AI:生活習慣病予防 広島大がシステム開発へ データでリスク予測、指導
2018年1月19日 (金)配信毎日新聞社
人工知能(AI)を活用して生活習慣病の予防などにつなげるシステムの開発を広島大が始めた。治療内容の記録にあたる診療報酬明細書(レセプト)や健康診断などのデータをAIに学習させ、糖尿病や心筋梗塞(こうそく)、脳卒中などの重症化リスクを個別に予測し、保健指導に生かす。社会の高齢化に伴って生活習慣病は増え続けており、システムを生かした患者の健康増進や医療費抑制などが期待される。
国の医療研究を統括する日本医療研究開発機構の事業で、2019年度に試作的なシステムの完成を目指す。
生活習慣病の重症化予防では広島県呉市が全国でも先進的に取り組んでいる。市の国民健康保険(国保)のレセプトデータを分析し、糖尿病患者の中から年間約500万円と高額な人工透析が必要となりそうな人などを特定。看護師が患者と面談して生活を指導する。透析を始める人が減り、医療費抑制にもつながっている。
今回の研究は、この仕組み作りに関わった広島大の森山美知子教授(成人看護開発学)も参加し、同様の指導ができるシステムを目指す。
同県の市町が持つレセプトや健診のデータをAIに学習させ、患者を重症度リスクごとに4段階に分けて指導対象者を洗い出せるようにする。ベテラン看護師らの面談・指導法もAIに学習させ、食事や運動、ストレス対策などを組み合わせた適切な指導法を示せるシステムを作る。
システムは、医療費を病院に支払っている企業の健康保険組合や自治体で使うことを想定している。研究代表者の木原康樹・副学長(循環器内科)は「高齢化で増える患者に対応しようとしても、医療現場の人手には限界があり、AIに補ってもらう。多くの人の健康寿命を延ばして元気で暮らしてもらえるようなシステムを作りたい」と話す。【野田武】
2018年1月19日 (金)配信毎日新聞社
人工知能(AI)を活用して生活習慣病の予防などにつなげるシステムの開発を広島大が始めた。治療内容の記録にあたる診療報酬明細書(レセプト)や健康診断などのデータをAIに学習させ、糖尿病や心筋梗塞(こうそく)、脳卒中などの重症化リスクを個別に予測し、保健指導に生かす。社会の高齢化に伴って生活習慣病は増え続けており、システムを生かした患者の健康増進や医療費抑制などが期待される。
国の医療研究を統括する日本医療研究開発機構の事業で、2019年度に試作的なシステムの完成を目指す。
生活習慣病の重症化予防では広島県呉市が全国でも先進的に取り組んでいる。市の国民健康保険(国保)のレセプトデータを分析し、糖尿病患者の中から年間約500万円と高額な人工透析が必要となりそうな人などを特定。看護師が患者と面談して生活を指導する。透析を始める人が減り、医療費抑制にもつながっている。
今回の研究は、この仕組み作りに関わった広島大の森山美知子教授(成人看護開発学)も参加し、同様の指導ができるシステムを目指す。
同県の市町が持つレセプトや健診のデータをAIに学習させ、患者を重症度リスクごとに4段階に分けて指導対象者を洗い出せるようにする。ベテラン看護師らの面談・指導法もAIに学習させ、食事や運動、ストレス対策などを組み合わせた適切な指導法を示せるシステムを作る。
システムは、医療費を病院に支払っている企業の健康保険組合や自治体で使うことを想定している。研究代表者の木原康樹・副学長(循環器内科)は「高齢化で増える患者に対応しようとしても、医療現場の人手には限界があり、AIに補ってもらう。多くの人の健康寿命を延ばして元気で暮らしてもらえるようなシステムを作りたい」と話す。【野田武】