鳥見雑記帳

庭や近所の公園で観察した野鳥についての雑記帳

ヤマガラの貯食

2021年01月20日 | ヤマガラ

近年、ヤマガラは地元で繁殖し始めて、通年見られるようになってきている。

ヤマガラの特徴的な習性の一つに貯食がある。

貯食は、秋にまだ餌が豊富な時期に、それをすぐに食べないで隠しておき、餌が足りなくなった冬に食べる習性だ。

▲エゴノキの実をくわえて目の前に現れたヤマガラ(昨年の10月下旬)

▲気に幹の割れ目などを点検して、実を隠そうとしている。この時は気に入らないようで別のところへ持ち去った。

▲地元の公園には鳥の餌を撒く不心得な人がいる。ヤマガラは目ざとくひまわりの種を見つけた。

▲見つけた種をその場で食べてしまう時もあるが、樹の幹や根元に隠す時もあった。

▲埋めててあったエゴノキの実を掘り出すヤマガラ(過去の写真。2月)

 

以前は、ヤマガラは隠しても忘れてしまうことが多いと説明する人もいたが、現在ではそんなことはなく、98%回収されるという報告もある。

つまり、貯食をする鳥は、人間の想像以上にどこに何があるかという「認知地図」が発達していると言われている。忘れないように時々掘り返して移動させることもあるらしい。

貯食する野鳥は、ヤマガラ以外にコガラ・ヒガラ・ゴジュウカラなどのカラ類や、ホシガラス・カケス・ハシブトガラス・ハシボソガラスなどが知られている。どちらかと言えば、山の鳥たちが多い。山の冬は餌が乏しくなりやすいので、貯食は生存のために有効な習性だ。

そして、カケスやヒガラなどは、山の実りが少ないときは、貯食があまりできないので、里に下りてくる。(と言われている)

▲昨年ヤマガラが繁殖した地元の巣(4月15日)

▲地元で巣だったヤマガラの雛(過去写真)

同じカラ類でも、シジュウカラは、貯食をしなくても食べ物にありついている。冬鳥たちは、冬でも餌にありつけるから地元に渡ってきているわけだから、ヤマガラが里に通年住み着くようになったら、貯食はあまり必要なくなるのではないだろうか…なんて妄想してみる。

ヤマガラ(山雀)は、そのうちサトガラ(里雀)になったりして(笑)。

※ただしヤマガラと言う名前は、山にいる雀ではなく「山吹色のお腹のカラ(類)」と言う意味だそうです。

 


ヤマガラとシデの花

2013年04月03日 | ヤマガラ
写真は2005年4月2日のもの。
逆光で真っ黒になった写真を無理やり修整した酷いものだが、
私は写真家ではないし、鳥のきれいな写真、芸術的な写真を撮ることが目的でもないのでと言い訳。

このときヤマガラがイヌシデの花で何をしているのか知りたかったのだが、
写真からではとてもわからない。





その後、ヤマガラがMFで観察されるチャンスもあまりないまま、
この疑問はペンディングされたまま8年の歳月がたった。

しかし、今年はヤマガラが多いので、答えを見つける絶好のチャンスだ。
でも、イヌシデの花は高いところに咲いていて、カメラを向けても、双眼鏡で見ても、
なかなか様子はわからない。

そんな話を仲間としていたとき、通りがかったお仲間が、私たちの疑問を聞いて、
見つけてきてくれたのがこれ。



落ちているイヌシデの花についていた幼虫だ。

さっそく仲間と落ちているシデの花のチェックを始める。
別のお仲間がさらに数個の幼虫を発見。
どうやらヤマガラが食べていたのはこの幼虫のようだ。
種名まではわからないが、甲虫の、たぶんゾウムシの幼虫だと思われる。



これもひどい写真だが、シジュウカラが嘴に挟んでいるものは、この幼虫に見える。

シデの花には、ヤマガラの他、シジュウカラ・ヒガラも来ていて、盛んに花穂をつっついていた。
これも混群の中で学びあって発見した旬の餌なのかもしれない。

私も、お仲間たちからいろいろ学んでいるのは言うまでもない。

ヤマガラと小鳥たちの文化交流

2013年04月02日 | ヤマガラ
今季の冬場は例年になくヤマガラがとても多く見られた。
今までは、ヤマガラと言えば、エゴノキの実を好んで食べる様子ぐらいしか観察してこなかったが、今季はそれ以外の様子を観察する絶好の機会にもなった。

こちらも例年になく早く咲き始めた桜に、ヤマガラの集団が集まってくる。


よく観察してみると、ヤマガラは桜の蜜を吸いに来ているようだ。



メジロやヒヨドリのように花の正面から嘴を差し入れて吸う場合もあったが、
多くは花を千切って脚で押さえ、蜜を吸うようだ。



寒緋桜でも同じ。



でも、もし虫が見つかればもちろん食べるのだろう。


スズメが桜の花を千切って蜜を吸い、そのままポイと捨てる様子は何度か見たことがあるが、
ヤマガラのこの行為をつぶさに観察したのは初めてだった。
スズメとの違いは、脚で押さえるところだ。

スズメの盗蜜行為は文化として広まって行ったというのが、鳥の研究家の通説になっているが、
ヤマガラのこの行為も文化として広まったのだろうか。

今年驚いたことはもう一つ、たくさんのシジュウカラもヤマガラと一緒に盗蜜行為を行っていたことだ。











シジュウカラのやり方も、ヤマガラとほとんど同じ。
千切って脚で押さえて嘴で吸い取る。

しかし、今までシジュウカラがこんなに桜で盗蜜行為を行っていたのは見たことがなかった。

そこで、仮説。
シジュウカラはヤマガラと混群を作って暮らす中で、ヤマガラのやり方を学んだのではないか。
つまり、異種間でも文化交流がなされるということなのではないか。
今年度は、ヤマガラ文化交流使節団が逗留したおかげで、シジュウカラも新しい餌の採り方を身に付けたのかもしれない。

かくして、地面には桜がいっぱい落ちることとなる。

エゴノキとヤマガラ

2012年11月08日 | ヤマガラ
今年はMFにヤマガラが多い。

ヤマガラはエゴノキの実に目がない。あちこちのエゴノキでこんな姿が見られる。






両足で実を押さえて突っついて食べる姿もかわいい。


木の実が少なくなると、落ちている実も拾う。


その場で食べないで、地面や木の幹の隙間などに貯食もする。


ちゃんと覚えているのだろうか。