テレビ番組で、有名画家(作者名は伏せている)の描いた絵とタレントの描いた絵を並べて(全部で四組)、どちらが高い絵か答えさせるコーナーがあった。有名画家と言っても、一般的に名の知れているのは四人中二人、セザンヌとピカソで、あと二人はバスキアとロスコという現代美術が好きであれば知っているという画家であった。見てて誰の作品かというのは全員分かったが、セザンヌに関しては自信度60パーセントといったところであった。唯、どれも十億円以上の値段で、そこまでの価値があるのかという思いは当然持った。芸術的価値と相場は比例するものではなくむしろ人気度の方が重要だし、芸術的価値も絶対的な基準があるわけでもないので、結果的に、値段は見る人の価値観と乖離するのである。