鳥見雑記帳

庭や近所の公園で観察した野鳥についての雑記帳

水場のツグミ類狂騒曲

2024年02月25日 | ツグミ

2023年10月~2024年1月、地元の公園の水場は、ツグミ類が例年になく多数集まって大賑わいだった。

特に10月は、クロツグミ・マミチャジナイ・シロハラやアカハラなど夏鳥・冬鳥等が同時にやってきて、てんやわんやの状態になった。

クロツグミ

春と秋に地元を通過する渡り鳥で、例年はなんとか1度は目にすることができるかどうかというぐらい。今年は長いこと逗留して水場に何度も姿を現した。

▲水場に現れて、水を飲んだり、水浴びしたりするオスのクロツグミ

マミチャジナイ

マミチャジナイは、例年秋に地元を通過する。今年はとりわけ多く飛来。7個体いるのを確認したという話も聞いた。

▲水場に現れたマミチャジナイ

シロハラ

シロハラは、毎年必ず飛来する冬鳥で、水場に真っ先に姿を現し、一冬居つき、水場の主になったりする場合が多かった。それが今年は15羽ぐらいが一度に姿を現し、水場で小競り合いしたり、水場の周囲でがさごそ動き回ったり、飛び回ったり、びっくりするほど多くの個体数が集まった。

▲岩場や水回りに多数集まるシロハラ様子はなかなか撮れない。

アカハラ

アカハラは、初めは亜種アカハラが通過の途中で逗留、12月ごろになると亜種オオアカハラが越冬に来る。アカハラも何個体も飛来し、長く逗留した。

▲水場の様子をうかがいに来たアカハラ

これだけ多くの鳥が集まると、水場を巡って小競り合いも起こるが、個体や種によって、あるいは状況によって、勝ち負けのパターンが違うし、同種同士でも争う場合もあれば、案外仲良く異種が集まることもあって、見飽きない。

▲クロツグミ・マミチャジナイ・シロハラ・アカハラとヒヨドリ等の異種が同時に集まる水場

この水場に最後に登場したツグミ類は、ツグミだった。

そもそもツグミ類(他の野鳥も同様だが)がなぜこの水場にこの時期集中的に集まるかというと、一番大きな要因は、水場に大きなエノキがあることだと思う。このエノキは年々大きくなって、渡りの野鳥たちが好む実をたくさんつける。餌場と水場の両方がそろっている場所なのだ。

            ▲実のついたエノキに来たツグミ

エノキの実は、地面にもたくさん落ちているので、水場の周りは、餌場にもなっているのだ。

            ▲水場の周りに落ちているエノキの実を食べるシロハラ・アカハラ

この冬のツグミは、例年になく大きな集団で移動しているようで、水場にも集団で現れた。

▲10羽のツグミが写っている。

▲下にも5羽

岩の上の水は、早朝バードウォッチャーがボランティアで掃除したり、水を入れたりしているが、これだけのツグミが来ると、昼にはなくなってしまうようだった。

また、これだけの野鳥たちが毎日毎日エノキの実を食べるので、1月ごろにはさすがに食べつくした感がある。越冬ツグミたちもほとんど現れなくなった。

プロのカメラマンを自認している人たちは、人が管理する水場の鳥にはカメラを向けない。自分で見つけ、見つけたものをいかに上手に撮るかがプロらしさだと思っているからだろう。私は写真を撮ることが目当てではなく、鳥を観察して鳥のことを知りたいと思っているだけなので、(鳥に害を与えるばでなければ)そういうことにはこだわらない。そして、水場で見るだけでも、いろいろなことがわかって楽しめる。

しかし、もう一つ狂騒曲を奏でたのは鳥撮りカメラマンたちだった。クロツグミやマミチャジナイが見られるという情報が瞬く間に広がって、鳥撮りカメラマンが大勢集まり、大砲(三脚も)を持ってきて狭い観察ポイントにひしめいて、ちょっとした小競り合いもあったらしい。地元のバードウォッチャーたちは、みなに見てもらおうと譲っているのに、張り付いてどかないマナー違反の人も多かったのは残念だった。

