アンサンブル・ド・ミューズ バレエ

レッスンの事、日々の出来事などいろいろと…。

こんな忠臣蔵もあるのね…♪

2019-10-22 09:25:53 | Weblog
いきなりですが、私は“忠臣蔵”が好きです、ん~日本人だなぁと思ってます
行きつけの書店の文庫本新刊紹介の棚で、この1冊がやけに目をひいていた。
映画の宣伝を兼ねた特別なカバーがかけてあります。
よく見ると大石内蔵助に扮しているのは堤真一。
キャッチコピーは『こんな予算で討ち入りできるかって…
東京大学史料編纂所の山本博文教授が書かれた『「忠臣蔵」の決算書』を原作とした映画原作の小説です。

               

『決算!忠臣蔵』 中村義弘著 新潮文庫
テレビの時代劇や映画で数々の忠臣蔵ものがありましたよね。
もちろん歌舞伎でも“仮名手本忠臣蔵”とか“元禄忠臣蔵”などが上演されてます。
で、いずれの媒体であれ、大石以下登場人物たちの台詞は“武家言葉擬きの標準語”です。
しかぁし…、この小説では大石以下みな関西弁です…
そりゃぁね、江戸定府の家臣たちは江戸言葉だったかもしれないけど、地元は今でいう兵庫県赤穂市なわけだから、関西弁で当たり前よね。
小説の冒頭、内匠頭刃傷の知らせがもたらされたときの内蔵助のひとことが、
「なんでやねん」
ですもん
内匠頭の弟からの書状もある、と言うと
「先に出さんかい」
だしね
時代劇や映画、歌舞伎において大石内蔵助という人は、武士の鑑、知略にすぐれ胆力もある人物として描かれますが、この小説での大石は“ぼんくら”です。
大石の嫡男主税くんも、ちょっとアホちゃうか、って感じです。
若き日の七代目市川染五郎丈(現十代目松本幸四郎)と九代目松本幸四郎丈(現二代目松本白鸚)との美しい美しい大石親子を念頭において読むと、道を踏み外します
表面的にはちゃらんぽらんなコメディ色が強いですが、実は極めて真面目なお話なんですよ
城を明け渡すにあたっての財務整理とか、お家断絶以降の浪士たちの活動に伴う費用とかについて事細かに書かれているの。
山科と江戸の往復の旅費とか、江戸で家を借りるときの店賃とか、食費とか…etc.etc
いよいよ吉良上野介在宅の日時が判明、討ち入るにあたっての最終評定の場でもちゃんと算盤をはじいている人がいる。
こんな風に経済的な面から忠臣蔵に切り込んだ作品てなかったから、とにかく面白い
だいたい巻頭の目次からして、軍資金の残高だもの
ほかには、そうね…、時代劇では沈着冷静理知的なイメージで描かれる大高源吾がちゃら男に描かれてたり、美しい悲劇のヒロインであるはずの瑶泉院(内匠頭の正室)がなぁんかおばちゃんだったり…。
とにかく面白い。
11月下旬に映画が公開されるそうだけどね。
コメント
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