○ロリオ(P)(erato)1987/10・CD
適度な長さの作品として取り上げられることの多い曲だ。ロリオはメシアンそのものと言っていいのだろう、じつに「そつない」。凡百の作曲家はカッコウくらいでやめておく「鳥の声の採譜」というものを芸術としてやってのけたメシアンは、まるで百科事典のようなきらびやかな曲集を編み上げたものの、しばしば「小鳥というより怪鳥」と揶揄されたように抽象化されないそのまんまの鳥の声を、もともと強靭な楽器であるピアノに常に鋭くハッキリと発音させる。和声的ではなく、ほとんど旋律のていをなさない打楽器的フレーズを不規則に連ね、原譜に比して酷く単調に聴こえる。ロリオは有無を言わせない説得力をもって臨んでいるが、後を継ぐのは難しいだろう。ロマンティックにやろうと思えばやれる要素はある。スクリアビンのようにケレン味たっぷりに解釈すればよい。でも作曲意図からは外れる。。
適度な長さの作品として取り上げられることの多い曲だ。ロリオはメシアンそのものと言っていいのだろう、じつに「そつない」。凡百の作曲家はカッコウくらいでやめておく「鳥の声の採譜」というものを芸術としてやってのけたメシアンは、まるで百科事典のようなきらびやかな曲集を編み上げたものの、しばしば「小鳥というより怪鳥」と揶揄されたように抽象化されないそのまんまの鳥の声を、もともと強靭な楽器であるピアノに常に鋭くハッキリと発音させる。和声的ではなく、ほとんど旋律のていをなさない打楽器的フレーズを不規則に連ね、原譜に比して酷く単調に聴こえる。ロリオは有無を言わせない説得力をもって臨んでいるが、後を継ぐのは難しいだろう。ロマンティックにやろうと思えばやれる要素はある。スクリアビンのようにケレン味たっぷりに解釈すればよい。でも作曲意図からは外れる。。