日々

穏やかな日々を

新型コロナ:新型コロナ 南ア産ワクチン、受注ゼロ

2022年06月05日 21時00分27秒 | ウイルス

新型コロナ:新型コロナ 南ア産ワクチン、受注ゼロ 低接種率、でも工場閉鎖危機 アフリカ自給計画、風前

 2022年6月5日 (日)配信毎日新聞社
 

新型コロナ:新型コロナ 南ア産ワクチン、受注ゼロ 低接種率、でも工場閉鎖危機 アフリカ自給計画、風前

 「アフリカに新型コロナウイルスの地元産ワクチンを供給する」として、南アフリカ政府や国際機関の肝いりで南ア国内に整備されたワクチン製造工場が、閉鎖の危機に直面している。アフリカではコロナワクチン接種を終えたのが人口の2割に満たない。世界的な目標の「7割」を達成するにはまだワクチンが必要なのに、一体なぜか。

 「注文がなければ生産ラインをいつまでも維持することはできない」。工場を整備した南アの製薬大手「アスペン」の役員、スタブロス・ニコラウ氏は毎日新聞の取材にこう答えた。3月上旬にアフリカ向けのコロナワクチン製造を正式発表したものの受注はゼロ。採算が合わないためこのままだと月内にも製造ラインを閉鎖し、元々あった麻酔薬製造ラインに戻す可能性があるという。

 コロナ禍では資金力のある富裕国が優先的にワクチンを買って接種を進めた。貧困国が多いアフリカは確保に四苦八苦し、各国首脳の間から「自前のワクチン製造を強化すべきだ」との声が高まっていた。

 アスペンは元々アフリカでは数少ないワクチン製造業者で、コロナ禍でも米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のワクチンを受託生産してきた。今回は製造設備を増強した上で、アフリカ域内に出荷する分を自社ブランド「アスペノバックス」としてライセンス販売する計画だった。工場にはJ&Jの受託生産と合わせて月産3000万回分のコロナワクチン製造能力がある。ところがアスペノバックスはこれまでに国際機関やアフリカ諸国からまったく受注できていない。ニコラウ氏は「誰もがアフリカでワクチンを作りたがっていたのに」と困惑する。

 発注がない大きな理由は、アフリカ諸国で接種が伸び悩んでいるためだ。コンゴ民主共和国では18歳以上なら誰でも接種を受けられるのに接種完了率は1%台で、南アでも完了率は3割でほぼ頭打ち。アフリカでは予算や行政基盤が貧弱で、ワクチンがあっても接種の態勢作りが遅れているケースがある。また汚職などが深刻な国では国民の政府に対する信頼感が低く、「ワクチン接種を受けると死ぬ」といった誤った情報が広まりやすい。コロナで重症化しやすい高齢者が比較的少ない上、マラリアなど他の感染症の脅威が日常的にあるため、コロナへの危機感はそれほど強くない。

 南アのラマポーザ大統領は「非常に深刻な問題だ」として工場閉鎖を避けるために、他のアフリカ首脳と対策を協議していると明らかにした。

 ただ世界的にワクチンは余り気味で、南ア政府自体もアスペンから購入する計画がない。世界保健機関(WHO)などが主導する世界的なワクチンの調達・配布の仕組み「COVAX(コバックス)」も「追加接種分も含めて現在は十分な供給があり、どこからも追加購入はしていない」として、アスペンには発注しない方針だ。

 ワクチン接種率が低い地域では新たな変異株発生のリスクも高くなる。WHOのテドロス事務局長は5月22日、「パンデミック(世界的大流行)はまだ終わっていない。全ての国が70%の接種率を達成できるよう、支援を続けていかなければならない」と述べた。

 アフリカはあらゆるワクチンの大半を輸入に頼り、域内自給率は1%しかない。アフリカ連合(AU)は2040年までに自給率を60%まで引き上げる目標を掲げ、アスペンの取り組みは先駆けとして期待されたが、早くも頓挫の恐れがある。ニコラウ氏は「アスペンが失敗すれば、アフリカの他の計画や取り組みもうまくいくとは思えない」と指摘する。【ヨハネスブルク平野光芳】

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

瞬発力高める遺伝子変異、東京医歯大チーム特定…ジャマイカ短距離選手に特に多く

2022年06月05日 20時51分24秒 | 大学

瞬発力高める遺伝子変異、東京医歯大チーム特定…ジャマイカ短距離選手に特に多く

 2022年6月5日 (日)配信読売新聞
 

 跳躍力や走力などの瞬発力を高める遺伝子の変異を特定したと、東京医科歯科大などのチームが発表した。この変異は、中米ジャマイカの短距離選手に特に多く、優れた選手を輩出する秘密の一因ではないかとチームはみている。

 浅原弘嗣 ・同大教授(分子生物学・整形外科学)らのチームが注目したのは、細胞表面で力を感じるセンサーとなっているたんぱく質の遺伝子「 Piezo1」。この遺伝子に変異があると、力を受けた細胞の反応が変化し、骨と筋肉をつなぐ 腱を太くさせる別の遺伝子の働きが強まることを明らかにした。

 実際、変異遺伝子を持ったマウスの実験では、跳躍力が通常より雄で平均約1・4倍、雌では同1・7倍になった。走る速度も約1割向上した。

 また、ジャマイカ人を含む西アフリカ系の人はこの変異を持つ割合が高いことは知られていたが、チームの調査で特にジャマイカ人の短距離選手では半数以上が持っていた。

 成果は、高齢者の運動能力低下防止などに役立つ可能性がある一方、運動能力を不正に高める「遺伝子ドーピング」に悪用される恐れもある。論文が科学誌に掲載された。

  自然科学研究機構の富永真琴教授(分子細胞生理学)の話 「力を感じる遺伝子が瞬発力の向上に関係しているのは理にかなっている」

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

投票ボタン

blogram投票ボタン