人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

読書の悦楽・・・アニメでは見たくない『新世界より』

2012-10-25 17:08:00 | 
 



■ 久し振りに寝食を忘れて読みふけってしまった ■

今期アニメの話題作である「新世界より」。

のんびりしたペースでスタートしましたが、
4話目にて、話は急展開を見せます。
平和で牧歌的な社会の裏に潜む、
恐ろしい歴史が明らかになったのです。

イヤー、ビックリです。
マッタリ系オタクアニメだと思っていた作品は、
実はメチャクチャなハードSFでした。

ところでこの「新世界より」が、何と本棚に揃っていました。
私のアニメトーク仲間の、知り合いの事務所の子が、
以前、小説を沢山貸してくれました。
その中の三冊(三巻)だったのです。

アニメの次週が待ち切れずに読み始めたら、これが面白い。
久し振りに、寝食忘れて読みふけてしまいました。

ほぼ3日で読破。
遅読の私としては、異例のスピードです。
それ程までに「新世界より」は素晴らしい小説でした。

■ 純和風SF ■

SFというジャンルは本来アメリカの文化です。
ですから、日本の多くのSF作家達は、海外のSF作品に影響を受けています。

科学というジャンル自体が西洋文明に由来するので、
SF小説は、自然と「バタ臭い」ジャンルとなります。

一方で、日本の作家達は「和風SF」を模索し続けてきました。
夢枕獏の「上限の月を食べる獅子」などは、
多少SFというジャンルから逸脱している感じはしますが、
東洋思想とSFの融合を試みた野心作です。

しかし、その源流を辿れば、「光に王」のロジャー・ゼラズニーあたりの
ニューウェイブの作家に行き当たる感じが否めません。

「新世界より」は霞ヶ浦周辺の水郷の町や、その周辺の情景が、
情緒豊に描かれています。

たなびく稲穂、山に沈む夕日。様々な小動物。
これらの、どこか郷愁を誘う、純日本的な情景の中で、
物語はゆったりと始まります。

それは、今までのどのSF小説でも味わった事の無い、
「純和風SF]という趣きを呈しています。

「呪力」という超能力で科学技術の代替をさせる事で科学文明が衰退した社会。
そんな社会設定とする事で、西洋文明の象徴とも言える「科学」を封印した事が、
この小説を、「純和風SF」として成立させているとも言えます。

■ 動物行動学、社会心理学の壮大な実権 ■

内容を書くと読む喜びが無くなってしまうので、
今回は一切ネタバレ無しにチャレンジしてみます。


このSFをジャンル訳するならば、
「動物行動学と社会心理学SF」という分野にあたるでしょう。

作者の貴志祐介は、中学生でも分かるような書き方で、
しかも、動物行動学と社会心理学の壮大な実権を、この作品の中で繰り広げています。

■ 生物学SFとして、ジェームス・デユプトリーJrに近い肌合いを感じる ■

これらのSFの先駆けとして思い浮かぶのは、
ジェームズ・ヂュプトリーJrの「汝が半数染色体の心」

御者座星系の惑星エスザア。
ここには,エスザアンというヒューマノイド種と,
フレニと呼ばれる奥地遊牧民族住んでいます。

エスザアンは地球人と似た姿をしており、文化的に暮らしています。
フレニはエスザアンに比べ小さく醜く、
狭い地域で、虐げられて生活しています。

人類認定調査の認定官イアンは、
この二つの種族の調査を開始します。
そして、彼は驚愕の事実を知るのです。

実は、エスザアンの遺伝子はフレニの半数だったのです。
エスザアンはフレニの生殖体でしか無く、
実は種として完全なのはフレニだったのです。

エスザアンは生殖の結果フレニを生み出します。
この関係において、エスザアンの男女は雄しべと雌しべの役割を担っていたのです。

ジェームス・デュプトリーJrは、当時最先端だった遺伝学を
SFの世界に見事に導入してみせます。

この同様の驚きを「新世界より」は与えてくれます。

人間の生物としての「行動原理」。
バケネズミという人間の作り出した知的動物の動物としての「行動原理」。
そして、異なる種や、異なるコロニーと相対した時、
動物が選択する行動・・・。

これらの丁寧な思考実験が、この小説の中では繰り返されてゆきます。

■ 社心理学の壮大な実権は、アーシュラ・K・ルグィウンを想起させる ■

一方で、「呪力」という人間の手に余る力を手に入れた人類はどうなるのか。
作者は社会心理学的視点から、1000年という架空の歴史を編み出しながら、
絶対的暴力と社会がどう関わっていくのかをシミュレートします。

「呪力」は時に人々の対立と戦争の原因を生み、
あるいは、「支配と被支配」という関係を生み、
さらには「独裁」を支える力となり、
さらには「独裁」を破滅させる力となります。

そして、人類が「呪力」という「絶対暴力」と折り合う為に作り出した社会は、
やがて、ほんの小さな綻びから、破綻してゆきます。

「恐怖」と人はどう関わるのか。
「力」を持った人は、それをどう使うのか?
一人の個人が社会全体を破壊する程の力を持つ社会はどう維持されるべきなのか。

作者の考察は興味が付きません。

小説を使って、社会をシミュレートする手法は、近代小説のお家芸とも言えます。
SFの流れでは、ジョージ・オーウェルの「1984」や「動物農場」が、
社会主義や、管理社会と個人の関係を、鋭く考察しています。

