この夏、パリの劇場でロードショーされていた。公開時凄く見たかったのに、あまりヒットせず、すぐに公開が終了し見逃していたから、ここで見ようか、とも思ったけど、いくらなんでもわざわざヨーロッパまで観光旅行にきて、そこで日本映画を見ることはないだろ、と思いやめた。
だけど、パリの映画館は凄いよ。北野武特集もしていたし、成瀬巳喜男もやっていたし、ダスティン・ホフマンの『卒 . . . 本文を読む
小学生の時に見て衝撃的だったオリジナルの『猿の惑星』との出会いから、もう40数年が経つ。確かあれは6年生の冬だった。たまたま、つけていたTVで見た。見てしまった、とでも言おうか。まだ、映画に目覚める前で、それを見たのはほんとうにただの偶然のことだった。
年末の「年忘れ映画大会」みたいな番組で深夜に放送されていたのだ。少年があのラストシーンと、何の予備知識もなく出遭 . . . 本文を読む
大衆演劇というのはイメージではわかるけど、芝居小屋で実際にちゃんと見たことはない。(映画やTVなんかで、その一部を見たくらいか)だから、こういう形で疑似体験させてもらうのはうれしい。そしてそれが神原芝居の原点をたどるものにもなる。神原さんがずっとやり続けていることって、こういうことがそのルーツにあるのだと改めて理解できる。もちろん、そんなことはずっと前からわかっていたことだけど、こ . . . 本文を読む
「本格小型時代劇」というなんだか不思議なネーミングが、ちょっと可愛くていい。小劇場できちんとしたセットを組んで、衣装もカツラも込みで、時代劇を作るなんて、なかなかないことだろう。(こんな体験、僕は初めて!) それなのに、肩肘張るのではなく、ちょっとキッチュで(とくに、カツラがかわいい)ホンワカした芝居、というのがいい。
しかも、これは吉弥さんと銀瓶さんによる落語ヴ . . . 本文を読む
3本がそれぞれ自分たちの罪について、その罰について、しっかり見つめてみるという正攻法の芝居で、がっつり作られてあり見応え満点。こんなにもわかりやすいA級作品って初めてではないか。でも、それが観客に対するサービスでも妥協でもなく、このテーマに対する作り手の真摯な姿勢を示すものになっていて素晴らしい。重いテーマをガツンと突きつけてくるけど、重い芝居にはならない。とても見やすい芝居でさら . . . 本文を読む
高橋弘希『日曜日の人々』他
なんだかのんびりしていて牧歌的なタイトルだが、実際はとてもキツい話だ。自殺サークルのお話。そこは、日曜日に集まってそれぞれが自分の抱える問題を話す自助団体なのだが、結果的にここからたくさんの自殺者を出すことになる。
恋人で、従姉の自殺。主人公は、彼女の死の秘密を知りたくて彼女が所属していたこのサークルに入会する。彼女の残した遺稿を読みたくて。だが、気 . . . 本文を読む
久々にDVDを借りて映画を見た。それなのに、数ある映画の中から、こんなB級映画を選ぶなんて、情けない気がしないでもない。ただ、ずっと気になっていた映画だし、旧作になっていたから100円だし、ついつい借りてしまったのだ。
イーライ・ロス監督の映画は初めてだ。彼の名前はジョン・ワッツに教えて貰った。ジョン・ワッツのB級ホラー映画を見たとき、そのパイロット映画をイーライ . . . 本文を読む
久々に興奮するバイオレンス映画の登場だ。北野武監督2年ぶりの新作。(シリーズとしては5年ぶり)『アウトレイジ』シリーズが3部作としてここに完結する。同時に『この男、凶暴につき』でスタートした北野武監督のバイオレンス映画の完成形でもある。これは『アウトレイジ』だけではなく、そこに至る『ソナチネ』から『HANABI』を経て、このシリーズに流れつく、その延長線上にある。北野映画の集大成で . . . 本文を読む
東野圭吾の原作が面白かったからかなり期待したのだけど、さすがの廣木隆一をしてもこれは難しかったようだ。お話が飛び飛びになっていくので、映画としてのダイナミズムが発揮されない。手紙の話なので、そこを映像化するのは難しい。原作はパズルのようなお話がきれいに収束していくのが見事なのだが(これって伊坂幸太郎が得意のパターン。でも、泥臭い東野圭吾がすると、このベタな話にはぴったりくる。それだ . . . 本文を読む
今回は「ドストエフスキーという名の亀(」演出:栖参蔵)と「遁走曲エロチカ」(演出:阿矢)の2本立。このわけのわからなさが短編故、作品の魅力になっている。もし、長編でこれをやられたなら腹が立つところだが、短編ならキツネにつままれた気分でスコンと受け入れられる。なんか騙されたような、でもそんな不思議って、どこにでもあるかも、という気分。理屈の通らない不条理をそのまま受け止める、という感 . . . 本文を読む
先日の略称『民生ボーイと狂わせガール』を見た時もそうだったが今回も同じで、最近もう恋愛映画には全く食指をそそられなくなっている。そんな自分に驚く。(年は取りたくないなぁ、と改めて思った)しかも、今回はまたぞろ高校の先生と生徒のお話で、もうこのパターンは食傷気味だ。(自分が高校で働いているから、こういうのは見ていてなんだか恥ずかしい)
ただこれは、最近の定番であるマンガの映画化では . . . 本文を読む
先日のアニバーサリーver.と較べると、とてもわかりやすい作品に仕上がっていることに驚く。各作品はそれぞれちゃんと劇場に合わせたアレンジがなされているのだが、基本は同じ台本を使ってある。それをこんなにも肌合いの違う2本の作品に仕上げたのだ。台本を書いたはせひろいちはこのオリジナル版の方にも少し手を入れてくれたらしい。オリジナルはもちろんこのウイングフィルドで上演されたも . . . 本文を読む
アクション映画にした。最初から最後までアクションに徹した。その結果とてもつまらない映画になってしまった。本広克行監督の意図が空回りしている。このお話の面白さをまるで理解していない。アニメーション映画版を見た時の感動がここにはまるで再現すらされない。アニメは3部作として映画化されたが、第1部が圧倒的に面白かった。
何が何だかわからないまま、「亜人」と認定され、ただた . . . 本文を読む
この夏、飛行機の中でこの映画を見た。(往復の20時間ほどで合計8本の映画を見た。相変わらずバカだ)帰国の直前までこの映画を見ていた。たまたま最後にまだ時間があるから時間つぶしに見始めたのだが、完全嵌まってしまい、こんなことなら、もっと最初にこの映画を選んでいたらよかったと、後悔した。
小さなモニターで40分見たところで関空に着いてしまったので、とても残念だった。そ . . . 本文を読む
いくらなんでもこんなタイトルの映画はあり得ない、と思う。原作漫画がこのタイトルなのでそのままこのタイトルでGOサインを出したのだろうが、これはかなりの冒険なのではないか。僕にはわからないけど、常識的に考えると、インパクトは凄いけど、商品として、タイトルがこんなに長いとなかなか覚えられないし、「奥田民生」なんていう固有名詞を映画のタイトルに入れるのは、凄すぎる。略称である『民生ボーイ . . . 本文を読む