鳥見雑記帳

庭や近所の公園で観察した野鳥についての雑記帳

カイツブリ繁殖記録2022②

2022年08月24日 | カイツブリ類

ボート小屋で営巣したペアは4羽の雛を連れて弁天池(狛江橋側)へ移住してきた。

この区画の反対側には弁天橋があり、そこに別のペアが営巣をしている。まず、そのペアの繁殖記録から。

3月中旬、このペアはとんでもないところで営巣を始めた。池の噴水がもろに巣に降り注ぐ場所なのだ。

▲噴水をもろに浴びる巣で卵を産む。3月17日~4月12日

見守る人たちから、「噴水を止められないか」という要望が出るほどだったが、池全体の保全のために、それはできないと言われ、ただ見守るしかなかった。結局、卵は孵らず(孵ったという人もいたが)、巣は放棄された。

実は昨年もここで営巣したことがあり、もちろん失敗に終わったが、ここぐらいしかカイツブリにとって巣の適地はなかったからだろう。

ペアは、やがて、抽水植物が伸びてきた場所に再度営巣する。

▲雛が孵った。5月18日

この巣では、5月20日に5個の卵全部が無事に孵った。

ペアは、雛が孵ってからまだ1か月も経たない6月に2回目の抱卵に入る。

▲抱卵中 6月7日 巣の近くに一番子が1羽くっついている。

一番子たちは、どうなるのだろうと気がかりだったが、片方の親が合間にせっせと給餌していたり、時には卵をおいて、2羽で世話をしている場面もあり、1番子たちも順調に育った。餌が豊富にあったからだろうか。

▲ペアがそろって1番子たちの世話をする。6月11日

▲卵は5個あったが、そのうちの1羽目が孵化 6月30日

▲巣に異変があったのか、卵1つを残して、引越し 7月7日

この4羽は8月19日現在も無事に育っていることが確認できている。親も次の繁殖はしない様子で、4羽の世話をしながら過ごしている。

▲3羽をの世話をする親と、1羽の世話をする親に別れている。

親が産卵中のギンヤンマを捕らえるのを見て、雛たちもまねをし、ついに成功したようだ。こうして、親と過ごしながら、サバイバル術を学んでいくのだと思われる。

一方、ボート小屋下から移住してきたファイミリーの場合

▲4羽の雛は仮の浮巣で暮らす

この後、このペアは橋のたもとのヒメガマが茂る浅場で、2番子・3番子を育てた。

▲2番子は4羽が孵った。6月3日

▲3番子は5羽 7月23日

こうして、弁天池では18羽の雛が孵ったことになる。

抽水植物の根元で営巣する方が成功率が高いと思われるのに、なぜ、1番子の営巣場所は違うのか。

思うに、営巣を始める3月下旬頃は、まだ抽水植物が伸びてきていないので、カイツブリたちに営巣の適地だと認識されないのではないか。

 

 

 

 

 

 

 

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カイツブリの繁殖記録2022①

2022年08月23日 | カイツブリ類

地元のカイツブリの繁殖は、8月上旬に2羽の雛が誕生して以降、今のところ新たな営巣の気配はなく、一段落したようだ。(秋にまた繁殖をし始める例もあったが。)

今年もたくさんのペアが繁殖を試み、私が把握しているだけでも58羽の雛が孵った。(把握しきれないものが多々ある。)後年振り返ることができるように、記録を残しておきたいと思う。

地元の池は3区画に分かれている。ボート池・弁天池・お茶の水池だ。

先ず、ボート池の例から。

ボート池は名前の通り、ボート営業がされているいる池なので、営巣しにくい区画だ。

しかし、この池がかいぼりされたとき、水抜きポンプなどが設置された場所のフェンスが今も残っていて、ボートが入り込めない一角(池尻)がある。第1回かいぼり後、真っ先にこの一角で営巣を始めたペアがいた。以来、毎年必ず営巣が試みられている。

この区画の問題は、しかし、安定した巣を作る場所がないことだ。ここのペアは、水面に垂れ下がった木の枝に巣材をかけて営巣せざるを得ない。巣は流れやすく、また水位が下がると跳ね上がってしまうリスクがある。

▲2022年1月28日 すでにここで営巣する気満々のペア

営巣場所はなかなか決まらず、あちこちで作ってみては流されたり放棄したりを繰り返したのち、桜も散ったころ、やっと産卵・抱卵に入った。

▲2022年4月19日 抱卵中

しかし、いよいよ孵化かと思っていた日、卵は襲われてしまう。私は見ていないので伝聞情報だが、スッポンに襲われたらしい。

その後、ペアは営巣を諦めてしまったように見えたが、6月に入って再び営巣を始めた。池の真ん中あたり、完全な浮巣である。このころコカナダモが大繁茂し、巣を下から支えているので、流されることはないようだった。

▲2022年6月7日 浮巣で抱卵中。卵は5個。

そして、雛は5羽とも無事に孵った。

▲2022年7月1日 このころ異常な猛暑に見舞われ、親も必死で雛たちを熱から守っていた。

ペアは、雛たちを2羽と3羽に分けて分担して連れ出し、子育てしていた。

▲7月17日 雛たちはすくすくと育つ。

雛がある程度育つと、多くのペアは2番子3番子と営巣を始めるのだが、このペアはその気配はまったくない。

いつまでも雛の面倒をみている。そのため、つい最近も5羽の雛が順調に成長しているのが見られた。

▲8月22日の雛たち。5羽とも無事。

ボート池では、他所でも営巣を試みたペアがあったが、ほとんどは失敗している。

ただもう一組、意外な場所で営巣したペアがいた。

▲なんとボート小屋の床下で営巣 3月16日

このペアの様子は、写真が撮りにくく、観察のみ。5個の卵を産み、5羽とも孵った。

しかし、ちょうどその時、大雨が降って水位があがり、巣そのものは流れてしまう。巣を失った雛たちのうち、最後に孵った1羽は、その後溺れてしまったと聞く。

一家は4羽の雛を連れて隣の区画、弁天池へ移動した。

ということで、ボート池では10羽の雛が孵化したことになる。

 

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