毎日暇だから凄い勢いで本を読んでいる。1週間で5,6冊は読んだ。クラブの夏の大会が土曜日から始まり、その付き添いで終日体育館にいるからだ。待ち時間が毎日3,4時間はあるのではないか。もちろん、その間アドバイスをしたり、生徒と無駄話をしたりもしているから、ずっと読書をしているわけではない。だが、手持ち無沙汰だし、時間がもったいないから、本を手放せない。暑いし、しんどいから、本当は寝たいのだが、体育 . . . 本文を読む
久々の再演だ。なんと9年振りということだ。前回以上にさりげない作り方をしている。舞台美術も最小限にとどめる。何もない空間で、そこが築100年の民家の離れとなる。もう取り壊しが決まったその場所を舞台にして、その中を整理をする若夫婦の姿が描かれる。もうすぐ、お盆で姉妹たちが里帰りしてくる。その前になんとかしたいのだがなかなか作業は進まない。
これは3姉妹のお話。両親はもういない。3女がこの家を継 . . . 本文を読む
凄いタイトルだが、これはコミックではない。清少納言を主人公にした小説だ。彼女が宮中に入り、ドキドキしながら定子さまのもとで過ごすようになる日々を描く前半は面白い。最初は宮中のさまざまな出来事が新鮮で驚くことばかりで、それをまるで一緒に体験している気分にさせられる。でも、お話自体があまり大きく動かないから、だんだん退屈してくる。
権力争いに巻き込まれ、道長の謀略から定子とその一族が徐々に追い込 . . . 本文を読む
この夏休み一番の期待作をさっそく見に行ってきた。家族連れから、カップル、大人から子供までで満員の劇場で見る。この映画にはそういう環境こそがふさわしい。みんなで、笑って、泣けたならいい。山崎貴監督が八木竜一監督とコンビを組んで放つ第2作だ。
国民的マンガの映画化である。というか、もうなんの解説もいらない。ドラえもんの3D、CGによる映画。毎年春休みに映画になってくるレギュラーではなく、初めての . . . 本文を読む
河瀬直美監督の最新作。カンヌ映画祭で絶賛された作品らしい。だが、なんでこんな映画が持て囃されるのか、僕にはよくわからない。退屈なだけだった。彼女の映画は今まで嫌いではなかった。もちろん癖がありすぎて、鼻につく。ほとんどの人が嫌い、と思うはずだ。でも、ヨーロッパでは持て囃される。不思議だ。今回の作品はパッケージングだけ見るとなんだか普通の青春映画っぽい。だが、やはり普通じゃない。
別に普通であ . . . 本文を読む
少女コミックの映画化が怒濤の勢いで続く。映画館の予告編でも、同じようなものが並ぶ。どれもこれもが同じような話なので、なんだか区別がつかない。いずれも大ヒットコミックの映画化で(評判にもならないような漫画は映画にはならないのだろうが)、少女たちから贔屓にされた作品ばかり。でも、こんなにもよく似た設定の話ばかりで飽きないものだなぁ、と僕は思う。先日見た『L DK』と、あまり変わらない気がするけど。
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すべてがまるで対称的な2人の女の子を主人公にして、そんな2人が反発しあいながらも、心惹かれていくさまが描かれる。まぁ、よくあるパターン。
20歳の新入社員。化粧品会社の美容部員として採用された2人。新人研修で出会い、それからの1年間ほどのお話。反目しあいながら、やがて、仲良しになり、でも、別れていく。そういうどこにでもあるようなドラマが短時間の出来事として描かれる。長い人生の中のほんの1年間 . . . 本文を読む
ジョニー・デップ最新作。というよりも、クリストファー・ノーランのプロデュース作品として、どうか、という感じの作品。題材としてはとてもノーランらしい作品。でも、思ったよりスケールが小さい。もっと壮大なお話へと広がるか、と思ったのだが、そういう意味では肩透かしを食らうことになる。最後はちょっとした戦争状態にもなるというのに、思ったほどに話は広がらない。
まぁ、これは基本的には、先日見た『her/ . . . 本文を読む
スタジオジブリが、宮崎駿監督の引退を受けて放つ最新作だ。巨匠無き今、ジブリ神話はどう引き継がれていくか、そのスタートを任されたのが『借りぐらしのアリエッティ』の米林宏昌監督である。宮崎監督を超えるなんてことは不可能だし、無意味だ。彼にしかできない作品によって太刀打ちするしかない。そこには気負いはないと言えば嘘になろう。だが、真っ向勝負するのではなく、自分の切り口で、自分にしかできない作品を目指す . . . 本文を読む
一世を風靡したケビン・コスナーの主演映画が久々に公開された。もちろん今時ケビン映画なんか、劇場公開されたことが不思議。それくらいに忘れ去られようとしているハリウッドスターになった。あの大ヒット作『ボディガード』の栄光はいずこ。今回もハリウッドではなく、都落ちして、フランスくんだりまで出張した。例によってまた、製作、脚本はリュック・ベッソンだ。リュック・ベッソンもまた、過去の人だ。『グレート・ブル . . . 本文を読む
こういう小説を彼女は書ける。詩人だから感性の赴くまま、お話にもならないようなこんなお話をちゃんと紡いでいく。何も起きないお話なのに、どんどん読ませる。
昔付き合っていた男から、子供を預かる。もう自分では出産する気もない(そんな機会もない)40歳の女が、800万円とともに。1歳にも満たない赤ん坊である。彼女が自分の子としてその子を育てる10年間。
ただ流れるようにストーリーではなく、お話は . . . 本文を読む
2冊組みで1本の小説。短編集だけど、1年間の「お話」を描く長編小説。中学1年の1年間。24人のクラスメートたち。それぞれを主人公にした短編集というスタイル。だが、時制を追って描かれるから結果的にこれが1年間のお話になる。
中一の頃、という微妙な時間のさまざまな想いがとてもよく描かれる。読みながら、あの頃に引き戻される。不安だった入学仕立ての頃。本当に不安で仕方なかった。友だちはできるのか。自 . . . 本文を読む
この凄いタイトルに負けないくらいに映画もまた凄い内容だ。桜庭一樹の直木賞受賞作品の映画化なのだが、ひとりの少女がたったひとりになるところから始まる。まだ10歳くらいの女の子が震災(奥尻島の大地震)
によって家族を失い天涯孤独になる。彼女を助けたのは遠縁にあたる青年で、彼は彼女を引き取り育てることになる。身寄りのない彼女は彼を慕い、たったふたりで身を寄せ合うようにして生きる。
美談ではない。生 . . . 本文を読む
2時間19分があっという間だった。2部作なので、最初から話が途中で終わることはわかっていたけど、いったいどこまで見せてくれるのか、そんなことにまで、ドキドキした。体感時間が2時間くらいを過ぎたときから、もうすぐ終わるよ、と寂しくなる。それくらいに楽しい映画だったのだ。
娯楽大活劇である。前作を受けて、剣心(佐藤健)たちが、どんなふうに生きるか、どう戦うのか、が描かれる。「人斬り抜刀斎」である . . . 本文を読む
『るろうに剣心』を見る前にこの作品を見た。同じ日に2本連続で見たから、余計にその差は歴然で、この中途半端な映画の無残さが際立つ。剣心と比較するつもりなんか毛頭ないけど、それにしても、これは惨い映画だ。出来ることなら『バック・トゥー・ザ・フューチャー』と比較できるくらいのレベルであって欲しかったけど、残念ながら、そうもいかない。(当然かぁ。だって、あれは歴史に残る傑作だ!)
ここにはまるで緊張感 . . . 本文を読む