一方、圧倒的平等主義や男女のジェンダー的な視点は、
アーシュラ・K・ルグインの追求したテーマです。

「新世界より」の町の社会システムや、男女の関係は、
多分にルグインの描く世界とオーバーラップします。

子供達を町の財産とし育てる様は「所有せざる人々」の様ですし、
ジェンダーの垣根を曖昧にした男女関係は「闇の左手」などにも通じるものがあります。
主人公の少年少女が雪山を越えるシーンは、まさに「闇の左手」を彷彿とさせます。

「新世界より」は、アメリカのニューウェーブイSFの
2大女性作家の影響を強く感じる作品です。

■ エンタテーメントとしての魅力にも溢れている ■

さらに、未知の生物の戦闘シーンは想像力に溢れており、
おもわず手に汗を握ります。

ミステリー的な構成もしっかりしていて、
読み出したら最後、本を置く事も出来ず、
寝食を忘れ、電車を乗り過ごしてしまう程です。

■ アニメで見てしまったり、漫画で読んでは「不幸」 ■

「新世界より」は今期アニメになっています。
さらに漫画化もされている様です。

しかし、それらのビジュアルは、何か違和感を感じます。

ライトノベルは書かれた時に作者の脳内には、アニメのビジアルが展開しています。

しかし、「新世界より」の文章からは、アニメ的なビジュアルは感じません。
むしろ、アニメ的なビジュアルでは、「暴力」がソフトになりすぎて、
この小説の持つテーマが薄らいでしまします。

この作品を、アニメで見始めた方は、もし興味を持ったならば、
是非、小説を先に読んでいただきたいと思います。

漫画で読んでしまって、エッチなシーンでブヒブヒしてしまった方は・・・
残念ながら、もう手遅れかも知れません。

2008年、第29回日本SF大賞のほかに、いくつもの賞を取ったこの小説は、
SF小説とライトノベルの「差」について、深く考えさせるものがあります。

どちらが優れているという話では無く、
ライトノベルの作者達の自由な発想が、今後目指す点として、
「新世界より」は、明らかな到達点であるとも言えます。

この作品、英語で執筆されていれば、
欧米でも充分にヒットする作品だと思います。

村上春樹だけが日本の作家ではありません。
現代小説の抜け殻に様なファッション小説を読むよりは、
ガッツリとしたSF小説の方が、若者には有益ではないか・・・
ふと、そんな事まで考えてしまいました。


■ 読書の悦楽 ■


「文字」情報から、風景や地形、そして異形の生物達を想像し、
「呪力」による効果を空想する。
そこには、映像としての制約も無く、イマジネーションは無限に広がります。
これこそが「読書の悦楽」です。

最近の子供は本を読まなくなったのは、
「文字→イメージ」の変換能力が未発達だとも言えます。

ある意味、アニメや漫画の浸透が、想像力を衰退させているとも言えますが、
一方でラノベを多くの子供達が支持するなど、
アニメ的なイメージの想像力はむしろ向上しているとも言えます。

「読書の悦楽」は私達の世代とは違う形で、継承されているのかも知れません。

40代、30代は「ラノベ→アニメ変換」と「小説能→実写変換」の
両方の能力を持った世代なのかも知れません。




<追記>

アニメ版は5話で完全にアニメの限界を露呈しました。
脚本が説明不足という点を無視しても、
やはり、「死」を克明に描写しなければ、この作品のテーマが伝わりません。

4話までは、比較的丁寧に描かれていただけに、
物語が動き出し、面白くなるはずだった5話の出来に不満が残ります。
私的には、原作を読んだので、アニメ版はもういいかな・・・。










金利はリスク・・・年末に向けてイベントが目白押し

2012-10-25 03:49:00 | 時事/金融危機
 

■ デフレの時代はお金の価値が増える ■

超低金利時代が長く続く中、皆さんは資産運用で頭を痛めていることでしょう。
定期預金に預けてもほとんど金利は付かない状態です。

しかし、デフレの時代は物価が下落するので
実は、金利がゼロでも、実質的にお金の価値が増えています。
例えば、150円で買っていたジュースが、140円になれば
お金の価値は7.7%も増えた事になります。

ですから、銀行預金は増えていない様に見えて
実は増えているのと同じなのです。

■ 「金利=リスク」である ■

資産を運用するならば、少しでも金利が高い方が儲かります。
しかし「金利=リスク」である事に注意が必要です。
金利1%よりも、金利2%は2倍リスクが高いのです。

リーマンショック以前ならば、リスクは潜在的でした。

世界で最も安全と言われる米国債の金利が5%程度(10年物)でしたから、
各国国債で構成されるファンドなどでは、ある程度安定して利益が出ていました。

ところが、リーマンショックで世界の株価や債券価格は暴落します。



上のグラフはゴールドマンサックスの「毎月分配債券ファンド」の価格です。
このファンドは、各国国債、社債、MBSをそれぞれ1/3ずつブレンドしていました。
赤いグラフがファンドの価格を表します。

