1月14日にも取り上げた話題だが,同様のテーマについてスイスからprospective studyが報告された.対象は203例の若年発症脳梗塞(16~45歳と定義;全患者1809例中の11%に相当する).脳梗塞の重症度はNIHSS,病型分類はBamford分類,予後評価はmodified Rankin Scaleを用いて評価した(良好;score 0-1;不良score 2-6と定義).
結果として,病型頻度はatherosclerotic large artery disease (4%),cardioembolism (24%),small vessel disease (9%),another determined etiology (30%),undetermined etiology (33%)であった.another determined etiologyの内訳としては,頚部動脈解離がその8割を占め,圧倒的に多い.あとはいずれも少数で,片頭痛に伴う梗塞,血小板増多症,Factor V Leiden欠損症,心カテ合併症,SLE,コカイン常用,Protein C欠損症,Fabry病,子癇と続く.また発症3ヵ月後の予後評価では良好68%,不良29%,死亡3%であった.平均26ヶ月の経過観察期間において15例に再発(うち2例は死亡)と6例のTIAが認められた.年再発率は3.0%で,TIAも含めると5.9%であった(この結果は高齢者の再発率よりは低い).予後不良(梗塞による死亡も含む)の予後因子としてはNIHSS score高値(p<0.0001),total anterior circulation stroke(p=0.011),DM(p=0.023)の3つが挙げられた.TIA発作の既往は再発と相関を認めた(p=0.02).結果的にはとくに驚くべきデータはないが,前回,取り上げたスペインの報告より研究デザインの上で優れている.また,TIAが脳梗塞再発の予測因子であることは常識ではあるが,45歳以下の若年発症脳梗塞においても当てはまることを示した最初の論文でもある.
JNNP 76; 191-195, 2005
結果として,病型頻度はatherosclerotic large artery disease (4%),cardioembolism (24%),small vessel disease (9%),another determined etiology (30%),undetermined etiology (33%)であった.another determined etiologyの内訳としては,頚部動脈解離がその8割を占め,圧倒的に多い.あとはいずれも少数で,片頭痛に伴う梗塞,血小板増多症,Factor V Leiden欠損症,心カテ合併症,SLE,コカイン常用,Protein C欠損症,Fabry病,子癇と続く.また発症3ヵ月後の予後評価では良好68%,不良29%,死亡3%であった.平均26ヶ月の経過観察期間において15例に再発(うち2例は死亡)と6例のTIAが認められた.年再発率は3.0%で,TIAも含めると5.9%であった(この結果は高齢者の再発率よりは低い).予後不良(梗塞による死亡も含む)の予後因子としてはNIHSS score高値(p<0.0001),total anterior circulation stroke(p=0.011),DM(p=0.023)の3つが挙げられた.TIA発作の既往は再発と相関を認めた(p=0.02).結果的にはとくに驚くべきデータはないが,前回,取り上げたスペインの報告より研究デザインの上で優れている.また,TIAが脳梗塞再発の予測因子であることは常識ではあるが,45歳以下の若年発症脳梗塞においても当てはまることを示した最初の論文でもある.
JNNP 76; 191-195, 2005
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