ピカビア通信

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黒沢清 リアル 完全なる首長竜の日

2014年01月07日 | 映画

今朝はマイナス9.4度。寒いおす。

「許されざる者」に続いてまたまた日本映画を見た。黒沢清の「リアル 完全なる首長竜の日」という作品だ。自殺未遂で昏睡状態に陥った人気漫画家の恋人(綾瀬はるか)と、ある装置を使って意識レベルで交信し、その自殺の理由を知ろうとする青年(佐藤健)の話。黒沢清得意のホラー色が全編を覆っているが、怖さを前面に出してるわけではない。仮想現実と現実が入り乱れ、どちらが現実なのかと言う混乱を抱えながらの鑑賞に耐えられればこの映画は楽しめる。よくある、夢オチか?という懸念も上手いこと解消される。つまり話は冒頭の通りにそのまま進むわけではない。

唯、一般の評価を見るとあまり芳しくはない。普通のホラー映画のような分かり易さがないし、テンポはゆったりでどうも退屈するというのが多くの人の受け取り方のようだ。CGもいかにもCGといった安っぽさがあり(多分意図的)、映像的にはテレビのショボイ作品と似ているところがある。この部分はむしろ現実感がなく効果的と思ったが、そのまま安っぽいと受け取られるのも理解できる。例えば車の窓から流れる風景など、大昔の映画の合成と同じでもろ合成と分かるような映像となっている。

個人的には、佐藤健の7分丈のパンツがずっと気になった。何だか短足にしか見えなかったが、これは映画とは全く関係ない。全体では黒沢作品の中では上位に来るとは思わないが、充分に鑑賞に耐えられる作品であると思う。

 

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