このファンドはリーマンショックでの損失が比較的少なかったファンドですが、
それでもリーマンショック時に20%も価格が下落し、
その後ダラダラと基準価格が低下しています。

これは、リーマンショック以降、債券市場が利益の出ない市場になっている事を示します。

■ 「毎月分配型」という詐欺商品 ■

ここで注意をしたいのが、日本の老人に人気のある「毎月分配型ファンド」。

「毎分分配型」というのは、毎月定額の分配金が配当されるという事。
これを、「毎月利益が出ている」と多くの方が勘違いしています。


分配金の実績を見てみると、リーマンショック後もそれ以前と同額です。
債券市場が暴落しているのに、分配金は同じだけ払われる・・・・。
これは、単に預けたお金を、分配金として切り崩しているだけの事です。

■ 単に長期国債を買った方が確実に儲かる ■

多くの債券ファンドには、損をする理由があります。
それは、毎月運用実績を報告する義務がある事に起因します。

上のグラフの赤い線は分配金を再投資した時の価格を仮に算定したものです。
この様に、各ファンドは運用実績を毎月集計して公表しています。

仮に、あるファンドが10年物の米国債だけで運用していたとします。
そうすると、ファンドの実績は10年物の米国債金利とほぼ一致します。
それでは10年物の米国債金利が下落する時には、
ファンドの運用実績も下がってしまいます。

そこで、色々な国の国債や、償還期限の異なる国債を売買して、
なるべく、安定した金利を確保する様にファンドマネージャーが運用します。

この運用にはコストが発生します。
これは、ファンドの管理コストとして利益から差し引かれます。

され10年物の国債を単純に購入した場合と、
ファンドマネージャがコストを掛けて10年間場合で、
結果的に金利が等しくなった場合、どちらが得をするでしょうか?
それは、管理コストの少なかった10年物の国債という事になります。

多くのファンドが、単純に月々の運用実績を良く見せる為に
結果的に無駄なコストを掛けているだけなのです。
これは、ファンドの投資者の「損失」となります。

■ 「毎月分配型」という罠 ■

さらに「毎月分配型」という罠が仕掛けられています。

本来、投資するならば、利益を再投資する事で儲けは拡大します。

しかし、「毎月分配型」では分配金を毎月分配してしまうので、
運用資金は効率的には増えません。
それどころか、運用実績が悪化すれば元本を切り崩して分配金が支払われます。

これは投資としては最も効率の悪い方法です。

■ 円高で為替差損まで発生する ■

さらに「ドル建て」の債券の場合、円高で為替差損が発生します。
1ドル120円の時代に預けたファンドは、
1ドル80円になれば、既に30%を超える損失を発生させています。

将来的に日本の財政が破綻して円安になれば、
為替差益を出す事もありますが、
逆にドルが1ドル70円を切る可能性もそれ以上に高いと言えます。

■ 普通預金で運用したほうが余程儲かる ■

結局、「毎月分配型ファンド」などで運用せずに、
単純に国内の銀行の「普通預金」に入れておいて、
毎月そこから分配金に相当する金額を引き出した方が余程損失が少ないのです。

これがリーマンショック以前の、債券金利が右肩上がりに増える時代は、
債券ファンドもある程度の利益が出ていました。(効率は悪いですが)
しかし、リーマンショック以降は、利益を出す事は難しくなっています。

その証拠に、前出のファンドのポートフォーリオは、
この半年以上、ほとんど変化していません。
これは、ファンドが所有する債権が「塩漬け」状態になっている事を意味します。

細かく運用して経費を掛けても利益が上がらないので、
何もしないで、ただ放っておかれているのです。
しかし、ファンドの運用資金はしっかり引かれます。

■ ファンドの損失が隠されているかも知れない? ■

先ごろ、年金基金の運用会社が損失を隠していた事が問題になっています。

では、一般のファンドの運用内容はどうなのでしょうか?
前出のファンドは、平均格付けAAとなっています。
ところが、実際にはA以下の債券が1/3程度含まれています。

格付け会社がいい加減に都合の良い格付けをしている事は公然の事実ですが、
これらのA以下の債券は、実際にいつ破綻してもおかしく無い債権です。

様は、金融危機が発生すれば確実に資産の1/3が吹っ飛びます。

上のグラフの青線は「分配金こ込み基準価格」と呼ばれています。
基準価格 + 今まで支払われた分配金の合計 です。

銀行は顧客にこのグラフを見せて、
「お客様の資産は、分配金を含めれば損をしていません。安心して下さい。」と言います。
しかし、損失を隠していたり、れから損失が発生する分を考慮すれば、
既にに損をしていると考える方が妥当です。

