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アントン・ブルックナーのミサ曲第3番へ短調(1881年版)を聴く

2016-01-05 12:07:27 | アントン・ブルックナーの作品
今回取り上げるのは1824年生まれのブルックナーが、
1868年に作曲したミサ曲第3番へ短調(1881年版)である。
今回聴いたCDはマーガレット・プライスのソプラノ、
ドリス・ゾッフェルのアルト、ペーター・シュトラーカのテノール、
マティアス・ヘレのバス、セルジウ・チェリビダッケ指揮、
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団および合唱団の演奏によるもの。
第一曲キリエは、弦楽器の物悲しいしかしやや明るさももった旋律に始まる。
その序奏に続き、合唱が「キリエ・エレイソン」と歌う。
ヴァイオリン独奏に続き、バスやソプラノの独唱者の歌が入り、
合唱と絡んでいき、管弦楽により高揚していく。
静まってからそのあとも独唱者と合唱による応答が続き、
独唱者と合唱と管弦楽で盛り上げたあと、最後静かに終わる。
第二曲グローリアは、管弦楽と合唱で力強く始まり、
金管楽器が鳴り響き、いかにもブルックナーらしい。
そのあとソプラノ独唱も入り、力強い音楽が展開されていく。
途中フーガ風の展開もみせていき、聴き応えがある。
最後は金管楽器が鳴り響く中、力強く終わる。

第三曲クレドは、ティンパニと金管楽器が鳴り響く中、
合唱が力強く歌って始まり、この冒頭の部分は何度か繰り返される。
独唱者も加わり、とても華やか感じであるが長大な曲である。
やがてテノール独唱とヴァイオリン独奏が絡む部分となり、
中間部では合唱と鳴り響く金管楽器で盛り上がりをみせる。
その後も静かな部分と盛り上がった部分を繰り返し、
独唱者の歌のあと、合唱と管弦楽で盛り上がって、最後堂々と終わる。
第四曲サンクトゥスは、管弦楽と合唱で穏やかな感じに始まる。
中間でティンパニが叩く中、合唱が力強く歌う部分があり、
独唱者も加わり、金管楽器とともに盛り上がって終わる。
第五曲ベネディクトゥスは、弦楽器中心に穏やかに始まる。
独唱者が入って重唱と独唱を聴かせたあと、合唱も加わる。
途中フルートやファゴットなどの木管楽器が活躍する部分もあり、
牧歌的な感じを持たせるところもある。
ホルンが鳴り響き、合唱と絡んでいくところもいい。
独唱者と合唱で「いと高き所にホザンナ」を歌って最後終わる。
第六曲アニュス・デイは、フルートなど木管楽器が活躍したあと、
合唱がそっと入って始まり、各独唱者も加わる。
穏やかに、ゆったりとしたテンポで進んでいく。
独唱者たちは「われらをあわれみたまえ」の一節を繰り返す。
合唱の部分は美しく、ゆるぎない信仰を管弦楽が示している感じだ。
最後は合唱の音が消え入るようにして終わる。

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