ザ・クアトロ

クアトロの父のたわごと

ジュレッベ都へ行く

2007年11月20日 | ワインの話

Photo 先週の木曜に解禁になったボージョレ・ヌーヴォー。この土日が終わるとすでに、古酒になったのではないかと思う程、お客様は興味を示さなくなる。イタリアのノヴェッロはさらに、ボージョレ・ヌーヴォーの影に隠れてしまっている。
クアトロの父が毎年贔屓にしているバディア・ディ・モローナ社のノヴェッロ「ジュレッベ」は今年もあまり売れない。イタリア・ワインはラベルのセンスの良いものが多いのだが、この「ジュレッベ」はちょっとダサイ気がする。毎年同じデザインだからモローナさんは気に入っているのかもしれないが。
ワインのラベルは結構重要で、最近のボージョレ・ヌーヴォーなどはラベルのデザインを競っているようなところもある。原色を多く使い、新鮮なイメージを誇示しようとしている。ラベルで選んでボージョレ・ヌーヴォーを買う人も多いと思う。
「ジュレッベ」はその地味なラベルとは違い、味わいは華やかだ。果実味が豊かで、厚みもあり新酒とは思えないほどの重厚さもある。事実、新酒で味わうだけでなく翌年までも充分に楽しめるワインだ。土浦の酒屋さんでは前年のビンテージを堂々と売っている。
ラベルで損をしていると思う「ジュレッベ」はそろそろクアトロの父のワインセラーで寝かせようと思う。

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今そこにある危機

2007年11月19日 | 個人的な話

Photo クアトロの自宅の玄関を入ると正面に「WINE ROOM」と札のかけられたドアがある。クアトロの父自慢のワインセラーだ。ならばワインセラーと書けば良かったのだが、切り文字を買うときにセラーの綴りが解らなかったのでルームになってしまった。それでも立派なワインセラーなのである。階段下の半地下のスペースを使っている。畳一枚ほどのスペースだ。防音防湿の扉に、倉庫用のエアコンを付け、床には砂利を敷いてある。ここに水を撒いておくと湿度を保てる。ワインには直接エアコンの風があたらないようにしたり、このセラーの設計にはクアトロの父のこだわりが多い。200本以上の収納が可能だ。しかし今大きな問題がある。それは収納してあるワインが少ないことだ。一時はかなり在庫していたのだが、今はかなり手放したり飲んでしまったりした。
クアトロの父が死んで、セラーを覗いた家族が、時を経て飲み頃になったワインを見つけた時、父を思い出してもらえるかもしれない。そんな男のロマンのワインセラーなのだ。しかし、息子(クアトロのシェフ)はこっそりとワインを抜き出して友達と飲んでいるらしい。男のロマンは危機を迎えている。
在庫の寂しいこのセラーは遂にカラスミの乾燥室となってしまった。男のロマンへの道のりはまだ遠い。

Photo_2 カラスミ日記15日目
ワインセラーの一部を占拠したカラスミは熟成を進めている。白いところは結晶かカビか緊張が走る。

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晩秋のシマアジ

2007年11月18日 | 魚の話

S_2 朝晩の冷え込みが厳しくなった。すでに晩秋である。この時期の美味しい魚の代表は何と言ってもシマアジだ。1キロから3キロぐらいのシマアジは特に旨い。クアトロにも2キロクラスのシマアジが入荷した。シマアジの特色は脂の上品なところだろう。昨日味見したシマアジはめっちゃ旨かった。身にしまりがあり歯ごたえがしっかりしている。脂の乗りは充分なのだが、食べてくどさを感じさせない。このクラスの大きさになると今日あたりがさらに美味しそうだ。ねっとりとした美味しさに変わっていくと思われる。
シマアジは縞鰺と書くように幼魚のときは縞模様がある。また、伊豆諸島で獲れるのが旨いので島アジとも云うようだ。
黄色い縞模様がレイソルのユニフォームを思わせるシマアジだが、レイソルはこの晩秋に苦戦を強いられている。がんばれレイソル。

※本日の黒板メニュー
北海道産松皮鰈、秋田産サワラ、青森産ソイ、三重産石鯛、鹿児島産シマアジ、北海道産サンマ、岩手広田湾産カキ

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ボージョレ・ヌーヴォーとおでん

2007年11月17日 | ワインの話

Photo ボージョレ・ヌーヴォーも変わった。昔はブドウジュースと遜色無かったが、年を追うごとに洗練されている。「今年の出来は良いですよ」と毎年云っているが、気候よりも技術が進歩しているのだろう。
ボージョレ・ヌーヴォーは白ワインに近い作り方をする。色は赤だが、白ワインとして考えた方が料理にも合わせやすい。ボージョレ・ヌーヴォーを作るブドウ・ガメイ種自体が赤ワインの重要な要素であるタンニンが少ない。さらにそのタンニンが出ないような作り方をするからボージョレ・ヌーヴォーは白ワインのような味わいになる。
しかし、最近のボージョレ・ヌーヴォーは濃縮感を出すようにしているためか、タンニンも増えているように感じる。その分が毎年美味しくなった気がする点だろうか。そのタンニンはじっくりと旨みに変わっていく。ボージョレ・ヌーヴォーもセラーで寝かせてビンテージを楽しむような事になるかもしれない。
今年もクアトロ家では、ボージョレ・ヌーヴォーとおでんで夕食を楽しんだ。これが良く合うのだ。カラシを付け過ぎて鼻にツーンと来ている時も冷やしたボージョレ・ヌーヴォーで流し込んでオッケーである。しかし、あまり高級になったボージョレ・ヌーヴォーをビンテージで楽しむようになったら、こうもいかない。

Photo_2 カラスミ日記13日目
乾燥を始めて3日目。自宅のワインセラーを使って低温熟成させることにした。カラスミの臭いがきつくなったら困るのだが、どうなることやら。

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パルミ・クアトロ

2007年11月16日 | クアトロ・スタジオーネの話

S 私はパルミ四世。パルミ・クアトロとも呼ばれている。昨日、この豊四季のクアトロ・スタジオーネに着いた。パルミ三世との引き継ぎにはもう暫くかかりそうなのだが、パルミ三世はかなりやつれている。早く引退させてあげなくてはと思った。
パルミ三世の隣には、同郷のパルマ・ハムではなく、サンダニエレのハムがツンとすまして生ハム・ホルダーに収まっている。パルミ三世は同郷のパルマ・ハムがいなくなってから元気がなくなったのだろうか。しかもサンダニエレ一族はパルミ一族以上に今クアトロで人気があるらしい。昨日新しいサンダニエレが私の少し前にクアトロに到着していた。「わたしは、わたしは、ひだりあっしー」などと浮かれていた。
私は誓う。サンダニエレのハムには負けない。クアトロの人気は私が支えるのだ。昨日も私が到着すると早速、沢山のパルミ・ファンが出迎えてくれた。誰もが私の魅力にうっとりとしている。初代のパルミからのファンも多く、嬉しいことだ。
また、ボージョレの新酒やトスカーナの新酒が私を引き立てている。パルミの新しい時代が幕を開けたのだ。

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