Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

飛び立つ白鳥と同一化

2021-03-02 | 文化一般
床屋の前を通ると開いていてお客さんがいた。3月1日月曜日から開業とは知っていたが、月曜定休日を返上とは思わなかった。準備をしていたら、声を掛けてとは思っていた。今週は一杯で来週に予約を入れておいた。暖かくはならないのだが、来週仕上げておけば5月までは何とかなる。そこでサマーカットで真夏である。

少しばかり冷えてきた。週明けは零下に戻った。暖かくなったのは灰の水曜の辺りだからヒーターを切ってからまだ二週間経たない。二日ほどの事であるが、凍えていては何も出来ない。新陽性者指数もパッとしないところで寒くなると気が滅入る。

予想通りベルリナーフィルハーモニカーがスペインツアー中止を発表した。5月1日のヨーロッパコンサートとそれに続く3回の演奏会がキャンセルになる。5月2日に復活祭を延期するという話しもあったのだが、メーデーのコンサートはベルリン周辺で場所を探しているとある。オペラをやるとなると一週間前から入るので、3日から入っても祝祭は8日開幕で、マーラーフェストが中止になっているので16日頃までの開催となるのか。

独第二放送のZDFでは、メルケル首相の申し入れの件でフィルハーモニーのツェッチマン支配人に金曜日にインタヴューをしていた。それによると月曜日に発表した後各政党からの反応があったようで効果はあったようだ。どこまで何が受け入れられるかは分からないが、少なくともベルリンだけでなくて連邦全体としても留意されるだろう。問題は添付文章の様にスポーツ興業も一緒になった実験結果となっていてどうだろうか。

先日初めて誰かがコロナで死んだと耳にした。八百屋での事だったが初めてだった。お隣さんも外出が出来なくなって老衰が進んで死んだが、直接コロナで死んだと聞いたことは今迄無かった。死亡率は十万人で今は76人になったが、11月21日までは現在の東京都よりも陽性者が多く死者は同じ10人だった。大体そういう感じである。

承前)二人目のユロウスキーの演奏とお話しが親父さんのミヒャエル指揮生放送に続いて流された。昨年11月の録音で、放送交響楽団の教育プロジェクトにも組み込まれているようで、子供にも聞かせる為にアンデルセンの「醜いアヒルの子」にプロコフィエフが作曲したものを昨年3月過ぎのロックダウンで息子のウラディミールが小編成つまりシェーンベルクの交響曲に合わせて編曲した。そのドイツ語版の歌と演奏したものに続けてオリジナル編成のロシア語原文で演奏したものが流された。

編曲にあたってはパリに住むプロコフィエフの孫に許可を得たとあった。しかしこの企画はそれだけで済まずに映像を付けて小さなところで子供の前で演奏するというものらしい。そして本人がこの作品の意味を、皆が知っている様に、集団の中で異なったアヒルの子が孤立して虐められるという、子供の特にコロナ禍で社会化が遅れた子供たちに自己同一化をして貰えて、そして物語の通りに立派な白鳥になってという明るいストーリーで、子供自らの問題も乗り越えて欲しいという希望を語っていた。

この話しを聞くだけで、ミュンヘンでドルニー支配人と本当の社会的な劇場としての大きな期待をせずにはいられなくなった。そうしたプロジェクトの為に打ち込める人で、チームワークを発揮していける人だと思う。前任者のペトレンコのような天才指揮者の後では純音楽的には中々超えられるものでは無いが、故モルティエの影響を受けた新支配人の大きな枠づくりの中で文化的な芸術活動を成功させて欲しいと思う。世界を導く公的劇場に求められるのはそうした社会的な文化の中心であり得ることである。(終わり)



参照:
歴史文化まで語る手腕 2019-12-23 | 音
音楽劇場のあれこれ 2018-03-08 | 女
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする