湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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☆ヒンデミット:愛する人々へのレクイエム~前庭に最後のライラックの花咲くとき

2016年09月12日 | ドイツ・オーストリア
○ユンゲン、ブラウン他、作曲家指揮ウィーン交響楽団他(EVEREST)CD

自作自演は三種ほどあったと思う。これはステレオで音色的にもNYPのものより多彩なひびきの煌びやかな演奏になっている。平易な、イギリスかフランスかといったやさしく繊細で明るい音楽やオラトリオふうの壮大な合唱曲を織り交ぜての大作で、ヒンデミットらしくもない晩年的聴きやすさ、簡素なオーケストレーションに反して、非常に理知的に構成構造の練られたマニアックで隙のない作品群になっている。ルーズベルト大統領死去・WW2終結を期にあまれたホイットマンの詩文による作品、文字通りレクイエムとしてしばしば演奏録音されたが、聴感としては歌劇であり、ヒンデミットの本領を考えてもそのように聴くべきだろう。雄弁に独自の構造を聴かせる場面よりもサティのソクラートを思わせる単純で古風な歌唱やRVWのようなロマンティックな楽想の表現において、あたたかな感銘をあたえる演奏・歌唱になっており、作曲家本人の主情がはいってい無いと言えば嘘になるだろう。○。

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