○ブーレーズ指揮クリーヴランド管弦楽団(DG)2010/2・CD
取り組みは昔からであるものの近年とみにマーラーを振るようになったブーレーズだが精緻な響きと構造の抉り出し方はそのままに、柔らかな自然さを身に着けて尖鋭さは後退しているように感じる。この演奏もストレスなく聴け、また、文学的感傷とは隔絶した純粋な音楽としての美しさが持ち味だが、攻撃的解釈とか、激情的表現が無い同曲というのは、A(アルマ)の絶唱も全体の音楽的調和の中で響くのみの鳥籠の小鳥。オケが非常にすぐれているし好きな演奏だが、感情的なマーラーではない。マーラー的といわれる空疎な響きも豊潤にまとめられそうとは聴こえないから、マーラー指揮者ではない人のマーラーとして聴く覚悟をもって臨まれるが吉。○。
取り組みは昔からであるものの近年とみにマーラーを振るようになったブーレーズだが精緻な響きと構造の抉り出し方はそのままに、柔らかな自然さを身に着けて尖鋭さは後退しているように感じる。この演奏もストレスなく聴け、また、文学的感傷とは隔絶した純粋な音楽としての美しさが持ち味だが、攻撃的解釈とか、激情的表現が無い同曲というのは、A(アルマ)の絶唱も全体の音楽的調和の中で響くのみの鳥籠の小鳥。オケが非常にすぐれているし好きな演奏だが、感情的なマーラーではない。マーラー的といわれる空疎な響きも豊潤にまとめられそうとは聴こえないから、マーラー指揮者ではない人のマーラーとして聴く覚悟をもって臨まれるが吉。○。