ニコライ・ラコフの弦楽オーケストラのためのシンフォニエッタを聴く

今回取り上げるのは1908年生まれのラコフが、
1958年に作曲した弦楽オーケストラのためのシンフォニエッタである。
聴いたＣＤはゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮、
モスクワ放送交響楽団の演奏による。
第一楽章アレグロ・モデラートは、
流れるようで叙情的な第一主題で始まる。
第二主題は穏やかで牧歌的な感じである。
展開部に入りその二つの主題が変形されていく。
再現部で二つの主題が現れ、最後は穏やかな感じで終わる。
第二楽章アレグレット・グラツィオーソは、
民謡風の旋律が奏でられて始まるが、
北欧風な雰囲気を感じさせる旋律である。
フィンランド民謡の「野イチゴ」の旋律を想起させる。
第三楽章ヴィーヴォは、生き生きとした旋律で始まる。
弦楽器アンサンブルの良さを示した音楽である。
軽快で躍動感があり、とても楽しい官である。
第四楽章アンダンテ・ソスティヌートは、
前楽章とは対照的にゆったりと始まる。
叙情的な旋律を弦楽器が奏でていき、
情感あふれる感じで、最後淡く終わる。
第五楽章アレグロ・コン・フォーコは、
力強く勇ましい感じの主題が奏でられて始まる。
この主題をもとに展開されていき、
高揚していく中で、最後は力強く終わる。