・・・これってほとんど「詐欺」と同様です。
現在、日本の多くの老人達が、銀行の窓口に薦められるままに、
この様な「詐欺金融商品」を買わされています。

■ 銀行の窓口の進める商品って? ■

「毎月分配型ファンド」を例に取って説明してきましが、
銀行の窓口の薦める「儲かりますよ」商品は、
どれも似たり寄ったりの状況です。

「儲かる」のは金融機関であって、顧客では無いのです。

同様の事は証券会社にも言える事です。
大口の顧客意外は「カモがネギを背負ってやって来た」程度にしか思われていません。

■ 世界経済は今年末に掛けて不安定化する ■

アメリカの株価が連日200ドルを超える下落を続けています。
QE3の発表で、本来値上がりするハズなのに・・・。
これは、アメリカの実体経済の指標が悪化している事を反映しています。

ユーロ危機や、東アジア情勢に緊迫とその経済的悪影響、
シリアを中心とした中東情勢の急激な悪化など、
年末にかけて、世界は不安定化してゆきます。
当然、経済指標も悪化すると予想されます。

結果的に金利は上昇しますが、同時にリスクの上昇します。

■ アメリカの大統領戦の模様眺めで小康状態 ■

アメリカでは年末に、「財政の壁」が訪れます。
これは、米国債の上限を拡大する際にアメリカの議会が決定した条件です。

「財政縮小の為にブッシュ減税を終了する」などの項目が含まれており、
アメリカ議会が、年末までにこの発動を止めなければ、
アメリカは「増税」と「財政縮小」が始まり、経済の悪化が確実です。

11月末の大統領選挙あでは、アメリカの政治は麻痺しており、
大統領戦の後の1ヶ月で、民主党が共和党から「財政の壁」を取り除く
合意が得られなければ、アメリカ経済は不況に突入すると言われています。

■ クリスマスはイスラム圏には無い ■

もう一つ恐いのは、イスラム圏にはクリスマスが無い事です。

キリスト教圏は感謝祭からクリスマスまで休暇シーズンです。
この時期、危機に対する対応が出来ません。

しかし、中東の諸国はそんな事は意に介しません。
むしろ、過去にイスラエル周辺の小競り合いは、
このシーズンに発生したりしています。

年末に掛けて、慎重にならざるを得ない状況が続くのでしょう。

オヤジの為のオタク講座・・・アニメ音楽今昔

2012-10-24 04:08:00 | 音楽
 



■ カール・スターリングという天才 ■

世界に著名な作曲家はあまたあれど、
これ程、過小評価されている作曲家は珍しいのではないでしょうか?

彼の名は、カール・スターリング。

ワーナーでバックス・バーニーなどの音楽を作曲していた人と言えば、
何となく、彼の音楽をイメージできるかと思います。

冒頭は、ディズニーの「骸骨の踊り」という短編映画。
シーンやキャラクターの動きに合わせて、
次々と音楽が変化してゆきます。

その表情のバラエティーといいい、
視覚を音楽で表現するセンスといい、
カール・スターリングは天才的才能の持ち主ですが、
決して音楽の教科書には出てきません。


■ バーバンクサウンドとして花開いた、アメリカの映像音楽 ■

このジャンルの音楽を語る時に忘れてはいけないのが「バーバンクサウンド」

ハリウッドの近くにバーバンクという街がありますが、
ここはハリウッド絡みの録音スタジオが集まる街として有名です。
ワーナーのスタジオなどもここに有ります。

当然、映像音楽に携わる人達が集まっています。
彼らは、ミュージシャンとしても活動していますから、
自然と、この街特融の音楽が生まれてきます。

ワーナー・ブラザーズのプロデュサーであったレニー・ワーロンカを中心に、
映画音楽独特の華やかで、多彩な展開を見せる音楽に、
アメリカ独特の牧歌的な雰囲気をあわせ持った、独特のサウンドが花開いてゆきます。
1960年代後半からの出来事です。

これを「バーバンクサウンド」と呼んでいます。
代表的なミュージシャンはヴァン・ダイク・パークス、
ランディー・ニューマンや、ライ・クーダ。

これに、ドゥービー・ブラザーズや、
ビーチ・ボーイズの「スマイル」を加えても好いでしょう。

特に、ヴァン・ダイク・パークスはハリウッドの映画音楽の作曲家だった事から、
映像音楽独特の、様々なテキストが表れては消える、
めくるめく様なサウンドを作りだします。

彼の代表作、「ソング・サイクル」(1968)はバーバンクサウンドの金字塔であると同時に、
カール・スターリングに始まる、ハリウッド音楽の傑作とも言えます。

アメリカのルーツを巡る音楽絵巻といった感じでしょうか。



いやはや、今聞いても刺激的。
彼は細野晴臣とも親交が深く、ハッピーエンドの曲をプロデュースしています。


■ 21世紀最大の作曲家、ジョン・ゾーンに多大な影響を与えた ■

カール・スターリングの音楽スタイルは映像音楽の基本スタイルを築いたと言えますが、
最先端のトンガリ音楽家の中から、彼を再評価する動きが現れます。

過激な演奏で知られるNYアンダーグランド・シーン。
その中心人物のサックス奏者、ジョン・ゾーンは、
現代アメリカを代表する、現代音楽の作曲家でもあります。

彼の作曲スタイルは、ファイル・カード・ミュージックや
ゲームセオリー・ミュージックなど、
一種の「自律的なシステム」が音楽を作曲する方法論を採用します。

ジャンルの異なる曲をファイルカードに短いパートに分割して書き込み、
全てをシャッフルして、出てきた順序で演奏する「ファイルカード・ミュージック」は、
カール。スターリングの影響で編み出されたと言われています。

