ミュンヘンの夏のオペルンフェストシュピーレのティケットを予約した。配券されるかどうかは分からないが、現時点では可能性があると思っている。先ずは、ペンデルツキはそんなに人気がない。そして、音楽監督ユロウスキーへの評価もまだ定まらない。私自身も必ずしも名演が繰り広げられるとは期待していない。最初のショスタコーヴィッチ「鼻」の初日を体感した。しかしだからといって今回が重要だとは思わない。逆にまずまずの出来になるとは思っている。更に演出家も「死の街」で成功していたサイモン・ストーンなのでそれなりの話題性と期待もある。そこでこれにそんなに投資する人も少ないと思っている。お試し程度に出かける常連さんが殆どだと思うからだ。という事で、配券されなくても入券のチャンスは十分にあると思う。
日曜日のヤナーチェック「利口な女狐」初日の評が出てきた。先ずは、木曜日に急遽中継することになったバイエルン放送局、南ドイツ新聞などが、演出のその見栄えに反して冷たいと共通の見解をしていて、さらに音楽的には良かったとある。他の音楽業界雑誌も似通った評をしていて、更に放送の背景や稽古風景の音を聴く限り、公演前から想定していたような塩梅になっている。決して他の二回に比較して音楽的にも失敗はしていないのだが、それは歌手のお陰とされていて、指揮の成果よりも物足りなさの方に比重が移っている。
Trailer: DAS SCHLAUE FÜCHSLEIN
指揮者のティーラの音楽は知らないものの成果を出すのは難しいと予測していた。その杓子定規で「鋭角的で大雑把」なものではヤナーチェックのセンシティーヴな音楽は振れないと思っていたが、案の定そのように指摘されていて、暖かい音色で補っても弦に負担をかけたなど、いいたいことが音化出来ていなかったのは明らかだ。それでもメディア関連である放送局は初日の緊張から解かれればよくなるだろうとしている。しかし、指揮のそれはそうしたものではないだろう。
他の見知らぬ人の呟きも皆共通している感じがあって、キャリアを目指す指揮者としては万事休すだと思われる。ハイデルベルクの劇場でアシスタントをしてとバーミンガムの前任者のネルソンズにも似た経歴を歩んできたが、到底それに比較されるようなポストに就くのは不可能である。木曜日の音が流されても我々はもう聴こうと思わない、分かっているからである。またストリーミングで映像が流れれば、夏の予定はキャンセルとなるのだろう。ハイデルベルクの劇場で楽師さんと知り合ったというから、ドイツでポストが欲しいのだろうが、精々ラインとかそのレヴェルの所しかない。バーミンガムから都落ちである。
二つ目の新制作「ジュディッタ」を振ったエンゲルのインタビューがノイエズルヒャー新聞に載っている。エンゲルは故モルティエ―博士から最も学んだといい、音楽劇場の制作には準備期間前から指揮者と演出家がよく打ち合わせていなければならないと話す。記憶は薄れているが、彼と話していた当時は既に私はモルティエ―支援をしていたので、その後にベルリンに博士を呼んでワークショップを催していた様だった。(続く)
参照:
レハールの曲は詰まらない? 2021-12-21 | マスメディア批評
赤い風船が飛んでいく高み 2021-10-29 | 文化一般
日曜日のヤナーチェック「利口な女狐」初日の評が出てきた。先ずは、木曜日に急遽中継することになったバイエルン放送局、南ドイツ新聞などが、演出のその見栄えに反して冷たいと共通の見解をしていて、さらに音楽的には良かったとある。他の音楽業界雑誌も似通った評をしていて、更に放送の背景や稽古風景の音を聴く限り、公演前から想定していたような塩梅になっている。決して他の二回に比較して音楽的にも失敗はしていないのだが、それは歌手のお陰とされていて、指揮の成果よりも物足りなさの方に比重が移っている。
Trailer: DAS SCHLAUE FÜCHSLEIN
指揮者のティーラの音楽は知らないものの成果を出すのは難しいと予測していた。その杓子定規で「鋭角的で大雑把」なものではヤナーチェックのセンシティーヴな音楽は振れないと思っていたが、案の定そのように指摘されていて、暖かい音色で補っても弦に負担をかけたなど、いいたいことが音化出来ていなかったのは明らかだ。それでもメディア関連である放送局は初日の緊張から解かれればよくなるだろうとしている。しかし、指揮のそれはそうしたものではないだろう。
他の見知らぬ人の呟きも皆共通している感じがあって、キャリアを目指す指揮者としては万事休すだと思われる。ハイデルベルクの劇場でアシスタントをしてとバーミンガムの前任者のネルソンズにも似た経歴を歩んできたが、到底それに比較されるようなポストに就くのは不可能である。木曜日の音が流されても我々はもう聴こうと思わない、分かっているからである。またストリーミングで映像が流れれば、夏の予定はキャンセルとなるのだろう。ハイデルベルクの劇場で楽師さんと知り合ったというから、ドイツでポストが欲しいのだろうが、精々ラインとかそのレヴェルの所しかない。バーミンガムから都落ちである。
二つ目の新制作「ジュディッタ」を振ったエンゲルのインタビューがノイエズルヒャー新聞に載っている。エンゲルは故モルティエ―博士から最も学んだといい、音楽劇場の制作には準備期間前から指揮者と演出家がよく打ち合わせていなければならないと話す。記憶は薄れているが、彼と話していた当時は既に私はモルティエ―支援をしていたので、その後にベルリンに博士を呼んでワークショップを催していた様だった。(続く)
参照:
レハールの曲は詰まらない? 2021-12-21 | マスメディア批評
赤い風船が飛んでいく高み 2021-10-29 | 文化一般