木曜日にルートヴィヒスブルク音楽祭が開幕する。それを前にしてフランクフルターアルゲマイネ新聞が開幕指揮のアクサーナ・リニヴにインタヴューをしている。
先ずは折からのバイロイト音楽祭に関しての情報がそこでの開幕指揮者のリニヴから漏らされる。先ずは、合唱の問題がどうなるか現時点では分かっていないこと。つまり放送などからすれば彼女が言及しているようにチューリッヒの「ボリスゴデュノフ」公演の様に中継で合唱団を繋ぐ方法が取られるのもまだ決定していないらしい。
本人自体は練習で振る機会が無いのでそれが一番問題だったが、幸運にもバロセロナで2017年に振っていたのが特に助かったという。独特の奈落に関しては二度そこに座った経験などからの勘でどれぐらい早めに指揮したらいいかが分かればと期待している。
他の新聞の伝えるところによるとバイロイトの管理側の考えとして収容人数を235人としてプロジェクトが進んでいるらしい。勿論60%を座席権収入に頼っているので、通常の6%強しか売り上げられないことになる。そして初日開幕の日程の都合から見切り発車的に開幕を決めたとされる。235人も換気装置の無い劇場で自然換気を使って、テスト陰性若しくは接種済みゆえに入場可能となる。そこに公衆衛生上の見地から大きな落とし穴がありそうで、無観客での開催が精々だろうと思われる。
さて、楽曲に関してのリニヴの解説は、現在も勉強中だとして減七のアコードと短三度の組み合わせと対比の先にトリスタン和音へと進む創作の萌芽を見ている。それが主題的にはリアルな登場人物と幽霊に対比する。その起源を辿ると「魔弾の射手」から「ドンジョヴァンニ」へと遡る独語芝居オペラとなる。
リニヴは木曜日の「大地の歌」の件において、プレコロナとポストコロナとあって、今後当分はマーラーなどの大編成曲は演奏出来なくなって、まるで夢みたいにプレの時が思われるだろうとしている。当初の予定通り同じ曲の室内楽編成が演奏される様である。
両親ともが音楽の教師であるが、指揮者などは自分自身のイメージには無くて、合唱指揮者になろうとしていた一方、既に14歳からウクライナの縦笛を吹いたりで、家族の音楽団でも活躍していたので、周りから進められるようになったという。それで地元のレムベルクで学生乍らオペラ劇場のプロムプターなどをやってからオデッサでアシスタントになったようだが、そこの指揮者の全く向上心も無く酒ばかり浴びているのを見て辞めたという。若い彼女の軽蔑したその眼差しが見えるようで面白い。
ウクライナではオペラと言ってもイタオペであって、ヴァークナなどは長くて受けないという事で、全くドイツものは学べなかったという。だから独学でその頃に図書館からロシア語訳まで取って来てLPで熱心に勉強した様だ。その中にティーレマン指揮録音が含まれていてもおかしくはないのだろう。そして如何にこの指揮者が言葉に拘っているかが分かる。
それで2004年にバムベルクにコンクールに来て、生まれて初めて立派な交響楽団を聴いて、初めて近代的な音楽ホールを見て、そして楽譜だけでなくて何もかも最新の学術資料まで入手可能なのに感激して、ゲーテインスティテュートやDAADの奨学金を以ってドレスデンに四年間学ぶことになる。
参照:
Ganz unheimlich im Bauch, JAN BRACHMANN, FAZ vom 3.5.2021
歯を食いしばって耐える 2020-11-21 | 女
通信社のインタヴュー記事 2020-10-01 | 女
先ずは折からのバイロイト音楽祭に関しての情報がそこでの開幕指揮者のリニヴから漏らされる。先ずは、合唱の問題がどうなるか現時点では分かっていないこと。つまり放送などからすれば彼女が言及しているようにチューリッヒの「ボリスゴデュノフ」公演の様に中継で合唱団を繋ぐ方法が取られるのもまだ決定していないらしい。
本人自体は練習で振る機会が無いのでそれが一番問題だったが、幸運にもバロセロナで2017年に振っていたのが特に助かったという。独特の奈落に関しては二度そこに座った経験などからの勘でどれぐらい早めに指揮したらいいかが分かればと期待している。
他の新聞の伝えるところによるとバイロイトの管理側の考えとして収容人数を235人としてプロジェクトが進んでいるらしい。勿論60%を座席権収入に頼っているので、通常の6%強しか売り上げられないことになる。そして初日開幕の日程の都合から見切り発車的に開幕を決めたとされる。235人も換気装置の無い劇場で自然換気を使って、テスト陰性若しくは接種済みゆえに入場可能となる。そこに公衆衛生上の見地から大きな落とし穴がありそうで、無観客での開催が精々だろうと思われる。
さて、楽曲に関してのリニヴの解説は、現在も勉強中だとして減七のアコードと短三度の組み合わせと対比の先にトリスタン和音へと進む創作の萌芽を見ている。それが主題的にはリアルな登場人物と幽霊に対比する。その起源を辿ると「魔弾の射手」から「ドンジョヴァンニ」へと遡る独語芝居オペラとなる。
リニヴは木曜日の「大地の歌」の件において、プレコロナとポストコロナとあって、今後当分はマーラーなどの大編成曲は演奏出来なくなって、まるで夢みたいにプレの時が思われるだろうとしている。当初の予定通り同じ曲の室内楽編成が演奏される様である。
両親ともが音楽の教師であるが、指揮者などは自分自身のイメージには無くて、合唱指揮者になろうとしていた一方、既に14歳からウクライナの縦笛を吹いたりで、家族の音楽団でも活躍していたので、周りから進められるようになったという。それで地元のレムベルクで学生乍らオペラ劇場のプロムプターなどをやってからオデッサでアシスタントになったようだが、そこの指揮者の全く向上心も無く酒ばかり浴びているのを見て辞めたという。若い彼女の軽蔑したその眼差しが見えるようで面白い。
ウクライナではオペラと言ってもイタオペであって、ヴァークナなどは長くて受けないという事で、全くドイツものは学べなかったという。だから独学でその頃に図書館からロシア語訳まで取って来てLPで熱心に勉強した様だ。その中にティーレマン指揮録音が含まれていてもおかしくはないのだろう。そして如何にこの指揮者が言葉に拘っているかが分かる。
それで2004年にバムベルクにコンクールに来て、生まれて初めて立派な交響楽団を聴いて、初めて近代的な音楽ホールを見て、そして楽譜だけでなくて何もかも最新の学術資料まで入手可能なのに感激して、ゲーテインスティテュートやDAADの奨学金を以ってドレスデンに四年間学ぶことになる。
参照:
Ganz unheimlich im Bauch, JAN BRACHMANN, FAZ vom 3.5.2021
歯を食いしばって耐える 2020-11-21 | 女
通信社のインタヴュー記事 2020-10-01 | 女