確か、ジョン・ゾーンの大学の卒論は、
カール・スターリング研究であったと記憶しています。

さて、それでは21世紀のアメリカで、
カール・スターリングの作曲理論はどの様に進化したかを聞いてみましょう。

[[youtube:lkT3ZRw-apo]]

ジョン・ジョーン率いる「ネイキッド・シティー」のデビューアルバムの中の
「N.Y. Flat Top Box」とい曲ですが、
46秒の間に様々な曲の断片が、脈絡なく出現し、
ファイル・カード・ミュージックの特徴を良く表しています。

ピンクパンサーでお馴染みに「A Shot In The Dark」も
ジョン・ゾーンの手に掛かるとこの通り。

[[youtube:5qpPYfJ-o3U]]


■ 現代日本のアニメシーンに受け継がれたカール・スターリングの精神 ■

カール・スターリングの音楽手法は、
現代日本のアニメ音楽シーンに濃厚に息づいています。



「モモイロクローバーZ」をポストAKB48に押し上げた名曲
「猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」」です。

たった1分30秒の間に、これでもかという程のアイデアが詰め込まれています。
これ、バックのコーラスパートが贅沢なんですよね。
全曲バージョンは、途中にラップあり、荘厳な間奏ありと、
さら様々な変化を見せます。

この曲を作曲したのは、沖縄出身の前山田健一
1980年生まれですから32歳という若者。

彼自身、ヒャダインという名義で音楽活動をしていますが、
その音楽は、まさにオモチャ箱をヒックリ返した様。





やあ、芸達者ですね。


■ 展開の速さでは、「けいおん」のTom-H@ckも負けてはいない ■

[[youtube:bkPyp-piyrc]]

展開速さでは「けいおん」のオープニングも負けてはいません。
こちらはTom-H@ckという人の曲です。
こちらは1985年生まれ。

転調しまくり。
これも現代のアニソンの特徴ですね。

■ 音楽の「ライトノベル」化 ■

現代のアニソン作曲家達に共通しているのは、
バンドで演奏する事を、初めから念頭に置いていない事。

PC上で一人で作曲して、
どんどん複雑なリズムとか、コード進行を追及して、
「こんなの出来ちゃいました!」って乗りでニコ動にアップ。

そのうちファンが沢山付いてきて、
レコード会社からお呼びが掛かって、
アニソンデビュー・・・・みたいなノリ。

これって、携帯小説やライトノベルに非常に似ていて、
経験や完成度よりも、アイデアや鮮度が重要視されています。

■ アイドル戦国時代のアイドルに求められる「目新しさ」 ■

アニメの大半は使い捨てですから、
少しでも新しくて、目立つ楽曲が絶えず求められています。

同様の需要を持つのが、アイドル業界。

ですから前山田健一の楽曲で、モモイロクローバーZは
AKB48との差別化を図っています。
(AKBにも曲を提供していますが)

その「目新しさ」の源流を遡ると
アニメ映画創世記の、カールスターリングに行き着く。

コジツケ以外の何物でも有りませんが
会社の女の子と、モモクロの会話をする時に、お役に立てば・・・。

あれ、モモクロをご存知無い?

こんなアイドルです。
昭和フレーバーを振り掛けて、オヤジ世代の支持も高いです。

[[youtube:-72Lje6nwg0]]

この曲は「相対性理論」のやくしまるえつこが作詞作曲。
話題作りにも、ぬかりはありません。

ちなみに「相対性理論」とは、こんなバンド。

「量子力学的歌詞世界・・・相対性理論」(2011.06.02 人力でGO)
http://green.ap.teacup.com/pekepon/458.html


変化する親米・・・気付いたらご主人様が変わっていた?

2012-10-23 15:55:00 | 時事/金融危機
 

■ ロックフェラー王国の衰退 ■

最近、自民党や小沢一郎の記事を書いていて、
私自身混乱する事があります。

例えば、旧自民党の中にも「親米」と「親アジア」の勢力があり、
現在の民主党やそこから分かれた人達にも、「親米」と「新アジア」の勢力が居る。

この「親米」と「新アジア」を見誤ると、
今後の東アジア情勢を見誤る恐れがあります。

■ アジアの旧支配者のロスチャイルドと、新参者のロックフェラー ■

何でもかんでも「ロスチャイルド VS ロックフェラ」にするのは問題があります。

しかし、アジアに関してはロスチャイルドが開拓し、
第二次世界大戦以後、ロックフェラーがその支配権を奪ったと考えられます。

ですから「親米」が、ロックフェラー陣営とロスチャ陣営に分かれる様に、
「親アジア」も、両者の対立が存在していると考えられます。

■ ロスチャイルドの支配から共産主義国家へ ■

アメリカはのロックフェラー支配は第二次世界大戦後に顕著になります。
太平洋戦争は、アジアからロスチャルドを追い出す戦争だったとも言えます。

第二次世界大戦前、ロスチャイルドはソ連と中国を共産主義化し、
それを、アジア地域に広げていこうと試みます。

旧日本軍は、アジアで中ソと戦っていたというよりは、
共産主義の侵食と戦っていたと言う事が出来ます。

ところが、日露戦争までは日本はロシアの共産主義革命を支援しています。
それは、敵国ロシアの国内混乱を煽るという目的があったのですが、
日露戦争の戦費を支援しあのはアメリカのシフ商会(リーマンブラザーズ)です。
シフ商会とロスチャイルドの関係は深く、
ロスチャイルド勃興の地であるフランクフルでは同じ屋敷に住んでいた仲だと言われています。

