インフルエンザ 国立感染症研究所の記事より
2018/19シーズン患者発生状況:感染症発生動向調査では, 全国約5,000のインフルエンザ定点医療機関(小児科約3,000, 内科約2,000)からインフルエンザ患者数が毎週報告される。2018年第49週に定点当たり報告数が全国レベルの流行開始の通常の指標である1.0人/週を超え(図1 & https://www.niid.go.jp/niid/ja/10/weeklygraph.html), 2019年第2週には全都道府県で注意報レベルである10.0人/週を超えた。報告のピークは2019年第4週(57.09人)で, この定点当たり報告数は, 1999年4月の感染症法施行開始以降最高値であった。
定点報告を基に全国医療機関を受診したインフルエンザ患者数を推計すると, 累積推計受診者数約1,200万人であった(2018年第36週~2019年第17週)。なお, 2018/19シーズンからは受診者数の推計方法が改良され, 従来の推計値のおおよそ0.66倍になると考えられている。基幹定点医療機関(全国約500カ所の300床以上の病院)を対象としたインフルエンザ入院サーベイランスにおける入院患者総数は20,389人(2018年第36週~2019年第17週)であった。全数把握5類感染症である急性脳炎(脳症を含む)の届出のうち, インフルエンザ脳症報告数は223人であった(2018年第36週~2019年第17週)。また, 2018/19シーズンは, 全国的には例年と同程度と推定される約3,400人の超過死亡が観察された(本号16ページ)。