鳥見雑記帳

庭や近所の公園で観察した野鳥についての雑記帳

池のカルガモたち2022

2022年09月19日 | カモ類

2022年5月、地元の池に10羽の雛を連れたカルガモが現れた。

伝え聞くところによると、池のそばの植栽の中に巣があったらしい。生まれたときは11羽いたとか。

カルガモの雛は、たくさん生まれても日ごとに数を減らしてしまうことが多い。しかし、この一家の雛はわりと長いこと雛を減らさずにがんばっていた。

2~3日後、様子を観察していると、なんと岸辺に上がってきて、私たちの足元までやってきた。

あまり近づいてくるので、こちらがフリーズしてしまう。写真も撮れない近さ。なんか、この子たちをよろしくとあいさつに来たみたいな感じがしてしまうほどだった。このとき雛は9羽に減っていた。

6月に入って、雛の数はどうなったか。

▲写真には7羽しか写っていないが、少し離れたところに親と1羽がいたので、8羽になっていた。

▲8羽の雛たち せっせと池の藻を食べている。

さらに1週間後ぐらいには7羽になっていた。

▲大分大きくなった雛たち7羽 餌は食べ放題。

こういう具合に、生後2か月ぐらいたった時点で7羽をキープしているのを確認したあと、私はその後を見ていないが、なかなか子育て上手な親のように見受けた。この池では、今までもときどき子だくさんをキープする一家が現れる。果たして同じ親なのだろうか。

その後、池では4羽の雛が現れたり、河川部でも雛をみかけた。

▲河川部にいた大きな雛 7月半ば

春から夏にかけて、池には子連れのカルガモ以外は、あまり成鳥はいない。

それがある時期になると、いやに数が増えてくる。実際カウントした結果を見ても明らかだ。

なぜ、8月ごろに一気に増えるのだろうか。

増えてきたカルガモたちを観察すると、換羽中であることがわかる。

▲新しい羽(羽軸)が伸びてきている。

水面には、抜けた羽もたくさん浮いていて、拾い集める人もいた。

集まってきたカルガモたちは、また池の水草をせっせと食べている。

今年はコカナダモが繁茂しているので、食べ物には事欠かない。

▲水面採餌・逆立ち採餌をするカルガモ

▲時にはこんなご馳走にも挑戦

カルガモは、繁殖が終わると、換羽する。一気に換羽するので、飛べなくなるそうだ。

つまり換羽中は、飛べなくても安全で、餌も十分採れる場所に移動する必要がある。そして、地元の池はカルガモにとって、安全で餌の採れる池と評価されているということになる。

試しに隣の善福寺池に偵察に行ってみると、カルガモはほとんどいなかった。

その昔は、カルガモは換羽期には池から姿を消し、大きな川(多摩川など)で過ごしていたという話も聞いた。

カルガモにとっても、地元の池は住みやすい池になってきたのかもしれない。

あとは、池周りに営巣場所に適した藪があれば、子育てにも適した場所になるのではないだろうか。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カイツブリ繁殖記録2022③

2022年09月02日 | カイツブリ類

さて、残る3番目の区画、お茶の水池での繁殖は、あまりにも錯綜していて、正確に追うことができなかった。わかっている範囲での記録にとどめる。

3月に営巣を始めたペアのうち、唯一まだ伸びてきていないヒメガマの湿地を営巣場所に選んだペアがいた。

観察者の方々は、あまりにも丸見えの巣に、大丈夫かと心配していたが、結果としては、無事5羽の雛が生まれた。

▲写真はまだ4羽目が生まれたときのもの。ヒメガマが育ってきている。4月8日

しかし、生まれたばかりの雛の2羽が、切れ藻のようなものに絡まって命を落としてしまった。

▲生き残った3羽の雛たち 4月19日

このペアは2番子も同じ場所で育てる。そのころはヒメガマが茂って視界を塞ぎ、熱心な観察者も巣の位置を確かめられなかった。(鳴き声だけは聞こえた。)雛が無事生まれたことがわかったので、巣からでてきたときだった。

▲2番子4羽のお目見え 7月9日

夏のある日の夜、4羽の雛と1羽の親が集まってきて、暗くなった水面に浮かんだまま。こんな風に寝るのかなと見ていたが、しばらくすると何かに驚いたように一斉に全員が水に潜ってしまった。そのあとどうなったか暗くて確かめられなかった。

▲7月23日夕方7時過ぎの親子

このペアは、私の知る限り、9羽の雛を孵したことになる。

同じころ、反対側の浮島で営巣するペアがいた。ここはかいぼり前からカイツブリが毎年選んできた営巣場所である。

▲3月23日 4個の卵を抱卵中

▲4月5日、4羽の雛が孵っている。

ここで営巣するペアは、なぜか2番子は巣の場所を変える。今年も対岸の小さなヒメガマの根元へ移って、営巣を始めた。

▲5月11日 5個の卵を抱卵中

▲6月3日 4羽孵る。もう一つの卵は孵らなかった。

このペアは、同じ場所で3番子も育てるが、2羽の雛が孵った時点で巣を放棄。巣に異変が起きたのか。

▲8月1日 2羽の雛を連れたペア

雛はいつの間にか1羽になってしまった。1羽の雛を親は大事に育てている。

▲8月23日 残った1羽の雛が池に落ちてきた虫をゲット。今池で一番小さい雛だ。

このペアが卵から孵した雛は10羽ということになる。

次に、お茶の水池の橋のたもとで営巣したペア

事前にあちこちで営巣を試みるも、うまくいかず、かなり遅れてここに営巣

▲6月11日 雛1羽孵る。最終的に3羽の雛が孵った。

▲7月8日 まだ1番子が小さいのに2番子を抱卵。

このペアは、6羽の雛を孵した。

最後に、橋の反対側で営巣したペア。

▲6月3日 橋から見下ろす位置に卵1つ。

このペアは、どこから来たペアだろうか。私はボート池の桜枝で営巣し、失敗したペアではないかと推測してみた。

そのわけは、5羽の雛を孵したあと、すぐにボート池に移動したからだ。

▲7月8日 ボート池の5羽の雛たち

ある日、このペアはボート池で他のペア(たぶん池尻ペア)と縄張り争いを始めた。

5羽の雛は、傍まで行ってその様子を見ている。こうして、けんかの仕方(?)も覚えていくのかもしれない。

▲縄張り争いをする親たち 7月25日

▲見学する雛たち

このペアが孵した雛は5羽。お茶の水池全体で30羽(すぐ死んだ雛も入っている)が孵ったことになる。そして総計58羽(あくまでも私が把握している件のみ)。過去最高ではないかと思う。

抱卵し始めてからの失敗例は、ほとんどが天敵(スッポン・カラス)によるものだ。雛がヘビに食べられたのを見たという人もいた。

ここ何年かは、秋になってまた営巣するペアがいたが、今年はどうだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする