(上と下)雄花序の紅色の葯と黄色い花粉が目立ちます。
2015年3月4日(水)、芦東山記念館(岩手県一関市大東町渋民字伊勢堂71-17)の館長講座(第7回)受講のため同館を訪ねました。今回のテーマは「黒田騒動と栗山大膳~黒田官兵衛の兜が盛岡へ~」でした。終了後、砂鉄川沿いの県道をマイカーを走らせていたら、渋民橋の上流50mほどの岸辺に銀白色に輝く花芽を沢山つけているネコヤナギ(猫柳)がありました。
(上)遠くに見える高い山は室根山(標高895m)
(上と下)砂鉄川に架かる渋民橋(一関市大東町渋民:国道343号線と県道104号線などの分岐付近、下の橋の右側方面が国道343号線で摺沢に至る。)
ネコヤナギ(猫柳)/カワヤナギ(川柳) ヤナギ科 ヤナギ属 Salix gracilistyla
各地の山野の水辺に生える落葉低木で高さは50~300㎝になる。春、真っ先に開花するヤナギのひとつ。銀白色に輝く花芽が美しいので庭木としてもよく植えられている。別名:エノコロヤナギ。下部からよく分枝し、枝は弓状に曲がって斜上する。若枝には灰白色の軟毛が密生するが、後に毛は落ち、緑褐色または緑色になる。裸材に隆起線はない。冬芽は灰白色の軟毛が密生し、帽子状になった赤褐色の1個の鱗片に覆われている。葉は互生し、長さ7~13㎝の長楕円形で先は尖り、基部は円形。縁には細かい鋸歯がある。革質で表面は深緑色、裏面は灰白色で白い絹毛が密生する。若葉は両面とも有毛。葉柄は5~20㎜で軟毛が多い。托葉は長さ6~10㎜の腎円形。3~4月、葉が出る前に長楕円形の尾状花序をつける。雄花序は長さ3~6㎝。雄花の雄しべは2個が合着して1個になっている。葯は初め紅色で、黄色の花粉を出した後黒くなる。雌花序は長さ25~45㎜。雌花の子房は長卵形で白い軟毛が密生し、花柱は子房より長い。柱頭は短く、2中裂することもある。雄花も雌花も1個の腺体があり、苞は広披針形で上部は黒色、中部は帯紅色、下部は淡黄緑色をしており、両面に白色の長い絹毛が密生する。雌花序は花の後伸びて、果期には9㎝ほどになり、一方に傾く。果は2裂して反り返り、白い綿毛に包まれた種子を出す。用途:庭木、護岸樹、花材、樹皮は薬用。分布:北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国、ウスリー。[山と渓谷社発行「山渓カラー名鑑・日本の樹木」&同「山渓ポケット図鑑1・春の花」より]
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