ところが、満州建国以降は、満州を脅かしたのは、
ソ連の共産党勢力や、中国の共産主義者達です。

この点だけ見ると日本軍はアジアで共産主義と戦っている様に見えます。
しかし、歴史を結果から眺めると、
日本軍の侵攻は、アジアの旧支配権を崩壊させ、
その後に共産主義国家が建国される下地を作っています。

日本軍はアジア諸国をロスチャイルドの植民地支配から開放し、
さらには、中国では軍閥などの諸勢力を駆逐します。
そして、日本軍が敗退した後で、多くの国が社会主義国家を建国します。

教科書では、植民地支配からの開放と書かれている一連の変化は、
ロスチャイルドによる共産主知を利用した国家の改造と考える事も出来ます。

アメリカも太平洋戦争を通して、歴史的大役を担っていたのかも知れません。
当時のアメリカの政府や軍の中枢部に、
多くの共産種知者達が浸透していたと指摘されています。

日本の軍部にも共産党主義者は浸透しており、
彼らが筋書きを書いたのが、太平洋戦争だったのかも知れません。

第二次世界大戦後、アメリカ軍はマッカーサーに日本の統治を任せます。
しかし、マッカサーが日本で行った政策の多くは、
マイルドな社会主義的な改革でした。

■ アメリカ国内でロックフェラーが台頭 ■

この頃、米国内ではロックフェラーが台頭します。
国務省とCIAを支配したロックフェラーは、
アメリカ国内から共産主義者達を駆逐します。
いわゆる「赤狩り」と言われる運動です。

これと呼応するかの如く、マッカーサーが失脚し、
入れ替わりに国務省とCIAの人脈が、日本の統治を始めます。
この流れが、現在まで続いています。

■ 親米と親アジア ■

戦後自民党はアメリカを後ろ盾として安定政権を築きます。
自民党政権は「親米政権」であったと言えます。

この時代の「親米」=「親ロックフェラー」であったと言えます。

この構造が変化するのは、多分「小泉時代」からだと思います。

小泉純一郎はブッシュJrとマブダチだった事から
小泉純一郎はロックフェラー派だと思われています。

しかし、小泉純一郎の改革は、金融に関する事柄が多く、
これは、この時期アメリカで台頭していた「米金融屋=ロスチャ勢力」の要望を
小泉氏が実行して行ったに過ぎません。

ロックフェラーもこの時期、金融で大きな利益を出していましたから、
ロックフェラーとロスチャイルドが足並みを揃えていたとも言えます。

小泉氏は、若い頃から大蔵族の議員でした。
日本の金融を支配する大蔵省や日銀は、
伝統的にロスチャイルドの影響が大きいと思われます。

小泉改革とは、日本の利権の組み換えだったのかも知れません。
これは、アメリカ国内での勢力争いの変化に呼応したものだったと思われます。

■ 共産主義者や在日勢力を利用するロスチャイルド? ■

戦後、ロックフェラーの日本の利権を代表するのが自民党であたらば、
社会党や共産党は、ロスチャイルド勢力であったと見る事が出来ます。

これらの勢力は中国や北朝鮮、ソビエトとの関係を保ちながら、
日本とアジアのパイプを保つ役割を担っていたのでしょう。

朝日新聞はこちらの勢力です。

彼らは在日勢力とも関係が深い事から、
ロスチャイルドは、ロックフェラーの日本支配のカンター勢力として
在日韓国朝鮮人を利用したのでは無いかと私は考えています。

自民党の大物政治家達は、戦後日本の復興の為に、
ロックフェラーと手を結びます。
これを日本人の主流派とするならば、
これに対抗する勢力が国内に必要です。

共産主義者達は、「反帝国主義」というイデオロギーから、
日本人主流派に対立して行きます。
しかし、共産主義の衰退と共に、この勢力も国民の支持を失ってゆきます。

これに変わる勢力として、ロスチャイルドは在日の勢力を利用したのでは無いか?
日本人主流派に対抗する為に、在日というカウンター勢力を、
マスコミや、政治の中枢部に徐々に浸透させていったのでは無いか?