 

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この冬ツグミは少ないのか。

2023年02月25日 | ツグミ

昨年冬鳥の飛来が始まったころ、例年なら10月~11月にはツグミを初観察していたのに、私は12月に入っても目にしなかった。

私が遭遇しないだけなのかと思っていたら、周りの人たちも見ていないということだったし、地元の公園だけの現象かと思っていたら、ネット上でも「ツグミが少ない」とささやかれていた。

結局私が地元でツグミを初撮りできたのは、12月末だった。

▲この冬初撮りしたツグミ

▲エノキの実の残りを食べる12月末のツグミ

それでも、今年に入ると水場にも現れるようになったが、個体数はやはり多くはなかった。

▲水場に現れたツグミ

木々の実はかなり食べつくされ、ツグミ類は地面に降りることが多くなる。

▲地面で蛾の蛹らしきものを捕食するツグミ

ツグミが10羽以上まとまって地面に降りているのを見たのは、2月に入ってからだった。

▲10羽以上のツグミが地面に降りてエノキの実などを食べていた。

この時期になって湧いてきたようにツグミの数が増えてきたのはどうしてだろうか。

今年の冬の初めはあまり寒くなくて、渡ってきたツグミの一部は北国に留まっていたが、大雪などが降ったあと、そのグループが再び南下してきたのではないかという説を聞いた。

それにしても、例年なら今頃は、広場でたくさんのツグミが「だるまさんがころんだ」をやっていたのに、まだまだ少ない。

▲1羽でだるまさんがころんだをやっているツグミ

こういうときは、ぜひ全国的組織をもつ野鳥観察グループで、各地の様子を集約してほしいものだ。

ツグミは、冬鳥の象徴のような鳥なので、その盛衰はとても気になる。

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トラツグミ観察記 2021-2022

2022年01月23日 | ツグミ

今年は寅年なので、新春第1回の記事は、トラツグミかなと考えていたのだが、思わぬ展開となってしまい、新春にふさわしい記事にはならなくなった。

昨年の11月末ごろ、トラツグミは地元の公園の水場に現れた。

他所から来たバーダーの方が、小鳥の森でトラツグミを見たと聞き、きっとほどなく水場に現れるだろうと予測したが、その通りになった。

最初の日は、水場に姿を現すと、まず用心深く水を飲み、ゆっくりと水の中に入った。そして、旅の垢を落とすかのように、入念に水浴びを始める。

▲水場に姿を現したトラツグミ(2021年11月29日)

▲水浴びするトラツグミ

▲羽繕いするトラツグミ

それからは、トラツグミは毎日のように水場に姿を現すようになった。

岩の上の水場にも現れる。

トラツグミは飛んでは来ない。ほぼ必ず地面から岩に上ってきて、また地面に歩いて降りる。

地面で過ごしているからだろう。

この時、たびたび動きを止めてじっとしているときもある。

そのあと、やおら口から木の実の種を吐き出すことが多い。

この行動は、昨年もよく見かけた。

水を何度も飲み、種を吐き出す。

昨年の様子

https://blog.goo.ne.jp/oharu_2004/e/0962775fd1f9124a2cd225b3280a8695

 

種を吐き出す行動は、トラツグミばかりでなく、シロハラやキビタキでもみたことがあるが、トラツグミは水を飲む回数も多く、種を吐き出す頻度も高い。水を飲むのは、種を吐き出すためにも必要な行動なのだろうか。

 

晩秋、この水場に多くの鳥たちが集まるのは、水場としての利便性だけでなく、大きなエノキが生えていることも重要な要素だと思う。

鳥たちは、初めはエノキの実を樹上で啄み、やがて落ちている実を地上で拾う。トラツグミが現れるころは、そうした時期なので、地上でエノキの実を拾い食いしている可能性が高く、丸呑みした実の種をときどき吐き出しているのだと思う。

トラツグミと言えば、トラダンスが有名だ。落ち葉の上を体をゆらゆらとダンスをしているようにゆすりながら、ミミズなどの地中の虫を捕食する場面だ。(昨年の記事にトラダンスの動画を載せた。)

