
■ 「魔女っ子メグちゃん」と聞くと熱くタギルものがある?! ■
夕食の時、何かのキッカケで、『てんとう虫の歌』の話題になりました。
このアニメ、ご存知の方は昭和40年代前半生まれでは無いかと思うのですが、
飛行機事故で両親を失った7人兄弟が健気に生きていくお話し。
7人兄弟の名前が、「月火水木金土日」の一週間にちなんでいて、
『いなかっぺ大将』の絵柄の家庭ドラマと言えば、思い当たる方も居るのでは。
家内は全然記憶に無いと言うので、関西圏では放映されていなかったのか?
それならネットで見てみようと、調べていたら、
思わぬ物に引っ掛かってしまいました。
「懐かしのアニメ主題歌」から流れて来たのは、
『魔女っ子メグちゃん』です。
やはり私と同年代の男性の方は、『魔女っ子メグちゃん』と聞くだけで、
熱くたぎる物を感じるかも知れません。
■ 「魔女っ子シリーズ」の進化はこの作品から始まった ■
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『魔法遣いサリー』に始まる東映の「魔女っ子シリーズ」第7作がの作品、
多分、「魔女っ子シリーズ」のターニングポイントとなった作品でしょう。
それまでの、「魔女っ子シリーズ」の主人公は幼児体形でした。
「サリーちゃんの足」に代表される、クビレの無い主人公が、
日常のゴタゴタを魔法で解決・・・というのが定番でした。
ところが、『魔女っ子メグちゃん』には、しっかりとクビレがあった・・・。
この作品の直前にヒットしたのは『キューティーハニー』。
東映のスタッフは「ハニー」を相当意識していた様で、
作画監督は「ハニー」と同じ、荒木 伸吾。
それまでの「女の子」をターゲットにした魔女っ子ものから、
「男の子」にも受ける、魔女っ子ものに路線を代えています。
主題歌からして、「二つの胸の、膨らみは、何でもでできる証拠なの・・」ですから。
そして、毎回、メグちゃんの下着シーンがあったりして、
当時小学生だった男子達は、キューティーハニーの明け透けなエロよりも、
メグちゃんの、同年代的なさり気ないエロに、明らかニシンパシーを覚えていた・・・。
■ 現代の「魔女っ子物」の要素が全て揃っていた ■
第一話がネットで見れるので、娘と見てみたら、
娘がヒックリしていた・・・・・。
「これって、『シュガシュガルン』と一緒じゃない!!」。
http://gyao.yahoo.co.jp/player/00722/v09389/v0981600000000541158/
そう、『魔女っ子メグちゃん』には、現代的は「魔女っ子物」の要素が既に揃っています。
1) ライバル・・・・魔女の女王争いのライバル
2) 魔女の国・・・・現世とは異なるシステムや倫理観の設定
3) 監視者・・・・・どちらが女王に相応しいか監視・報告する物が居る
4) かりそめの家族・地上の家族と偽りの家族関係を結ぶ
5) お色気・・・・・健康的なエロ
6) 陽気でドジな主人公・・・それまでの優等生的な魔女っ子からの脱却
7) クールなライバル・・・・ライバルは主人公と対称的なクールビューティー
■ 安野モヨコは、きっとファンだったのだろう ■

エヴァンゲリオンの庵野秀明監督の奥さんは、安野モヨコという売れっ子マンガ家です。
『働きマン』や『さくらん』など大人向けの作品も多いのですが、
『シュガシュガルーン』という、魔女っ子ものの傑作も描いています。
(娘が小さかった頃、一緒に見てましたが・・・と言い訳をしてみる・・)
バニラとチョコラという二人の女王候補が、
人間界で色々と修行をするというお話で、
教官兼保護の存在など、往年の魔女っ子ものを、
現代的なファンタジーにリメーク。そのセンスの良さが光ります。
きっと、安野モヨコは「メグちゃん」のファンだったに違いないと
勝手に想像してしまいます
アニメ版は「子供向け」的な絵柄ですが、
マンガ版(連載誌は「なかよし」)の絵柄は、ちょっとシビレます。
一言で言えば、贅沢な絵柄。ゴージャス。
子供向けマンガには勿体無い。
少女誌の連載だったので、お色気は控えめですが、
それ故に、女の子の夢を具現化した、魔女っ子物の正統的な到達点的作品です。
■ 永井豪作品や、往年の東映動画が懐かしい ■
何故、突然、『魔女っ子メグちゃん』を取り上げたかと言うと、
最近のアニメは、どうも元気が無い。
設定も緻密で、テクニックも優れていますが、
往年の永井豪作品の持っていたダイナミズムも無く、
東映動画の魔女っ子物に代表される様な、
健康的な明るさにも欠けている様に思えます。
(スマイル・プリキュアが面白いと、チラホラ聞きますが・・・)
「クール・ジャパン」とか、「ジャパニメーション」などと、
世界的な評価は高まっていますが、
業界自体としては、再生産による進化の袋小路に向っている感じが否めません。
そろそろ、子供向け作品の中から、次の時代を切り開く様な、
エネルギッシュな作品が生まれて欲しいと願う、中年アニメオタクの独り言でした。