クーセヴィツキー指揮ボストン交響楽団(PASC他)1943/10/23live放送
戦中なので録音は悪いがカラフルで愉悦的な演奏ぶりが楽しめる。クーセヴィツキーにしては軽快で、この人が一本調子のマンネリ指揮者ではないことを実感させてくれる。オケも精度がたかく、いきいきした終楽章など素晴らしい。こういう演奏の魅力は元来ベートーヴェンの簡潔骨太で天才的なオーケストレーションによるところが大きいにしても、のちの国民楽派を思わせる平易な旋律や表面描写的フレーズなど、近現代を得意とするクーセヴィツキーには一際やりやすかったのかもしれない。盛大な拍手。