もう読まないつもり、と思っていたが、ついつい読んでしまった。先日読んで感動した『猫弁と鉄の女』の前作である。第2シーズンの第1作だ。やはり、そこそこ面白かった。この調子で第1シーズンの5冊も読んでしまいそうな勢いだ。きっと確かに面白い、はずだ。でも、それは『猫弁と鉄の女』と比較したら、到底及ばないはずである。要するにあの作品がこのシリーズの到達点だったからだ。そのことは疑いようもない事実だろう。作 . . . 本文を読む
カツセマサヒコの原作小説を読んだのは今年(2021年)の1月終わりのことだ。その数日後、映画館で『花束みたいな恋をした』を見ている。だから、驚いた。偶然続けて手にした作品が、まるで同じような話だ、と思ったからだ。明大前での飲み会。そこで出会ったふたり。やがて大学を卒業して、社会人になる。それからの日々。幸せだった時間。去っていく彼女。もちろん細部は違うし、状況も違うのは別の作品だから当然のことだけ . . . 本文を読む
年末、『エッシャー通りの赤いポスト』を見るまでの時間調整で見始めた映画なのだが、なんだか身につまされた。この男ほどではないけど、僕も彼のように言いたいことをちゃんと言えないで、すぐ口を噤んでしまう。(というか、僕にはたぶん言いたいことがないのかもしれないが。自分に自信がないわけではない、はずなのだけど、すぐにもごもごしてしまう。特にこの3月で仕事を辞めてからそういう傾向が強い。無職になり、自信を無 . . . 本文を読む