そろそろツミの雛が巣立つころだと思っていたが、たまたま出かけていた日に、巣立ったという連絡が入った。
翌日の朝、時折小雨が降るような天気だったが、とりあえず巣立った雛を見に足を運んだ。
初め巣から少し離れた木でピイピイなく雛の声が聞こえて、1羽いることがわかった。
次いでそのそばにあと2羽見つかり、全部で少なくとも3羽の雛が無事に巣立っていることが分かった。
2羽の雛 8月28日
悪天もあって画像が一層悪いが、3羽を同時に撮ったのが下の写真。
小雨の中、雛の様子を見ながら親が来るのを待ったが、なかなか現れない。
その時、成鳥らしき鳥が現れて、雛の動きが活発になったが、撮った写真を見ると、胸に縦斑がある若いメスのツミだった。
その若いメスは、雛たちの周りをあちこち飛び回りながら、セミなどを捕っている。
このツミは何者なのだろうか。
先に巣立った兄弟にしては大きすぎる。
昨年生まれた子にしては若過ぎるような気もしないではない
まったくよその子なのだろうか。
疑問が頭の中をかけめぐる。
そのとき、親が餌を持って雛のところへ飛んできた。
すると、3羽の雛が色めき立ち、大騒ぎになったが、雛が餌をもらった気配がない。
その騒ぎの中に若いメスも混じっていた。
大騒ぎのあと、地面に降りていた2羽の雛。
親は雛のそばに餌を持ってきて、雛が餌をついばむのを見ているのが普通だ。
どうなっているのだろうか。
その後、別の方が観察していたとき、若いメスが親鳥から餌を奪い取ったと言っていた。
この若メスは、それが目当てで雛の周りをうろついているのだろうか。
それにしては、親鳥たちが攻撃しないのも不思議であった。
血縁関係のある個体だったかもしれない。
2日後、雛はなんとか親から餌を受け渡してもらって、食べているのが見られた。
8月30日の雛
8月31日の雛
9月2日の雛
この2~3日後、ツミ一家の姿は巣のあった場所からいなくなった。
親鳥がどこかへ連れて行ったのだろうか。
この遅い時期に子育てしたペアは、一度別の場所で雛を孵したが、何かの理由で雛たちが全部落鳥(文字通り)してしまい、この地で再挑戦したと思われている。前のペアと似ているし、時期的にも合致するからだ。
ツミの子育ての面白い生態が観察できた年だった。