マッケイブ(P)イギリス四重奏団(meridian)CD
弦楽が弱い。なんだか昔の学生のような生硬さがある。スコアを活かし切れていない。萎縮して、ただ音にしている感がある。テンポも全体的にかなり落としているのでこの曲の若々しさが損なわれ、疾走感の欲しい場面もある。このテンポならではのマッケイブのピアノの美しさは、とくに3楽章で発揮されている。イギリス近代音楽をよく知っている人の演奏だ。ウォルトン若書きの単純さの中にも、ここまで周到なリリシズムが書き込まれているのか、と思わせるところもあるが、改訂版だからかもしれない。