湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

ヴォーン・ウィリアムズ:アカデミックな協奏曲(ヴァイオリン協奏曲)

2019年03月31日 | ヴォーン・ウィリアムズ
ワリー・コーエン(Vn)カーティス指揮スワン管弦楽団(signum)CD

押しの強い音が好みではないが、かなり誇張した表現は独特で、ヴォーン・ウィリアムズの新古典作品でこうも派手な伸縮を付けた演奏は聞いたことが無く、面白く味わえた。初手には向かないが曲を知っているなら色々楽しめるとおもう。楽団も良い意味で色のない音をソリストに添わせて適切に聞かせており、響きの純度の高さがロマンティックな曲に忍び込まされている不協和音を耳に届かせ、甘さだけでは成り立たないヴォーン・ウィリアムズの真価を問うてくる。二楽章終盤などなかなかの音世界である。問題というか解釈の問題として両端楽章のスピードが緩い。堅実にテンポをとり強いアタックによりデジタルな音色変化を確実に届かせていく、それが生硬な感もあるし、まったく新古典主義的な曲に沿った演奏でもないし、ただ計算ずくの中でしっかり聴かせたい独自の焦点については、ちゃんと脳まで届かせることに成功している。
Vaughan
Signum UK

Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ドビュッシー:舞曲(スティリ... | TOP | ジオシティーズ終わりました(ホーム... »
最新の画像もっと見る

Recent Entries | ヴォーン・ウィリアムズ