市立札幌病院、コロナ特化 市長提案 中等症、重症向け
札幌市の秋元克広市長は30日、鈴木直道知事との緊急会談で、市立札幌病院(中央区)を新型コロナウイルスに感染した中等症、重症患者の受け入れに特化した「重点医療機関」に指定するよう提案した。同病院が請け負っている一般診療の救急患者は他の医療機関に振り分ける考え。
厚生労働省は、都道府県に重点医療機関の設置を求めているが、道は未設置。市によると、知事と市長は重点医療機関の指定を含め、札幌圏の医療体制について引き続き検討することで一致したという。
市立札幌病院は市内に11ある「帰国者・接触者外来」の一つで、感染患者の入院や診察、感染の有無を調べるPCR検査の検体採取などを請け負う。一般診療も受け付け、生命が危険な重症患者を受け入れる「三次救急」や24時間体制で患者を受け入れる「二次救急」も担う。
市長は同日の記者会見で、新型コロナの重症患者が道内で15人に上り、連休期間中にも重症患者向けの32病床が不足する恐れもあると指摘。その上で「中等症、重症の患者を引き受ける病院に特化することを考えなければならない」と強調した。重点医療機関に指定されれば、二次救急や三次救急、緊急手術などを他の医療機関に振り分け、感染症以外の入院患者に転院を要請する考えを示した。
市長はこのほか、「この1週間、10日間は非常に緊張感を高めないといけない。緊急的な医療体制が必要になる」と言及。例年は連休期間中に休診する市内医療機関に、連休中も診察を受け付けるよう要請する方針を説明した。