ってきた!

ヒメガマの根元で営巣し、卵は3個。11月30日に2羽の雛が孵り、1羽はすぐに死んでしまったそうだ。

 

最終章へ

 

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カイツブリの子育て2019 その4

2019年12月27日 | カイツブリ類

弁天池のファイミリーの場合

4月25日、昨年営巣した場所に1羽のカイツブリ。昨年と同じ個体が、今年もここで営巣しようと場所を確保しているように見える。

▲別の場所で交尾

もう1羽は、別の場所を検討中。しきりに巣材を運んで交尾を促す。

しかし、最終的には、昨年と同じ場所で抱卵を始めた。

雛は3羽孵った。

▲家族の肖像

順調に育っているようだったが、ある日、卵が1つある巣を放棄して、池の中央に新しい巣をつくり始める。

▲一つ産み付けられた卵ごと放棄された巣

▲水草の上に巣をつくるペア

なんの支えがなくても、水底から生えた水草が支えになって巣は浮いていられるようだ。

▲2羽しかいない雛。新しい巣をつくって抱卵する親をみている。

しかし、何度見ても雛が1羽足りない。

▲雛の死体が浮いている。

7月3日、新しい巣の傍に、お腹を上に向けて浮かんでいる雛らしきものが…。

前の巣が何かに襲われたので、放棄し、その襲ったものが雛を攻撃したのだろうか。

 

残った雛もまだ給餌が必要な大きさなのだが、新しい巣で抱卵が始まる。

片方の親が時々雛に餌を与えたり、交代で抱卵したり。

やがて5羽の雛が孵った。

行くたびに5羽を数えて確認していたが、ある日事件が起きる。

動物園の池との境にある網の中に雛たちが入り込んでいたのだ。

▲網から体を半分出して餌をもらう雛

入ったところから出られるはずなのだが、行ったり来たりするばかりで出られない。

心配なので、動物園の人に様子を知らせたが、「自然のことなのでしかたがない。」という返事。

「せめて様子を見守ってください。」とお願いした。

次の日は、2羽残っているだけだったので、あとの雛は出られたのだろう。

しかし、折しもアオダイショウが池を泳いできたり、雛が網から頭を出して親の給餌を受けたりしていてハラハラ。

▲網をすり抜けるアオダイショウ

雛の姿はいつの間にかなくなったが、それ以降5羽全員の無事を確認することはできなかった。

10月のある日、池に大きくなった若鳥が3羽いるのが目に入る。

▲写真には2羽しか写っていないが、3羽いた。

あの5羽のうちの3羽にちがいない。あとの2羽も無事だと信じたい気持ちだった。

このペアは8羽の雛を孵し、そのうち7羽を育てたことになる。

 

さらにつづく

 

 

 

 

 

 

 

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カイツブリの子育て2019 その3

2019年12月26日 | カイツブリ類

4番子を抱卵中

もう少しで雛が孵るというころ、「巣の向きが変わっている」「巣が動いている」という知らせが来た。

そして、見に行くと、なんと枝から離れた巣が池の真ん中に浮いている。

▲漂流する巣(10月6日)

今まで巣が流れ出したときは、しばらくすると沈んでしまった。この巣も絶望的かと観察していたが、巣は沈まず、池の水の流れにのって、行ったり来たりしている。沈まないのはラッキーだが、ボートと池尻を隔てる綱を越え、巣はボートが行き来する区域に流れ出した。

「気を付けてぇ」とボートの人に叫ぶ人も。こうして1日が終わる。

次の日も「今巣はどのあたりにあるのだろう。」とみなで探しながら見守る。

そして、10月7日、流れるの巣の中で雛が1羽孵った。

▼雛がロープにひっかかりそう。

あぶなっかしくて、ひやひやな状態が続いたが、9日には2羽目も孵った。

あと1日巣が無事だったら、3個目の卵も孵るかもしれないと、人間たちは見守った。

しかし、そこで事件が起こった。

巣が対岸の近くに来て止まっていた時、雛が巣から飛び降りたように見えた。何事かと様子を見ると、対岸にいた人がいきなり体を乗り出してカメラで巣を撮ろうとしたようだ。カイツブリたちはびっくりしたに違いない。

▲卵が一つ残ったまま放棄された巣

危険がないと悟ったら、巣にもどるだろうか。しかし、親鳥は巣には戻らなかった。

巣がない状態で、孵ったばかりの雛は無事に育つのだろうか。

▲孵ったばかりの雛

その後3日ぐらい、幼い雛2羽をかかえたファミリーは、片方が雛を背に乗せ、片方が餌を探して運びながら、今度は巣のない漂流生活を続けることになった。

▲雛を背負った親は、水面のトンボなどを捕まえては後の雛に与えたり、自分の餌にしていた。

古巣に見切りをつけた親たちは、その後やっと新しい巣をつくる気持ちになったようだ。

▲10月13日。あちこち試した結果、2羽の気持ちが一致して、新しい巣ができた。

その後は順調

▲泳ぎだして餌をもらう雛たち(10月24日)

▲巣の上で休憩(10月27日)

▲10月28日

▲すくすく成長(11月1日)

 

12月に入って、久しぶりに雛のピイピイ声が聞こえたので見ると、誕生から2か月が過ぎた雛(若)が親と一緒に泳いでいた。

▲12月11日の雛たち 1羽ずつそれぞれの親について泳ぐ。

▲ときどき親に「早く独り立ちしなさい!」とばかりにどやされるが、

やっぱり親と一緒は安心できてうれしいようだ。

こんなできごとがあったが、このペアは13羽の雛を孵し、そのうち12羽を無事に育て上げたことになる。

他のペアの話につづく

 

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カイツブリの子育て2019 その2

2019年12月25日 | カイツブリ類

次に子育てし始めたのは、ボート池の池尻に巣をつくったペアだった。

この場所には、ここ数年いつも巣が作られてきた。ボート池ではあるが、ボートが入り込めない場所で、桜の木の枝が水面に垂れ下がっているところである。

この場所が選ばれるのは、巣作りに適していると思われているからか、同じペアだからか、あるいはその子供なのか、よくわからないが。

ここでも、2月下旬ごろからカイツブリが縄張りを守るような行動を始めたが、なかなかペアが合流せず、実際に巣作りが始まったのは4月に入ってからだった。

 卵は5月7日~11日の間に順調に孵化し、5羽の雛が生まれた。

5羽も孵ると、1番目の子と最後の子の成長の差が大きくなったが、餌が豊富で、親がよく面倒を見て、みな順調に育つ。

そんなある日、巣の引越しがあった。何か前の巣を放棄するような理由があったのかもしれない。

▲新しい巣に乗る雛たち 5月29日

雛が生まれた1か月後ぐらいに、親たちは交尾をした。

 ▲交尾するペア  6月5日

▲6月8日の雛たち

▲2番子を抱卵する親 6月11日

しかし、この巣はカラスに襲われて雛は孵らなかったと聞く。

親鳥はあきらめず、すぐにまた卵を産む。

7月26日、なんと6羽もの雛が孵った。(しかし、残念ながら、2~3日後には5羽に減ってしまったが。)

この雛たちも、末っ子があまりにも小さく、みそっかす状態で心配だったが、遅れながらも無事に成長していった。

このペアは、5羽と5羽で10羽もの雛を育てたわけで、このペアの子育てはこれで終わったとばかり思っていたのだが、なんと、9月に入って、また抱卵しているという話を聞き、あわてて見に行った。

つづく

 

 

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