■ 大変不謹慎ではありますが・・・ ■
大変不謹慎ではありますが、
googleの写真検索で「ローマ法王」で検索すると
最初に表示されるのが上の画像。
・・・スミマセン、仰け反って大笑いしてしまいました!!
他にも国内、国外問わず様々な同様な画像があり、
ベネディクト16世は、カトリック信者だけでなく、
ネットの世界でも人気絶大?であった事が実感されます・・・。
(人相で人は判断できませんが、思わずイジリたくなる気持は良く分かります・・・)
■ バチカンは単なる宗教団体では無い ■
多くの方が、今回のベネディクト16世の突然に退位に驚かれた事でしょう。
しかし、ネット世界では、バチカンの内紛が2年程前から囁かれています。
バチカンはカトリックの総本山として絶大な威信を誇っています。
日本人では、「政教分離」が建前となっているので、
バチカンも「宗教的象徴」と捉えている人がほとんどでしょう。
しかしバチカンの力は日本人が考えているよりもずっと巨大です。
全世界のカトリック信者の数は、12億人と言われています。
南欧や中南米など、カトリック信者が多い国では
当然、カトリックの政治的影響力も強くなります。
一方、カトリックを一般的な宗教団体と捉えると愕然とします。
例えば、信徒が12億人の創価学会を想像してみて下さい。
その資金力と影響力が小さく無い事は容易に想像出来ます。
キリスト教は、発生当時こそローマに迫害されましたが、
4世紀にコンスタンティヌス帝がローマの国教に採用して以来、
バチカンとヨーロッパの政治は切っても切れない関係でした。
現在では「政教分離」が当たり前になり、バチカンの影響力は低下しましたが、
人口中絶や避妊、同性愛を認めていないカトリックの教義は、
色々な国で政治的影を与えているとも言えます。
■ バチカンの資金力 ■
バチカンを宗教団体と捉えた場合、その資金力も絶大です。
信者達の寄進も、12億人集まれば巨大な金額になります。
そして、歴史的にもバチカンは巨額の富をため込んでいます。
近年、EUはバチカンの資金の不透明さを何度も問題にしてきました。
そして、今年の一月には、バチカンでのカードの使用が出来無くなりました。
「バチカンでカード使えず 資金洗浄対策不十分と停止 観光への悪影響懸念」
2013.01.04産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130104/erp13010411420000-n1.htm
バチカンの資金は不透明な処理も多く、
マネーロンダリングが横行していると目されています。
どうやら、EUは資金面からバチカンの影響力を削ごうとしている様に見えます。
■ 教皇の権力は絶大であり、それ故に選挙で各派が暗闘する? ■
バチカンの法皇選挙に絡む陰謀を描いた作品というと、
『ダヴィンチ・コード』のダン・ブラウンの作品
『天使と悪魔』が思い浮かびます。
教皇選挙を巡って、イルミナティーをも巻き込んだ巨大な陰謀が仕組まれるという内容です。
ローマ法皇は絶大な権力を掌握しています。
カトリック教会の中では、ローマ法王が誰になるかは大問題です。
ローマ法王の選挙は
「コンクラーベ」と呼ばれていますが、
「鍵の掛かった」という意味らしく、古来、教皇選挙は秘密主義が貫かれています。
現代では、枢機卿団が密室の選挙で法皇を選出します。
1回の投票で、必要票数が集まる確率は低く、
選挙は複数回行われ、その間、色々な駆け引きが繰り広げられる様です。
枢機卿団は外界から謝絶されている為、外部の干渉を受けないという前提になっています。
投票用紙は選挙後に焼却され、次の選挙が行われます。
選挙は数日間に及び、妥協と調整が繰り返されます。
そして、法皇が決まると煙突から白い煙が出て、
それを外部に知らせる仕組みとなっています。
こうまでして法皇選挙の秘密を守るのは、
法皇の選出が、かつては非常に政治的な意味を持っていた事によります。
■ 中世ヨーロッパの政治を支配したローマ法王 ■
惣領冬実のマンガ
『チェーザレ』は、中世ヨーロッパの諸国とローマ教皇の関係を知る上で最良のテキストです。
15世紀末のヨーロッパは、教皇は諸国の国王や有力者から選ばれていました。
西ローマ帝国崩壊後、バチカンの政治力は低下していましたが、
各地に直轄領を持ち、戦争となればカトリック勢力をまとめ上げる権力は
周辺諸国にとって無視出来ない存在と言えます。
各国は王族からバチカンに枢機卿を送り込み、
次期法王選挙に向けて暗闘を繰り広げました。
イタリアの都市国家、スペイン、フランク王国などがバチカンの影響下にありました。
「チェーザレ・ボルジア」はオスマントルコを国内から退け、
教皇をも輩出したスペインの大貴族ボルジア家当主、ロドリーゴ・ボルジアの次男です。
チェーザレ・ボルジアの肖像
チェーザレは自身も大司教・枢機卿という地位にありましたが、
ローマ法王と対立して、軍を率いてイタリアを蹂躙します。
以前、アメリカ人の友人が、今、どんなマンガを読んでいるのかと聞いてきたので、
「チェーザレ」という作品が面白いと答えたら、
「チェーザレとは、チェーザレ・ボルジアの事か?」と即座に聞かれました。
日本人には馴染みの無い「チェーザレ・ボルジア」ですが、
欧米人には、ローマ教会の威信を脅かした悪人として多くの人の知る所の様です。
この作品については、後日、改めて取り上げようと思っていますが、
惣領冬実の「チェーザレ」を読むと、
ヨーロッパの歴史と政治においてバチカンの影響がどれ程強かったかを実感します。
そして、その歴史は現代も生き続けているのかも知れません。
■ 我々は現代版、バチカン VS ヨロッパ諸国の戦いを見ているのかも知れない ■
バチカン銀行に対するEUの圧力を見ていると、
政治的影響力は低下したとは言え、
バチカンがヨーロッパの中にあって、独立した大勢力である事がうかがえます。
そして、その資金源を締め上げるEUの政策は、
ヨーロッパの資金の隠れ蓑としてバチカンが利用される事を防ぐ目的があるのかも知れません。
■ 高齢を理由に退位した法皇など居ない ■
ローマ法王の存命中の退位は、実に600年ぶりだと言います。
逆に言えば、ローマ法王は死ぬまでその位を手放さないのが普通なのです。
ローマ法王の権力の下には、多くの勢力が存在します。
法皇が在位している限り、彼らはその恩恵にあずかるのです。
今回の法皇の退位は、単なる高齢が理由では無く、
バチカンの中で、ベネディクト16世派が失脚した事を暗に示唆します。
その理由は、教会にはびこる性的スキャンダルなどでは無く、
ヨロッパと世界の大きな動きに対応したものでは無いかと私は妄想します。
かねてから、イルミナティー情報として、
バチカンの中から多くの逮捕者が出ているなどとの噂が広がっていました。
この情報を頭から信じる事は出来ませんが、
バチカンで何か内紛が起きている可能性は否定できません。
(内紛など、中世の昔から日常茶飯事ですが)
ローマ法王退位のニュースは、陰謀論者の好奇心を刺激して止みません。