Mars&Jupiter

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フランシス・プーランクの「ホルンとピアノのためのエレジー」を聴きながら横浜から上星川まで歩く

2008-04-21 07:37:15 | 古典~現代音楽フランス編
昨日は横浜から上星川駅まで歩きました。
途中聴いた曲は、プーランクの室内楽曲集。
EMIから以前発売された5枚組みの輸入CDである。
エリザベス・スプラグ=クーリッジ夫人をしのんで、
1956年に作曲されたフルート・ソナタは、
フルート・ソナタの中でも有名な作品である。
1957年ランパルのフルート、作曲者自身のピアノで初演された。
哀愁を帯びた旋律で始まる第一楽章アレグロ・マリンコニコは、
印象的な主題は全体を通して変形しながら繰り返される。
第二楽章アッセ・ランは、悲しみにあふれた情感深い曲である。
第三楽章プレスト・ジョコーソは、軽快かつ明るい音楽で、
それまでの楽章の悲しさを吹き飛ばすような曲である。

オーボエ・ソナタは、1962年に作曲された作品。
セルゲイ・プロコフィエフの思い出に捧げられている。
プーランク自身は、1963年の4月27日シカゴで
演奏するつもりであったが、1月30日に亡くなったため、
その計画は実現せず、同年6月8日に
ストラスブール音楽祭にて初演された。
第一楽章「エレジー」はロマンティックでゆるやかに始まる。
ところどころにプロコフィエフ風な部分を感じさせる。
第二楽章スケルツォは、プーランクらしい軽快な曲、
滑稽な感じがプロコフィエフ風ではある。
第三楽章「悼み」は沈鬱な感じの曲である。
東洋風の旋律は深い悲しみに彩られているようだ。
最後も盛り上がりをみせる場もなく、静かに終わる。

クラリネット・ソナタは1962年に作曲された作品で、
友人アルトゥール・オネゲルに捧げられている。
1963年プーランクの追悼演奏会が、
ニューヨークのカーネギー・ホールにて、
4月10日に行われたが、その時ベニー・グッドマンと
バーンスタインの演奏により初演されたようである。
第一楽章アレグロ・トリスタメンテは、
哀愁を帯びた旋律から始まるが、軽快な部分もあり、
その軽快さはオネゲル風を感じさせるところもある。
第二楽章ロマンスはロマンティックな曲で、
ピアノの伴奏にのってクラリネットが、
じっくりとその楽器の良さを聴かせる曲である。
第三楽章アレグロ・コン・フォーコの冒頭で登場する
おどけたような滑稽な感じの主題は、
いかにもプーランクらしいところであるが、
対比するロマンティックな旋律との対照的なところがいい。

「ホルンとピアノのためのエレジー」は私の好きな曲だ。
1957年に作曲された作品で、ホルンの名手デニス・ブレインが、
この年に亡くなったのをきっかけに作った曲である。
最初に登場する軽快にホルンが旋律を吹くところは、
おそらく奏者にとっては難しい部分ではないだろうか。
最初に登場したホルンによる軽快な主題は、
ところどころで顔を出すが、曲全体は、
エレジーとあるように深い悲しみに包まれており、
ピアノの伴奏は、その感じを表現している。

2つのクラリネットによるソナタは1918年に作曲された。
第一楽章プレストでみせる旋律は滑稽な感じである。
牧歌風なおだやかな感じの中間部を経て、
冒頭のおどけたような主題が再現されて終わる。
第二楽章アンダンテはのどかな牧歌調の曲である。
フランス風というよりはロシア風な感じがする。
第三楽章活発に(Vif)もおどけた感じ軽快な曲である。
三部形式で書かれており、最後はあっけなく終わる。
全般的にストラヴィンスキー風でおもしろい。
コメント
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