たぶん、手軽に拾える樹の実が無くなり始めると、今度はミミズなどを探すのだろう。1月に入って、かすかにトラダンスをしている様子を見た人がでてきたし、水場の外に出ているのも目撃されるようになった。

そして、悲劇が起こる。トラツグミが水場に1~2日姿を現さなくなったころ、トラツグミの羽が散乱しているのが見つけられた。水場から離れた、いかにもトラダンスをしていそうな場所だった。

オオタカに襲われたのかどうかはわからないが、トラツグミが消えたころ、オオタカがこのあたりに舞い降りたのは目撃している。

▲落ちていた羽毛

以前は、トラダンスをするトラツグミが公園のあちこちで見られた。すぐに隠れることができる常緑樹が生え、落ち葉がたくさん堆積したやや薄暗い場所だ。そうした場所がどんどんなくなり、トラツグミの越冬場所は、小鳥の森に集中するようになってしまったように思う。

私がこのトラツグミを最後に見たのは2022年1月8日だった。遺影になってしまった。

▲遺影

▲最後の沐浴

今水場はすっかり静かになってしまった。

エノキの実が食べつくされ、餌場としての魅力がなくなり、ときどき水を飲んだり水浴びする鳥たちが現れるだけだ。

 

 

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低調だった冬鳥たち

2020年04月19日 | ツグミ

この冬、地元の冬鳥(陸編)は、ちょっと低調だった。

その冬鳥たちとも、そろそろお別れ。

まず、ツグミ

▲例年のように飛来したては樹上どまり

▲木の実を食べつくすと、地上に降りて採餌

▲珍しく複数個体が水場に来た。複数でシロハラを追い払う場面もあった。

そんな様子を観察していた時、一つうれしい発見があった。

▲背中の羽の先に白い斑があるツグミがいた!(2020年3月13日)

実は1年前に、同じ場所でこのツグミを撮っている。

▲2018年1月31日のツグミ

無事にまた渡ってきていたのだ。

今までの観察結果から、渡りの冬鳥はピンポイントで同じ場所に来るらしいとわかってはいたが、やはりうれしい。

シロハラ

 

▲この冬は紅葉が遅かったので、12月中旬にこんな写真が撮れた。

▲シロハラも木の実がなくなると、地面に降りて採餌するようになる。

▲年も明けると、人が来てもあまり逃げない個体が増える。この太白腹は特にそうだった。

▲眉斑の白さが目立つ個体もいた。

シメ

アトリ

たいてい群れでやってくるアトリは、今年1羽しか見つけられなかった。カワラヒワやアオジと行動を共にして一冬滞在していた。

群れからはぐれたのだろうか。

という具合で、地元で(私が目にした)冬鳥は種類も数もとても少なかった。

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冬鳥といえばツグミ

2019年01月23日 | ツグミ

ツグミが飛来するようになると、いよいよ冬が来たと思う。

しかし、この冬はなかなかツグミの姿をとらえられなかった。

やっと写真に撮れたのは、12月半ばごろ。

ツグミは飛来したての頃は、樹木の上にいることが多い。主にムクノキやエノキなどの木の実を食べている。

それらの樹に来る鳥が総じてこの冬は少なかったように思う。

 

さて、近所の公園の柿の実がやっと熟して鳥たちが集まるようになったころ、ツグミも現れた。

それも1羽や2羽ではなく、10羽ぐらいの群れでやってきた。

こんなにツグミがいたのかとびっくりするやらうれしいやら。

年が明けると、いよいよ柿の実も食べつくされ、樹上の食糧が乏しくなる。

すると、ツグミたちは地面に下りるようになるのだ。

地面に落ちている木の実や落ち葉の陰に潜む虫やミミズなどを食べるためだ。

水を飲みに来たツグミ。

過去に個体識別ができるツグミがいて、それぞれ毎年同じ場所に渡ってきていた。頭に傷のようなものがあるグミちゃんと、背中にたくさんの白い斑があるシロテンちゃんだ。しかし、今のところ残念ながら見つかっていない。

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