6月に秋田県の温泉を廻っていて思ったのが、「温泉郷」と云われるところが温泉郷でなくなりつつあるということです。一軒宿の温泉は「温泉地」と呼ぶそうです。温泉郷は複数の温泉施設が集まっている場所で、秋田県内には有名処では、乳頭温泉郷、田沢湖高原温泉郷、小安峡温泉郷、秋ノ宮温泉郷、男鹿温泉郷など、幾つかあります。これらの有名処は、まだ温泉郷のイメージが強くありますが、今回廻った中で、大仙市北西部にある強首温泉郷と、大館市の東、大瀧温泉郷で、つい考えてしまいました。
強首温泉郷は、油田の試掘井戸を共同井戸として使用して、かつては数軒の温泉がありました。今は2軒になってしまい、その距離も数キロ離れています。関東生まれの身にとって、温泉郷は草津や鬼怒川のイメージで、数キロも離れている2軒で温泉郷というのは、イメージとは大きく異なります。さらに大館市の大瀧温泉は、江戸時代には全国温泉番付にも載るほどに知られた温泉郷でしたが、数年前に中堅施設が閉鎖となり、常時入浴可能なのは、日帰り施設1軒だけ。旧道を走れば、温泉街の面影が残りますが、大型施設ほど廃墟状態。
古くからの慣例で、こうした地区でも温泉郷という名称を一部で使用しているのでしょうが、イメージとは異なると思いますので、利用する際には心得てください。
山形県のそば街道も、軒並みそば屋をイメージしていったら、点在で驚きましたが、それと同じかもしれません。