敵を監視するのには、敵対勢力を利用するのが一番です。

■ マスコミの韓流ブームは洗脳に近い ■

アメリカでは「赤狩り」の後、共産主義者達はマスコミ業界に身を潜めます。
あるいは、ハリウッドが彼らの受け皿となります。

同様に日本においては、最初にマスコミが共産主義の洗脳を行いました。
しかし、共産主義の衰退と共に、この役割は先細りになります。
日本は近年、右傾化したと言われますが、
世界的に見てマスコミが異常に左巻きだっただけの事で、
近年の右傾化は、国民世論の正常化と捉える事が可能です。

近年マスコミが国民に盛んにプロパガンダしたのは「韓国」です。
韓流ドラマやK-Popsスターらがブラウン管を独占します。

この洗脳効果は強烈で、先日も地元の知り合いの主婦の方2人と話したら、
竹島問題で日韓関係が険悪になっている状況でも、
熱く韓流スターと韓ドラマについて語られてしまいました。

昼間、家で韓流ドラマばかり見ていたら、
洗脳されない方が不思議なくらいです。

問題は、何故、マスコミはこんなにも「韓国押し」なのかです。
この明らかに異常な「韓流ブーム」の裏側には、絶対に大きな戦略が隠れています。

■ 共産主義活動から在日勢力が浸透したマスコミ ■

マスコミ業界は、在日の方が多くいらっしゃるというウワサです。
広告業界も似たようなウワサを耳にします。

では、何故、在日の人達がマスコミに多いのか?
これは私のあくまでも推測ですが、
在日の方達に、社会主義活動家の方達が多かったのでは無いかと推測されます。

社会の弱者であった在日に方達は、社会の弱者を救うという社会主義に共感したはずです。
当然、学生運動などを熱烈に支持する事になり、
卒業するに当り、マジメな企業から敬遠されます。

その頃、マスコミは現在の様な花形の企業では無く、
むしろヤクザな商売でした。
学生運動で社会主義革命を実現出来なかった多くの学生が、
マスコミを通して、日本人の目を開かせようとしたとしても不思議ではありません。

結果的にマスコミの中に、在日の勢力が出来上がり、
コネ採用によって、徐々に勢力を拡大していったのでは無いか?
特に、自出と目的を同じくしているだけに、結束が固く、
社内政治で脱落して行く日本人達を尻目に、
長い時間を掛けて、社内でも重要なポストを担う様になったのでは無いか?

これらの在日勢力は、長い時間を掛けて日本人を「韓流ブーム」を仕掛けたのでしょう。

これは、ロスチャイルドの反ロックフェラー戦略と合致したのでしょう。
結果的に、世論を操作して出来上がったのが、「民主党政権」でした。

■ 民主党政権における「親米」の変質 ■

民主党の菅内閣、野田内閣は、自民党以上の「親米政権」です。

しかし、自民党の「親米」と、民主党の「親米」は、
どうも仕える相手を異にしている様です。

現在、アメリカではロックフェラーが衰退し、
金融関係を中心にロスチャイルド勢力が国家の権力を握っていると考えられます。

民主党政権がこれ程までに「親米」的になったのは、
民主党という政党を作ったのが、ロスチャイルドだったからでは無いでしょうか?

■ ロスチャイルドが好きな冷戦構造 ■

イギリスの外交は基本的に地政学的対立を上手に使い、
冷戦構造を構築します。
これは、ロスチャイルドの世界戦略とも言えます。

最近の中東情勢や、東アジア情勢を見ていると、
グローバル化と逆行した動きが顕著です。

これはロックフェラーの覇権構造が崩れ、
ロスチャイルド好みの世界に、世界が作り変えられている現れでは無いでしょうか?

■ ジャパンハンドラー達は既に寝返った? ■

アメリカのジャパンハンドラーのアミテージやジョセフ・ナイが
日中韓を歴訪している様です。

これは、クリントン国務長官に認められた、準正式な訪問だそうです。

彼らは緊迫する東アジア情勢の調整役を買って出ていますが、
とりあえず、ヤクザが喧嘩の仲裁をする様なもので、
「オレのシマで何やってんだぁ!!」程度の挨拶でしょう。

ところで、今回の尖閣問題はロックフェラー系のシンクタンクでの
石原東京都知事の発言が発端です。
その後ろに、ロックフェラーの影がちらつきます。

ところが、野田首相が思いもよらぬ早業で尖閣を国有化して中国を挑発します。

この二つの動きは連動している様で、全く異なる思惑をはらんでいるのでは無いか?

石原都知事は、ロックフェラーの指示で軍事対立を作り、
日韓両国に武器を売り込み、さらには政治的支配力を回復する為の目的がありそうです。

ロックフェラーは中国の国際化を後押ししていましたが、
どうも、最近のアメリカは中国を封じ込めに掛かっています。

本来、ロックフェラーの走狗であったジャパンハンドラー達が、
今回の尖閣や竹島問題の仕掛け人であるならば、
彼らは、既にロスチャイルドの軍門に下っているのかも知れません。

アミテージは安倍自民党総裁とも会談した様ですが、
安倍氏は、日中韓の緊張を高める発言しかしていません。
これが、安倍氏に振られた役割なのかも知れません。

■ ロックフェラーのアメリカから、ロスチャイルドのアメリカへ ■

私達は従来のロックフェラーのアメリカの姿を想像していると
世界の未来を見誤る可能性があります。

知らず知らずの内に、ご主人様が変わっていた・・・・。

もしかすると、私達はこんな重大な事に気付いていなかったのかも知れません。



そもそも、「ロックフェラー VS ロスチャイルド」という構造自体が、
世界を欺く目的に様にも思えます。
世界の経営者達はシタタカです。
見せ掛けの対立構造を気を取られていたら、
実は両者が結託していた・・・・こういう構造は一番始末に負えません。



