夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

水村帰農図 伝竹内栖鳳筆

2018-02-20 00:01:00 | 掛け軸
訪問者数が本日で延べで80万を超えたようです。多いのか少ないのかは当方では測りかねますが、一つの区切りは100万でしょうか? 素人の骨董談義で稚拙ゆえにあまり多くの方に見られるのは考えものです。

さて本日紹介するこの作品を竹内栖鳳の真作と判断するのに異論を唱える方も多いと思いますが、当方は最終的に断定できていないと御断りの上で、現段階では真作と推測しています。

水村帰農図 伝竹内栖鳳筆
絹本水墨軸装 軸先象牙 共箱二重箱
全体サイズ:縦2000*横460 画サイズ:縦1137*横327

 

竹内栖鳳の水墨画は基本的に「栖鳳紙」と称せられる和紙に描かれています。本来水墨画ならもっと簡略化され、滲みを多用する画風でしょう。この作品が絹本に描かれている点に多少違和感を覚えますが、栖鳳が絹本に描いた水墨の作品として考慮してみる見方もできます。



栖鳳の水墨画は意外に一般的に知られていませんが、小生は竹内栖鳳の真髄は水墨画にあると思っています。



水墨画を理解する上で竹内栖鳳を抜きでは語れません。修練された写生技術を少ない筆致で水墨にて表現する技法は高い精神性に裏付けられたものです。その省略化された技法は着色された作品に及び、当時は賛否を呼び起こしましたが、現在では高く評価されています。



ところで軸先は象牙、徐々に貴重になりつつあります。



拵えは下記の写真のとおりです。



参考までに参考資料との印章の比較は下記のとおりです。作品中の印章は「霞中庵主」は各種あります。

 

箱への印章は「恒」です。

 

模倣されやすい水墨画ゆえ、さらに見識を少しずつ増やしながら作品を見極めていくのもまた楽しからずや。



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