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(患者を生きる:3207)感染症 インフルエンザ脳症:2 3週間ぶり「マー、マー」

2017年01月02日 01時56分20秒 | 医療情報
(患者を生きる:3207)感染症 インフルエンザ脳症:2 3週間ぶり「マー、マー」
臨床 2016年12月27日 (火)配信朝日新聞

 5歳の時にインフルエンザ脳症になった川端はるなさん(12)は2009年11月、富山市の総合病院から富山大学病院に転院した。
 インフルエンザ検査、MRIによる脳撮影、脳波検査が立て続けにあった。主治医の種市尋宙(たねいちひろみち)さん(43)は結果に目を通した。前の病院で始めたステロイドの大量投与が功を奏したのか、脳の腫れは少し改善していた。一方、たんなどが詰まり、右肺の一部に空気が入らない状態になっていた。
 「ステロイド治療をあと1日続けて、脳の腫れを抑えます。普通はこれで徐々に意識が戻ってきますが、状況次第で別の治療もする場合があります。同時に抗菌剤で肺炎を防ぎましょう」
 丁寧に説明する種市さんの話を聞きながら、父貴志(たかし)さん(43)は「ここでなら治るかもしれない」と先が少し見えてきた気がした。
 だが、意識はなかなか戻らなかった。「ママの声、わかる?」と母ちあきさん(42)が声をかけても反応はない。ちあきさんは「絶対に治ると信じる」と看病記録のノートに書き、焦る気持ちを落ち着かせようとした。
 意識が戻るきっかけになればと、お気に入りのテレビ番組の曲のCDや、「早く元気になって」と幼稚園の友達が吹き込んでくれたテープをベッドの脇で聞かせた。テープは、毎日見舞いに来た園長先生が、持って来てくれた。
 転院10日目から、甲状腺刺激ホルモンの分泌を調整するホルモン(TRH)を腕から点滴し始めた。甲状腺機能障害の治療薬だが、脳の血流を増やす作用があり、意識障害の治療にも使われていた。「意識が戻るのを待つこともできるが、積極的に治療しよう」と種市さんは考えた。
 TRHの投与開始の翌日、はるなさんは笑ったり泣いたりするようになった。投与6日目、理学療法士が呼びかけると、ベッド上で手足をそろりと動かした。8日目には車椅子に乗り、11日目には手すりを支えに、ゆっくり歩けた。「赤ちゃんから今までの成長を、早回しで見ているよう」とちあきさんは思った。
 12月2日。「マー、マー」。はるなさんが、ちあきさんを呼んだ。3週間ぶりの声だった。(錦光山雅子)
 ■ご意見・体験は、氏名と連絡先を明記のうえ、iryo-k@asahi.comへお寄せください。
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子どもの誤飲、たばこ最多 おもちゃのみ死亡事案も

2017年01月02日 01時52分00秒 | ものがたり
子どもの誤飲、たばこ最多 おもちゃのみ死亡事案も
2016年12月27日 (火)配信共同通信社

 厚生労働省は26日、2015年度の病院モニター報告で寄せられた「子どもの誤飲事故」286件のうち、たばこの誤飲が63件(22・0%)で2年連続最多だったと発表した。医薬品・医薬部外品が48件(16・8%)、プラスチック製品が40件(14・0%)と続いた。死亡事例は1件で、9カ月の男児が直径10ミリ程度のおもちゃを誤飲し、呼吸困難を発症した事案。
 厚労省は「誤飲があれば直ちに医療機関を受診してほしい」とし、特に子どもにおもちゃを渡す際は、誤飲の可能性がある点に留意するよう呼び掛けた。
 全国16施設の協力医療機関のうち、8施設の小児科が診察した事例をまとめた。たばこの誤飲の中には、車内のドリンクホルダーにあった吸い殻入りのコーヒーを飲んでしまった事例などがあった。
 一方、公益財団法人「日本中毒情報センター」が収集した家庭用品の吸入事故とみられる事例(1201件)では、殺虫剤が269件で最多だった。
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ノロウイルス大流行 10年ぶりの水準

2017年01月02日 01時49分32秒 | 医療情報
ノロウイルス大流行 10年ぶりの水準
2016年12月27日 (火)配信共同通信社

 国立感染症研究所は27日、ノロウイルスなどが原因の感染性胃腸炎の1医療機関当たり患者数が、直近1週間(12日~18日)で20・89人となり、大流行した2012年(19・23人)を上回ったと発表した。
 厚生労働省によると、現行の統計を始めた1999年以降、20人を超えたのは06年(22・81人)以来、10年ぶり2回目。
 ノロウイルスは感染すると、1~2日の潜伏期間の後、嘔吐(おうと)や下痢を繰り返す。保育所や幼稚園、学校などで感染が広がることが多い。厚生労働省は手洗いや消毒を徹底するよう呼び掛けている。
 全国に約3千ある定点医療機関から報告された患者数は1週間で6万6015人。1医療機関当たりの患者数が多かったのは、山形(47・27人)、宮城(34・08人)、埼玉(31・66人)、宮崎(30人)、富山(29・24人)だった。21都府県で流行警報の基準となる20人を超え、猛威を振るっている。
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ワクチン呼び掛け再開を 学会がコメント