景気後退が明確になる中で買われる日本株・・・すでにゲームのスコアーの様な株価

2012-10-22 17:03:00 | 時事/金融危機
 

■ 尖閣問題で後退する日本の景気 ■

尖閣問題で日中対立が深刻化する中、
日本の対中輸出が激減しています。

ロイターによれば、
9月の貿易赤字幅は同月として1979年の統計開始以来、過去最大を記録。
輸出は17カ月ぶりの大幅減となったそうです。

7月-9月期は景気は-3%と予測する人もいる様です。

■ 日経平均が9000円を回復 ■

景気後退が明確になる中で、何故か日経平均が上昇し
9000円代を回復しています。

これは、30日の日銀会合で、ETFやRITを追加購入を発表する事を期待した値動きです。

アメリカにしても、日本にしても既に株式市場は景気を反映していません。
お金がばら撒かれると報道されれば、期待で値上がりし、
量的緩和が実施された途端に、相場は下落します。

もう何だか、水槽の中の金魚みたいで、
ほとんど餌の匂いに条件反射で反応しています。

■ ダウも日経平均も、意味を成さない ■

日経平均株価は、既にダウ平均の従属変数の様になっています。
個人投資家が次々と撤退する中で、
株式市場は、コンピュータのプログラムが
決められたパラメータによって売買を繰り返し相場を形成しています。

日経平均は前日のダウの株価をモロに反映していると言え、
既に、日本の株式市場の独自性はかなり薄らいでいます。

日本株に影響を与えるダウにしても、
薄商いで、価格決定をコントロールし易い状況です。
一部の金融機関が意図的に株価を操作しているとも言えます。

■ QE3や日銀の追加緩和で景気は回復するか ■

QE3や日銀の追加緩和で景気が回復すると本気で信じている専門家は皆無でしょう。

アメリカはQE3で住宅市場が若干上向いています。

アメリカの住宅ローンはノンリコリースですから、
払えなくなれば、家を出て行けば良い。
住宅ローン破綻者は、家を手放せば債務から解放されます。

ですから、再び就職をして高給を手にすれば、
再び、住宅を購入する人も少なくないでしょう。
この点がアメリカの不景気が、日本よりも長期化しないと思われている原因です。

しかし、前提条件は、安定した職業に就く事です。
サブプライムショックで痛い目を見た金融機関は、
返済能力に疑問のある人のローンに二の足を踏むはずです。

でしから、アメリカの住宅市場が回復しても、
サブプライムショック以前の水準には絶対に回復しません。

むしろ、住宅市場は過剰在庫を抱えた状態ですから、
景気後退が明確になれば、せっかく芽吹いた新芽も一瞬にして枯れてしまいます。

雇用があって、初めて住宅購入が出来るのですから、
雇用が低迷する限り、アメリカの住宅市場は回復しません。

FRBはQE3によって、住宅の着工件数を増やして、雇用を創出しようとしていますが、
先行投資は直ぐに過剰在庫の壁にぶつかるはずです。

■ 景気回復のシナリオを想像できなくなってきた世界 ■

リーマンショック直後は、出口戦略やデカップリングなどという言葉が聞かれました。

しかし、世界は景気回復のシナリオを描けなくなっています。
メディアは、経済統計のほんの少しの回復に一喜一憂していますが、
統計を動かしている原動力が、量的緩和でばら撒かれたマネーですから、
統計が改善して当然で、むしろ改善が持続しない事を問題視すべきです。

■ ばくち打ちで無ければ、危機回避を考えるべき ■

日本の景気も、日銀の量的緩和で少し持ち直して見えますが、
株式や不動産市場に直接資金投入する日銀の緩和策は、
世界で最も積極的な緩和策とも言えます。

ソフトバンクへのメガバンクの2兆円に出資を、
「銀行が融資に積極的な姿勢を示し始めた」と見る向きもありますが、
私は、単に、民間資金がアメリカに流出している様にしか見えません。

米経済が失速したら、スッカンピンです。

世界経済が失速気味のこの時期に、何故リスクを負うのか理解不能です。
まあ、ソフトバンクの経営はいつもバクチですし、
さらに大きなバクチを打ち続けなければ、経営破たんするので、
銀行としても、付き合い続けなければならないのでしょう。

■ 8500円を底値で株を買い支える日銀と年金資金 ■

日経平均の最終防衛ラインは8500円の様です。

円高が進行して海外勢が株を売り始め、8500円になると日銀が買い支える。
ここら辺を底値として、海外勢の買戻しが入り、
株価は9000円代半ばまで回復します。

そして、頃合いを見計らって円高を仕掛け、
また売り抜けて、日銀からちゃっかり儲けをせしめる・・・・。

単純と言えば、これ程単純な手口はありません。

株式市場を外資に支配された韓国の事は笑えません。
明日は我が身。