アンサンブル・ド・ミューズ ニュースレター

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若い人向けだとは思うけど…♪

2019-04-02 09:39:35 | Weblog
新しい元号は『令和』に決まりましたね。
発表の瞬間をTVで見ていたのですが、ふわぁっと柔らかく気持ちの中に入ってきました
優しい華やぎを感じられて、佳い元号だなと思います。
お昼過ぎ、いつもの書店に行ったら、岩波文庫のコーナーで万葉集を手にしている男性や、専門書のコーナーの万葉集を手に取っている男性がいました。
ま、それはさておき…。
ちょっと楽しい文庫本を買いました。
ジャンルでいうとファンタジーに分類されますね。
本来若い人向けの作品なんでしょう。
『ハケン飯友 僕と猫のおうちごはん』 椹野道流箸 集英社オレンジ文庫
少女マンガのようなイラストのカバーです。
年明け早々に失職した主人公坂井寛生の前に人語を話す猫が現れ、彼の目の前で人に化ける。
その猫が言うには、寛生が神社で
「一緒に飯が食える気の置けない友達が欲しいです」
とお願いしたから、神様に遣わされたのだと…。
で、毎晩この猫が人に化けてご飯を食べにくる、ってお話なんだけど…。
この猫、寛生とご飯を食べたり飲んだりしながら、時に寛生を慰めたり、時に適切なアドヴァイスをしたり、時にはその背中を押したりと、なかなかの相棒ぶりを発揮する。
やがて、ある高齢の女性との出会いをきっかけにして、寛生は1歩前に進むことが出来る。
そして猫のことを初めて出来た親友なんじゃないかと思い始める、と…。
この猫が面白いのよね。
人に化けたときは二十歳くらいの若者の姿なんだけど、その話し方が…
自分のことは“俺っち”、寛生のことは“旦那”、神社の御祭神のことは“神さん”と呼ぶ。
「……でございますよねぇ」「…でごさいましょ?」
と妙な所で馬鹿丁寧な言い方をするし。
「まさかお前、昭和うまれの化け猫じゃないだろうな
と寛生が問えば、
「俺っちは平成生まれのナウな若人でございますよ」
と今となっては死語といってもいい言葉で返す。
化け猫だな…
ともあれさらりと読めるお話ですけど、心に刺さるような深いものを包み込んでいます。
コメント
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