温泉クンの旅日記

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稲庭饂飩 秋田・湯沢

2009-07-29 | 食べある記
  <稲庭饂飩>

 秋田県湯沢にある、創業万延元年の「佐藤養助本店」。



 湯沢の田園風景にいい加減飽きたころ、稲庭の町にはいってすぐの国道沿いに
みつけられる。客が多いので駐車場もいくつか持っている。
 店の前には、警備というより交通整理なのだろう、口調が丁寧なガードマンが
立っていた。



 たしか前回この本店を訪れたのは、十年くらい前だ。
 以来、この店のあちこちの支店で食べたり、土産で持ち帰って食べたりしてい
る。

 稲庭饂飩で最初にこの店を選らんだのは有名だからというより、わたしの知り合
いの同級生が現当主であるところから、この店の名前をよく聞いていたからだ。
(稲庭のばあいには、うどんより饂飩があっていると思う)
 もちろん、わたしは一面識もないので不味くても食べに来る義理はまるでない。
 稲庭ならこの店と決めたのは、とにかく、いつ食べても旨いのである。

 稲庭饂飩は手延べ製法の干饂飩で、食用植物油を使用せず打ち粉としてでん粉を
使い、乾燥前につぶして平べったい形状にするのが特徴である。ひやむぎよりは
多少太いくらいだ。一度寝かして熟成の時を過ごしたあと、何度も練り続け生地を
つくり上げていく。これにより空気穴をたくさん含む腰の強い饂飩ができるのだ。
 製品になるまでに完全なる手作業で四日以上はかかるそうである。

 夏とはいえ季節外れの豪雨で肌寒かったので、温かい天麩羅饂飩を注文した。
が、やはり冷たい饂飩も食べておきたい。朝から楽しみにして腹の按配はスタンバ
イできている。よし。醤油だれの笊饂飩も追加してしまう。



 まず、天麩羅饂飩をあらかたつるつるっと食べてから、ゆっくり冷たい饂飩に
とりかかる。



 稲庭饂飩の旨さはひとことで言うと「なめらかさ」につきる。つるつるとした
喉越しで胃の腑に落ちていくのである。その艶やかさには一種の気品ささえも感じ
られる。
 温かい饂飩の、だしは薄味だがしっかり鰹と昆布が利いた奥深い味で、冷たい
饂飩を食べきってからこちらのだしも最後まで飲みきってしまう。付け合せの、
いぶりがっこもなんとも旨い。

 帰り際に入り口のところに、楽しみにしていた無料のお土産がないのでがっかり
する。
 饂飩を切りそろえると、U字形の切り落としが発生する。これは商品にならない
としてビニール袋に小分けして無料のお土産にしてくれていたのである。
 これを、鍋物や汁物などいろいろなものにいれるとひと味グレードアップするの
だ。
 昼も遅いのでなくなったかもしれない。
 それとも、こいつはけっこう売り物になるというのがわかったのでなければいい
のだが。


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