2017年01月02日 01時46分23秒 | 医療情報
ワクチン呼び掛け再開を 学会がコメント
2016年12月27日 (火)配信共同通信社

 日本産科婦人科学会は27日、子宮頸(けい)がんワクチンを接種しなくても副作用と同様の症状が出た人がいるとする厚生労働省研究班の報告を受け、「一刻も早い接種呼び掛けの再開を強く求める」とするコメントを発表した。
 コメントは藤井知行(ふじい・ともゆき)理事長名。研究班の調査結果を「これまで学会が訴えてきた通りだ」と指摘し「将来、日本だけで多くの女性が子宮頸がんで子宮を失ったり、命を落としたりする不利益がこれ以上拡大しないように」として、ワクチンによる予防を訴えた。
 研究班は、ワクチン未接種でも副作用と同様の症状が出た人がいたとしたが、ワクチンと症状の因果関係は判断しなかった。
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高齢者の血糖下げ過ぎ注意 脳卒中などリスク上昇 主治医と相談を 「医療新世紀」

2017年01月02日 01時43分39秒 | 医療情報
高齢者の血糖下げ過ぎ注意 脳卒中などリスク上昇 主治医と相談を 「医療新世紀」
2016年12月27日 (火)配信共同通信社

 糖尿病は、血糖が高い状態を放置すると全身の動脈硬化が進み、目や腎臓などに重い合併症が出る恐れがある。だから治療の基本は血糖を下げること。しかし近年、特に高齢者で下げ過ぎのマイナス面が明らかになってきた。専門学会が高齢者向けに柔軟な血糖管理の目標値を発表するなど新しい動きが出ている。
 ▽目標緩和
 血糖の管理には、過去1~2カ月の平均血糖値を反映する「HbA1c」と呼ばれる指標(単位は%)が使われる。一般成人患者が合併症を防ぐには、これを7%未満に抑えるのが望ましいとされている。
 日本糖尿病学会と日本老年医学会の合同委員会が2016年5月に公表した、65歳以上の高齢糖尿病患者の血糖管理目標も、基本は変わらない。だが、例えば75歳以上で特定の薬を使用している人の目標値は「8%未満」に緩和。さらに、これよりは下げないという下限値(7%)も設けたのが特徴だ。
 背景には、血糖を下げ過ぎると高齢者にはかえって有害な場合があるとの研究が、内外で増えてきたことがある。
 国内では高齢患者千人余りを01年から平均6年追跡した「J―EDIT」研究が有名だ。研究を率いた東京都健康長寿医療センターの荒木厚(あらき・あつし)内科総括部長らがデータを詳細に解析した結果、HbA1cが7~8・4%だと脳卒中の発症は少ないが、それより低くても高くても発症リスクが上がることが示された。7%未満だと重症の低血糖が増えるとの研究もある。
 ▽SU薬
 重症低血糖とは、意識を失うなどの重い症状を伴う低血糖のことだ。「この発作を起こした人は、心筋梗塞やさまざまな病気のリスクが増えることが明らかになってきた」と野田光彦(のだ・みつひこ)埼玉医大教授(内分泌・糖尿病内科)は解説する。
 特定の薬、例えば「スルホニル尿素(SU)薬」という飲み薬やインスリン注射を使用している高齢者は重症低血糖になりやすいことが分かっており、注意が必要だ。
 国立国際医療研究センター(東京)などの研究班が05~13年の糖尿病患者4500人余りの薬を調べたところ、SU薬やインスリンの使用は、若い患者より高齢患者に多いことが分かった。
 分析を担当した虎の門病院(東京)の本田律子(ほんだ・りつこ)健康管理センター医長は「高齢患者は長く患った結果、血糖管理に強力な薬が必要な場合が多い。それを反映しているのでは」と話す。その後新薬が登場し、SU薬の使用は減ってきたとみられるが、厚生労働省の調査でも糖尿病患者に占める高齢者の割合は7割に迫る。注意すべき患者は意外に多い可能性がある。
 ▽抵抗感
 一方、長年の努力で血糖を低く抑えてきた高齢患者の中には、目標値の緩和を受け入れにくい人もいるという。野田さんを主治医として10年近くインスリン注射を続けてきた70代後半の男性もそうした一人。
 7%未満を保ってきたHbA1cを「もう少し高くても大丈夫ですよ」と促されても「今まで頑張ってきたのに」と戸惑いが強かった。約半年かけてインスリンを徐々に減らし、最近は7%台で落ち着いているという。
 「真面目に頑張るタイプの人ほど意識を変えにくい。高齢者は個人差が大きく一律の正解はないが、75歳以上でSU薬やインスリンを使っている人は、一度主治医と話し合ってみるとよいのでは」と野田さんは勧める。
 自分の薬がSU薬かどうかは医師や薬剤師に尋ねれば分かる。インターネットでは国立国際医療研究センターのサイト「糖尿病情報センター」(http://dmic.ncgm.go.jp/)なども役に立つ。(共同=吉本明美)
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