2022年5月、地元の池に10羽の雛を連れたカルガモが現れた。
伝え聞くところによると、池のそばの植栽の中に巣があったらしい。生まれたときは11羽いたとか。
カルガモの雛は、たくさん生まれても日ごとに数を減らしてしまうことが多い。しかし、この一家の雛はわりと長いこと雛を減らさずにがんばっていた。
2~3日後、様子を観察していると、なんと岸辺に上がってきて、私たちの足元までやってきた。
あまり近づいてくるので、こちらがフリーズしてしまう。写真も撮れない近さ。なんか、この子たちをよろしくとあいさつに来たみたいな感じがしてしまうほどだった。このとき雛は9羽に減っていた。
6月に入って、雛の数はどうなったか。
▲写真には7羽しか写っていないが、少し離れたところに親と1羽がいたので、8羽になっていた。
▲8羽の雛たち せっせと池の藻を食べている。
さらに1週間後ぐらいには7羽になっていた。
▲大分大きくなった雛たち7羽 餌は食べ放題。
こういう具合に、生後2か月ぐらいたった時点で7羽をキープしているのを確認したあと、私はその後を見ていないが、なかなか子育て上手な親のように見受けた。この池では、今までもときどき子だくさんをキープする一家が現れる。果たして同じ親なのだろうか。
その後、池では4羽の雛が現れたり、河川部でも雛をみかけた。
▲河川部にいた大きな雛 7月半ば
春から夏にかけて、池には子連れのカルガモ以外は、あまり成鳥はいない。
それがある時期になると、いやに数が増えてくる。実際カウントした結果を見ても明らかだ。
なぜ、8月ごろに一気に増えるのだろうか。
増えてきたカルガモたちを観察すると、換羽中であることがわかる。
▲新しい羽(羽軸)が伸びてきている。
水面には、抜けた羽もたくさん浮いていて、拾い集める人もいた。
集まってきたカルガモたちは、また池の水草をせっせと食べている。
今年はコカナダモが繁茂しているので、食べ物には事欠かない。
▲水面採餌・逆立ち採餌をするカルガモ
▲時にはこんなご馳走にも挑戦
カルガモは、繁殖が終わると、換羽する。一気に換羽するので、飛べなくなるそうだ。
つまり換羽中は、飛べなくても安全で、餌も十分採れる場所に移動する必要がある。そして、地元の池はカルガモにとって、安全で餌の採れる池と評価されているということになる。
試しに隣の善福寺池に偵察に行ってみると、カルガモはほとんどいなかった。
その昔は、カルガモは換羽期には池から姿を消し、大きな川(多摩川など)で過ごしていたという話も聞いた。
カルガモにとっても、地元の池は住みやすい池になってきたのかもしれない。
あとは、池周りに営巣場所に適した藪があれば、子育てにも適した場所になるのではないだろうか。